RANJ
2023年08月16日
なぜか今頃発表! The Indies Awards 2022
インドの優れたインディペンデント音楽のアーティストや作品に対して、2020年から表彰を行なっているThe Indies Awardsの2022年版が、先日唐突に発表された。
すでに2023年の8月後半にさしかかったこのタイミングでいったい何故?
もしかしてインドには日本でいうところの「年度」みたいな考え方があるの?(例えば2022年の8月から翌年の7月までを2022年度として扱うとか)
…と不思議に思ったものの、どうやらそういったことはいっさいなく、純粋に2022年以前にリリースされた作品のみが対象とされているようだし、単に選考に時間がかかっていたか、忘れていただけの模様。
インドのインディーズシーンは、まだまだみんなが手弁当で盛り上げているといった感じなので、おそらく選考委員のみなさんも本業を別に持っていたりして、きっと忙しくてこのタイミングになるまで手がつけられなかったんだろう。
なにしろ、ジャンル別アルバム・楽曲、パート別プレイヤー部門など全部で27部門もある本格的な賞なので、選考に時間がかかるのも分かる。
(…かと思ったら、後述の通り、どう考えても2021年にリリースされた作品がたくさん入っていたりして、なんだか訳がわからない)
個別の受賞者は上記のリンクを辿ってもらうとして、主要部門と気になる部門について、いくつか紹介してみたいと思います。
Artist of the Year: Seedhe Maut
アーティスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのはこのブログでも何度も紹介しているデリーのSeedhe Maut.
確かに2022年のSeedhe Mautはインドを代表するヒップホッププロデューサーSez on the Beatと久しぶりに共作した傑作アルバム"Nayaab"をリリースし、インドのヒップホップの新境地を切り開く大活躍をしていた。
さらに彼らはHiphop/ Rap Song of the Year部門もこの"Namastute"で受賞している。
アレ?この曲、もう1作前のアルバムの曲だけど、リリースいつだっけ?と思って調べてみたら、2021年の2月。
なにがなんだかよくわからなくなって来たけど、名作なのは間違いないのでまあ良しとしよう。
Song of the Year: Sunflower Tape Machine "Sophomore Sweetheart"
やはり2021年の6月にリリースされているこの曲がなぜ2022年のベストソングに選ばれているのかは謎だが、洋楽的なインディーミュージックとしてよくできた曲なことに異論はない。
Sunflower Tape MachineはチェンナイのアーティストAryaman Singhのソロプロジェクトで、この曲は2021年のRolling Stone Indiaが選ぶベストシングルの2位にもランクインされていた。
Sunflower Tape MachineはThe Indies AwardsでもEmerging Artist of the Yearとのダブル受賞。
リリースする楽曲ごとに作風が変わる彼らの魅力は、近々特集して紹介したいところだ。
Album of the Year: Saptak Chatarjee "Aaina"
彼はこれまで知らなかったアーティストだった。
どうもこのThe Indiesは、Rolling Stone Indiaあたりと比べると、いわゆるフュージョン的な、インドの要素を多く含んだ音楽を評価する傾向があるようで、彼も本格的な古典音楽を歌ったりもするシンガーソングライター。
Saptak Chatarjeeはデリーとムンバイを拠点にしているようで、YouTubeでチェックする限り、その実力は間違いなさそうだ。
Music Video of the Year: The F16s "Easy Bake, Easy Wake"
F16sはチェンナイ出身のロックバンド。
ふざけた名前のLendrick Kumar(説明するのも野暮だが、たぶんインドによくいるKumarという名前を、Kendrick Lanarのアナグラム風にしている)によるミュージックビデオは、独特のユーモアと世界観が魅力的。
この曲が収録された"Is It Time to Eat the Rich Yet?"は、Rock / Blues / Alternative Album Of The Yearも受賞している。
ちなみにこのアルバムもやはり2021年の11月にリリースされたもの。
前回のThe Indies Awardsは2022年の12月に発表されているので、ぎりぎりのタイミングだったのかもしれないが、たまに2021年前半の作品が含まれているのが解せない。
他のチェンナイ勢では、フジロックでの来日も記憶に新しいJATAYUの"Moodswings"がInstrumental Music Album Of The Yearを受賞している。
Artwork Of The Year: Midhaven "Of The Lotus & The Thunderbolt"
Metal/Hardcore Song of the Year: Midhaven "Zhitro"アートワーク部門とメタル・ハードコア部門の楽曲賞を両方を受賞したのが、このMidhavenというムンバイのアーティストだった。
不勉強ながらこれまで知らなかったバンドで、先日出版された『デスメタル・インディア』にも掲載されていない新鋭バンドのようだ。
アートワーク部門での受賞となったのがこのサムネイルのイラストで、やはりこの媒体がインド的な要素を嗜好していることを感じさせられるセレクトだ。
楽曲はミドルテンポのよくあるメタルで、それなりにレベルの高いインドのメタルシーンでこれといって特筆すべき部分は感じられなかった。
Electronic/Dance Album of the Year: MojoJojo "AnderRated"
伝統音楽をポップな感覚でダンスミュージックと融合するムンバイのプロデューサーMojoJojoが2021年の10月のリリースしたアルバム。
RitvizやLost Storiesなど、いわゆる印DM(インド的EDM)ではいろんなスタイルで活躍しているアーティストがいるが、彼はちょっとラテンポップっぽい要素があるところが独特だろうか。
ちなみに楽曲部門(Electronic / Dance Song Of The Year)では、ラージャスターンの民謡とエレクトロニックを融合するというコンセプトで活動するBODMASの"Camel Culture"(やっぱり2021年のリリース)が選出されている。
インドのエレクトロニックシーンの評価基準をフュージョンという点に置いているのだとしたら、なかなか興味深いセレクトである。
Folk-Fusion Song Of The Year: Abhay Nayampally "Celebration (feat. Bakithi Kumalo, Hector Moreno Guerrero & King Robinson Jr)"
このAbhay Nayampallyというギタリストもこれまで聴いたことがなかったが、やっている音楽はかなり面白くて、ラテン・カルナーティック・フュージョンとでも呼ぶべき音楽性の一曲。
南アフリカのベーシスト、アメリカのドラマー、ドミニカのキーボーディストが参加しているようで、まさに大陸をまたいだ興味深いコラボレーションを実現している。
もっと多くの音楽ファンに聴かれてほしい曲である。
Pop Song Of The Year: Ranj "Attached"
英語で歌うベンガルールの女性シンガーの作品で、センスよくまとまったポップスとしての完成度はインド基準ではかなり高い。
Rolling Stone Indiaが好みそうな音楽性だと思ったが、Rolling Stone Indiaの2021年のベストシングルには選ばれていなかった。
以前も書いたことがあるが、この手のミドルクラス的ポップスで良質な作品をリリースしているアーティストはインドにそれなりにいるのだが、彼らがターゲットにしているリスナー層は主に洋楽を聴いており、そんなに聴かれていないのが、ちょっともったいない。
他にこのブログで紹介したことがあるアーティストでは、やはりどちらも2021年の作品だが、Easy Wanderlingsの"Enemy"がRock / Blues / Alternative Song Of The Yearに、Prabh Deepの"Tabia"がHip-Hop / Rap Album Of The Yearに選出されている。
それにしてもこんなに2021年の作品が多く選ばれている理由はなんでだろう。
前回(第2回)の選出は2021年の12月に行われているようなので、ほとんどの作品が前回の対象にもなっているんじゃないかと思うのだが…。
なんにせよ、こうして新しいアーティストを知ることができたり、自分が取り上げて来たアーティストがインド国内でも高く評価されていることを知れたりするのはいい機会だった。
来年の発表はいつになるのかさっぱり分からないが、今後も注目してゆきたい音楽賞ではある。
--------------------------------------
「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」
更新情報や小ネタはTwitter, Facebookで!
Twitter:
https://twitter.com/Calcutta_Bombay
Facebook:
https://www.facebook.com/軽刈田凡平のアッチャーインディア-読んだり聴いたり考えたり
更新情報や小ネタはTwitter, Facebookで!
Twitter:
https://twitter.com/Calcutta_Bombay
Facebook:
https://www.facebook.com/軽刈田凡平のアッチャーインディア-読んだり聴いたり考えたり
goshimasayama18 at 01:34|Permalink│Comments(0)
2022年06月12日
Karan Kanchan大活躍! インド版Red Bull 64 Barsをチェック
Red Bullが世界各地で展開している64 Barsのインド版が面白い。
この企画は「1人のラッパーが、シンプルなビートに乗せて64小節のラップを1発録りで披露する」というもの。
詳しくは書かないが、日本でもZeebra, ANARCHY, Tiji Jojo (BAD HOP)など世代を超えた人気ラッパーがそのスキルを披露しているのでチェックしてみてほしい。
全部見たわけじゃないけど鎮座Dopenessやばかった。
インド版もそうそうたる顔ぶれで、デリー、ムンバイ、ベンガルールなどインド各地から、MC Altaf, Shah Rule(この2人は映画『ガリーボーイ』にもカメオ出演していた), Tienas, Hanumankind, Sikander Kahlonらが参加している。
さらに特筆すべきは、インドではまだまだ少ないフィメール・ラッパーも数多く起用されていること。
日本のRedbull 64 barsがほとんど男性ラッパーなのに対して、インド版がジェンダーバランスにも配慮しているのだとしたら、コンシャスな傾向が強いインドのシーンらしい取り組みだと言える。
(フィメール・ラッパーを女性であるという理由で別枠扱いすることに賛否があることは知りつつも、インドのシーンの現状に鑑みて、あえてこういう書き方とした。ご理解いただきたい)
だが、この企画でラッパー以上に大活躍しているのが、このブログでも何度も紹介してきたビートメーカーのKaran Kanchanだ。
「シンプルなビートと1本のマイク」「10人のラッパーと次々コラボする」というコンセプトゆえ、時間と予算をかけまくった作品を作っているわけではないのだが、それだけに、彼がラッパーの個性や要求に合わせて多様なスタイルのビートを即座に作り上げる能力が際立っている。
最初にリリースされたのは、旧知のMC Altafと共作したこの曲。
"AWW!"
Altafからの最初のリクエストは、2 Chainzが42 Duggと共演した曲("Million Dollars Worth of Game"のことだろう)をレファレンスとして、「インドっぽいサウンドをサンプリングしたハードコアなトラップビート」ということだったらしい。
ブースでリズムをとっている長髪の男性がKaran Kanchanだ。
MC Altafはムンバイ最大のスラム街、ダラヴィ出身の22歳の若手ラッパー。
最近ではトラップ的なビートの曲もリリースしているが、年齢に似合わずルーツはオールドスクールなスタイルで、TBSラジオの『アフター6ジャンクション』で彼の代表曲"Code Mumbai 17"を紹介したときの宇多丸さんのリアクションは「古い!」
これ、2019年の曲なんだけど、かっこいいけど確かにどう聴いても90年代後半サウンド。
今作"AWW!"が、Altafの90'sっぽいスタイルに合ったトラップビートとして見事に仕上がっていることがお分かりいただけるだろう。
インドっぽい要素とKaran Kanchanらしいヘヴィなベースも良いスパイスになっている。
TienasもMC Altaf同様にムンバイのシーンで活躍してきたラッパーのひとり。
彼はガリーラップ(2019年公開の映画『ガリーボーイ』公開以降注目を集めたムンバイのストリートラップ)や商業的なシーンからは距離を置き、ローファイやエクスペリメンタルなビートに英語ラップを乗せるというスタイルを貫いている。
Karan Kanchanと同じムンバイを拠点にしているが、この2人がタッグを組むのは意外にも今回が初めて。
"Demigods"
Tienasのリクエストは「なんでもいいから送ってくれ」だったそうで、Kanchanはかつて二人でPost Maloneのスタイルの多様性についてやりとりしたときのことを思い出してこのビートを作ったそう。
レファレンス にしたのはWill Smithの"Wild Wild West"だそうで、ロックンロールっぽいファンキーな原曲をTienasにぴったりのローファイっぽいビートに仕上げた。
Tienasについては以前この記事で特集している。
この記事以降で聴くべき曲といえば、超強烈な"A Song To Die"をおすすめする。
ベンガルールを拠点に活躍するHanumankindは、かつてはマンガやゲームなどのジャパニーズ・カルチャーの影響を前面に出したアンダーグラウンドな楽曲をリリースしていた個性派。
(この頃の楽曲では、"Super Mario"や"Kamehameha"あたりが衝撃的だ)
最近はよりシリアスなスタイルの楽曲を数多くリリースしており、英語ラッパーではTienasと並ぶ注目株となっている。
HanumankindとKaran Kanchanのコラボレーションも今回が初めてで、両者の良さが余すことなく感じられる佳作に仕上がっている。
"Third Eye Freeverse"
Hanumankindが「ゴスペルっぽい雰囲気がある」と表現するビートは、Karan Kanchanはカニエ・ウエストを意識して作ったもの。
64小節という長いヴァースを聴かせるために入れたというビートチェンジも効いている。
今回初めて知ったラッパーの一人が、インド北部ハリヤーナー州のフィメール・ラッパーAgsy.
"Mother O.G."
Redbullの記事によると、彼女はこれまでレゲエっぽいスタイルで活動してきたそうだが、今回のコラボレーションでは初めてドリル/トラップに挑戦したとのこと。
英語まじりのヒンディーがときに語りっぽくも変化するフロウでラップされているのは、レイプ、音楽業界の政治的問題、レゲエ、愛、そしてヒンディーラッパーとしての彼女の自信だそう。
インド初のフィメールドリルラップを自認している楽曲とのことだ。
ベンガルールのRANJに提供したビートもなかなか小粋だ。
効果的に使われているサックスのループは、KanchanのアドバイスによってRANJ自身が演奏しているものだそうで、ジャジーなスタイルにより深みを与えている。
RanjのパフォーマンスもR&Bっぽい歌唱がアクセントになっていてかっこいい。
"T.G.I.F."のタイトルの通り、金曜日の夜に聴くのにぴったりなサウンドだと思っていたら、タイトルは"The Great Indian Family"の略だそうで(映画"The Great Indian Kitchen"同様にもちろん皮肉だ)、リリックの内容はインドの家庭の保守性や貧困のなかで、自由なく育つ子どもや若者をテーマにしたものだった。
あんまり長くなってもいけないので、今回は全部で10人のラッパーが参加しているこの企画のうち5人のみを紹介させてもらった。
他のアーティストの楽曲も、それぞれ興味深い仕上がりなので、ぜひチェックしてみてほしい。
--------------------------------------
この企画は「1人のラッパーが、シンプルなビートに乗せて64小節のラップを1発録りで披露する」というもの。
詳しくは書かないが、日本でもZeebra, ANARCHY, Tiji Jojo (BAD HOP)など世代を超えた人気ラッパーがそのスキルを披露しているのでチェックしてみてほしい。
全部見たわけじゃないけど鎮座Dopenessやばかった。
インド版もそうそうたる顔ぶれで、デリー、ムンバイ、ベンガルールなどインド各地から、MC Altaf, Shah Rule(この2人は映画『ガリーボーイ』にもカメオ出演していた), Tienas, Hanumankind, Sikander Kahlonらが参加している。
さらに特筆すべきは、インドではまだまだ少ないフィメール・ラッパーも数多く起用されていること。
日本のRedbull 64 barsがほとんど男性ラッパーなのに対して、インド版がジェンダーバランスにも配慮しているのだとしたら、コンシャスな傾向が強いインドのシーンらしい取り組みだと言える。
(フィメール・ラッパーを女性であるという理由で別枠扱いすることに賛否があることは知りつつも、インドのシーンの現状に鑑みて、あえてこういう書き方とした。ご理解いただきたい)
だが、この企画でラッパー以上に大活躍しているのが、このブログでも何度も紹介してきたビートメーカーのKaran Kanchanだ。
「シンプルなビートと1本のマイク」「10人のラッパーと次々コラボする」というコンセプトゆえ、時間と予算をかけまくった作品を作っているわけではないのだが、それだけに、彼がラッパーの個性や要求に合わせて多様なスタイルのビートを即座に作り上げる能力が際立っている。
最初にリリースされたのは、旧知のMC Altafと共作したこの曲。
"AWW!"
Altafからの最初のリクエストは、2 Chainzが42 Duggと共演した曲("Million Dollars Worth of Game"のことだろう)をレファレンスとして、「インドっぽいサウンドをサンプリングしたハードコアなトラップビート」ということだったらしい。
ブースでリズムをとっている長髪の男性がKaran Kanchanだ。
MC Altafはムンバイ最大のスラム街、ダラヴィ出身の22歳の若手ラッパー。
最近ではトラップ的なビートの曲もリリースしているが、年齢に似合わずルーツはオールドスクールなスタイルで、TBSラジオの『アフター6ジャンクション』で彼の代表曲"Code Mumbai 17"を紹介したときの宇多丸さんのリアクションは「古い!」
これ、2019年の曲なんだけど、かっこいいけど確かにどう聴いても90年代後半サウンド。
今作"AWW!"が、Altafの90'sっぽいスタイルに合ったトラップビートとして見事に仕上がっていることがお分かりいただけるだろう。
インドっぽい要素とKaran Kanchanらしいヘヴィなベースも良いスパイスになっている。
TienasもMC Altaf同様にムンバイのシーンで活躍してきたラッパーのひとり。
彼はガリーラップ(2019年公開の映画『ガリーボーイ』公開以降注目を集めたムンバイのストリートラップ)や商業的なシーンからは距離を置き、ローファイやエクスペリメンタルなビートに英語ラップを乗せるというスタイルを貫いている。
Karan Kanchanと同じムンバイを拠点にしているが、この2人がタッグを組むのは意外にも今回が初めて。
"Demigods"
Tienasのリクエストは「なんでもいいから送ってくれ」だったそうで、Kanchanはかつて二人でPost Maloneのスタイルの多様性についてやりとりしたときのことを思い出してこのビートを作ったそう。
レファレンス にしたのはWill Smithの"Wild Wild West"だそうで、ロックンロールっぽいファンキーな原曲をTienasにぴったりのローファイっぽいビートに仕上げた。
Tienasについては以前この記事で特集している。
この記事以降で聴くべき曲といえば、超強烈な"A Song To Die"をおすすめする。
ベンガルールを拠点に活躍するHanumankindは、かつてはマンガやゲームなどのジャパニーズ・カルチャーの影響を前面に出したアンダーグラウンドな楽曲をリリースしていた個性派。
(この頃の楽曲では、"Super Mario"や"Kamehameha"あたりが衝撃的だ)
最近はよりシリアスなスタイルの楽曲を数多くリリースしており、英語ラッパーではTienasと並ぶ注目株となっている。
HanumankindとKaran Kanchanのコラボレーションも今回が初めてで、両者の良さが余すことなく感じられる佳作に仕上がっている。
"Third Eye Freeverse"
Hanumankindが「ゴスペルっぽい雰囲気がある」と表現するビートは、Karan Kanchanはカニエ・ウエストを意識して作ったもの。
64小節という長いヴァースを聴かせるために入れたというビートチェンジも効いている。
今回初めて知ったラッパーの一人が、インド北部ハリヤーナー州のフィメール・ラッパーAgsy.
"Mother O.G."
Redbullの記事によると、彼女はこれまでレゲエっぽいスタイルで活動してきたそうだが、今回のコラボレーションでは初めてドリル/トラップに挑戦したとのこと。
英語まじりのヒンディーがときに語りっぽくも変化するフロウでラップされているのは、レイプ、音楽業界の政治的問題、レゲエ、愛、そしてヒンディーラッパーとしての彼女の自信だそう。
インド初のフィメールドリルラップを自認している楽曲とのことだ。
ベンガルールのRANJに提供したビートもなかなか小粋だ。
効果的に使われているサックスのループは、KanchanのアドバイスによってRANJ自身が演奏しているものだそうで、ジャジーなスタイルにより深みを与えている。
RanjのパフォーマンスもR&Bっぽい歌唱がアクセントになっていてかっこいい。
"T.G.I.F."のタイトルの通り、金曜日の夜に聴くのにぴったりなサウンドだと思っていたら、タイトルは"The Great Indian Family"の略だそうで(映画"The Great Indian Kitchen"同様にもちろん皮肉だ)、リリックの内容はインドの家庭の保守性や貧困のなかで、自由なく育つ子どもや若者をテーマにしたものだった。
あんまり長くなってもいけないので、今回は全部で10人のラッパーが参加しているこの企画のうち5人のみを紹介させてもらった。
他のアーティストの楽曲も、それぞれ興味深い仕上がりなので、ぜひチェックしてみてほしい。
--------------------------------------
「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」
更新情報や小ネタはTwitter, Facebookで!
Twitter:
https://twitter.com/Calcutta_Bombay
Facebook:
https://www.facebook.com/軽刈田凡平のアッチャーインディア-読んだり聴いたり考えたり
Twitter:
https://twitter.com/Calcutta_Bombay
Facebook:
https://www.facebook.com/軽刈田凡平のアッチャーインディア-読んだり聴いたり考えたり
goshimasayama18 at 20:35|Permalink│Comments(0)








