RumandMonkeys
2021年12月20日
インド北東部 晩秋の桜祭り Cherry Blossom Festival in Shillong
桜といえば日本を代表する花であることは論を待たないが、異論があるとすればシロンからだろう。
何を言っているのか訳が分からないだろうけど、まずは、この美しい桜の写真を見てほしい。
いやー、やっぱり日本の春はこれだよな、と言いたくなるが、じつはこれ、みんなインドで撮られたものなのである。
この写真のいずれもが、インド北東部のメガラヤ州の州都シロン(Shillong)で撮影されたものだ。
しかも、これは春ではなくて晩秋。
インドではムンバイにも桜の並木道があり、毎年3月に見頃となるが、シロンでは桜の種類が違うのか、毎年11月に満開の季節を迎える。
(写真の出典:
1枚目 https://www.cntraveller.in/story/covid-cant-stop-cherry-blossoms-from-blooming-in-shillong-meghalaya/
2枚目 https://timesofindia.indiatimes.com/travel/destinations/shillong-ready-to-host-indian-cherry-blossom-festival-in-nov/as61184175.cms
3枚目 https://indianexpress.com/article/north-east-india/meghalaya/cherry-blossom-festival-shillong-meghalaya-bloom-no-show-yet-show-must-go-on-4927948/)
(地図出典:Wikipedia)
このブログでも何度も紹介しているように、インド北東部は、アーリア系やドラヴィダ系の彫りの深い典型的な「インド人」ではなく、東アジア/東南アジア的な見た目の人々が多く暮らす土地である。
我々がインドと聞いてイメージする褐色の大地とは異なるヒマラヤのふもとの山間に桜が咲き誇る様子は、まるで日本の田舎の風景のようだ。
(出典:https://www.indiatimes.com/trending/environment/shillong-2021-cherry-blossom-festival-photos-555265.html)
北東部は文化的にも独特で、20世紀以降、欧米の伝道師たちによって持ち込まれたキリスト教の信仰が定着し、じつに人口の75%がクリスチャンだ。
そのためか、メガラヤ州にはインドではかなり早い時期から欧米のポピュラーミュージックが浸透していて、シロンは「インドのロックの首都」とも言われている。
日本で花見といえば宴会だが、そんなシロンではやはり桜の季節も音楽フェス。
今年はシロンの桜祭り、その名も'Shillong Cherry Blossom Festival'が2年ぶりに開催され、そのなかでインド国内外のアーティストが出演するライブが行われた。
今年のフェスティバルは、11月25〜27日の3日間にわたって行われ、大いに盛り上がったようだ。
出演アーティストを見てみよう。
まずは韓国から、K-Popの今年デビューしたガールズグループPIXY.
Cherry Blossom Festivalのステージでは、かつて世界的にヒットしたPanjabi MCの"Mundian To Bach Ke"をカバーするなど、インドのオーディエンスを意識したパフォーマンスを繰り広げた。
この曲は、インド北西部パンジャーブのバングラーを現代的にアレンジしたもので、メガラヤ州とは遠く離れた地方の音楽なのだが、それでもインドのための特別なパフォーマンスであることは十分に伝わったようで、観客も大いに盛り上がっている。
K-Pop人気はインドでも絶大で、韓国側もしっかりとインドをマーケットとして位置付けているようである。
PIXYのような新鋭K-Popグループによるインドでのプロモーション活動は、ここ数年さかんに行われていて、インド各地でK-Pop人気の裾野を広げることに貢献している。
他の出演者も見てみよう。
ポルトガルの女性EDM DJ, Mari Ferrariはこのブチ上げっぷり。
他には、ドバイのファンクグループ、Carl and the Reda Mafiaやタイのエレクトロニック・ポップ・アーティストPyraら国際色豊かな面々が出演している。
「そこまで世界的に有名ではないが面白いアーティスト」を呼ぶことにかけては、北東部のフェスはなかなかの慧眼を発揮していると言えるだろう。
このCherry Blossom Festivalには、地元メガラヤのアーティストたちも出演し、ステージを盛り上げている。
例えばこの女性シンガーのJessie Lyngdoh.
R&BシンガーのShane.
メガラヤ州の公用語は、地元言語のガロ語(Garo)、カシ語(Khasi)、そして英語。
北東部の地元言語は話者数が少ないためか、英語で歌うアーティストが多いのも特徴となっていえる。
EDMのDJ Wanshanのこの下世話な盛り上がりっぷりも最高。
BANJOPら地元のメンバーも複数出演した。
ロックバンドのRum and Monkeys.
シロンは小さな街だが、さすが「インドのロックの首都」と言われているだけあり、層の厚さを感じさせるラインナップである。
このフェスが北東部らしくて面白いところは、音楽だけでなく、コスプレ大会などのイベントも行われていること。
北東部では、見た目的な親近感からか、K-Popだけでなく日本のアニメやコスプレ文化も非常に高い人気を博している。
フェス全体の様子はこちらの動画で見ることができる。
この動画でも「サクラ」という言葉が使われているし、コスプレ大会も行われているこのフェスに、日本のアーティストにもぜひ出演してほしいところ。
秋に桜が見たくなったら、春まで待つ必要はない。
メガラヤ州シロンに行こう。
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何を言っているのか訳が分からないだろうけど、まずは、この美しい桜の写真を見てほしい。
いやー、やっぱり日本の春はこれだよな、と言いたくなるが、じつはこれ、みんなインドで撮られたものなのである。
この写真のいずれもが、インド北東部のメガラヤ州の州都シロン(Shillong)で撮影されたものだ。
しかも、これは春ではなくて晩秋。
インドではムンバイにも桜の並木道があり、毎年3月に見頃となるが、シロンでは桜の種類が違うのか、毎年11月に満開の季節を迎える。
(写真の出典:
1枚目 https://www.cntraveller.in/story/covid-cant-stop-cherry-blossoms-from-blooming-in-shillong-meghalaya/
2枚目 https://timesofindia.indiatimes.com/travel/destinations/shillong-ready-to-host-indian-cherry-blossom-festival-in-nov/as61184175.cms
3枚目 https://indianexpress.com/article/north-east-india/meghalaya/cherry-blossom-festival-shillong-meghalaya-bloom-no-show-yet-show-must-go-on-4927948/)
(地図出典:Wikipedia)
このブログでも何度も紹介しているように、インド北東部は、アーリア系やドラヴィダ系の彫りの深い典型的な「インド人」ではなく、東アジア/東南アジア的な見た目の人々が多く暮らす土地である。
我々がインドと聞いてイメージする褐色の大地とは異なるヒマラヤのふもとの山間に桜が咲き誇る様子は、まるで日本の田舎の風景のようだ。
(出典:https://www.indiatimes.com/trending/environment/shillong-2021-cherry-blossom-festival-photos-555265.html)
北東部は文化的にも独特で、20世紀以降、欧米の伝道師たちによって持ち込まれたキリスト教の信仰が定着し、じつに人口の75%がクリスチャンだ。
そのためか、メガラヤ州にはインドではかなり早い時期から欧米のポピュラーミュージックが浸透していて、シロンは「インドのロックの首都」とも言われている。
日本で花見といえば宴会だが、そんなシロンではやはり桜の季節も音楽フェス。
今年はシロンの桜祭り、その名も'Shillong Cherry Blossom Festival'が2年ぶりに開催され、そのなかでインド国内外のアーティストが出演するライブが行われた。
今年のフェスティバルは、11月25〜27日の3日間にわたって行われ、大いに盛り上がったようだ。
出演アーティストを見てみよう。
まずは韓国から、K-Popの今年デビューしたガールズグループPIXY.
Cherry Blossom Festivalのステージでは、かつて世界的にヒットしたPanjabi MCの"Mundian To Bach Ke"をカバーするなど、インドのオーディエンスを意識したパフォーマンスを繰り広げた。
この曲は、インド北西部パンジャーブのバングラーを現代的にアレンジしたもので、メガラヤ州とは遠く離れた地方の音楽なのだが、それでもインドのための特別なパフォーマンスであることは十分に伝わったようで、観客も大いに盛り上がっている。
K-Pop人気はインドでも絶大で、韓国側もしっかりとインドをマーケットとして位置付けているようである。
PIXYのような新鋭K-Popグループによるインドでのプロモーション活動は、ここ数年さかんに行われていて、インド各地でK-Pop人気の裾野を広げることに貢献している。
他の出演者も見てみよう。
ポルトガルの女性EDM DJ, Mari Ferrariはこのブチ上げっぷり。
他には、ドバイのファンクグループ、Carl and the Reda Mafiaやタイのエレクトロニック・ポップ・アーティストPyraら国際色豊かな面々が出演している。
「そこまで世界的に有名ではないが面白いアーティスト」を呼ぶことにかけては、北東部のフェスはなかなかの慧眼を発揮していると言えるだろう。
このCherry Blossom Festivalには、地元メガラヤのアーティストたちも出演し、ステージを盛り上げている。
例えばこの女性シンガーのJessie Lyngdoh.
R&BシンガーのShane.
メガラヤ州の公用語は、地元言語のガロ語(Garo)、カシ語(Khasi)、そして英語。
北東部の地元言語は話者数が少ないためか、英語で歌うアーティストが多いのも特徴となっていえる。
EDMのDJ Wanshanのこの下世話な盛り上がりっぷりも最高。
BANJOPら地元のメンバーも複数出演した。
ロックバンドのRum and Monkeys.
シロンは小さな街だが、さすが「インドのロックの首都」と言われているだけあり、層の厚さを感じさせるラインナップである。
このフェスが北東部らしくて面白いところは、音楽だけでなく、コスプレ大会などのイベントも行われていること。
北東部では、見た目的な親近感からか、K-Popだけでなく日本のアニメやコスプレ文化も非常に高い人気を博している。
フェス全体の様子はこちらの動画で見ることができる。
この動画でも「サクラ」という言葉が使われているし、コスプレ大会も行われているこのフェスに、日本のアーティストにもぜひ出演してほしいところ。
秋に桜が見たくなったら、春まで待つ必要はない。
メガラヤ州シロンに行こう。
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