Lollapalooza
2025年09月25日
2025年秋〜冬 インドのフェス情報!
2026年の1月24-25日に行われるLollapalooza India、2025年11月22日-23日に行われるRolling Loud Indiaのラインナップが相次いで発表された。
会場はどちらもムンバイで、Rolling Loudのほうは正確にはムンバイの20キロほど東に位置するナヴィ・ムンバイで開催される。
どちらも発表されたのは結構前なのだが、忙しさにかまけて記事にするのが遅くなってしまった。
これがかなり面白い顔ぶれだったので、あらためてここに書いてみたい。

先に発表されたLollapalooza IndiaのヘッドライナーはLinkin ParkとPlayboi Carti.
Linkin Parkは30代くらいのインドの洋楽ファンにはかなり人気があるようで、私の記憶だと、キャリア10年以上のインドのラッパーには、ヒップホップではなくLinkin Parkでラップに目覚めたという人が結構いたりする。
Linkin Parkは言うまでもなく2000年代を代表するロックバンドだが、インドでの公演は初めて。
これは絶対に盛り上がるだろう。
Playboi Cartiはアトランタ出身のラッパーで、2010年代終盤以降のUSヒップホップのサウンド、雰囲気、ファッションなどを決定づけた一人。
インドのヒップホップは多様化、ローカル化がかなり進んでいて、Playboi Cartiのような新しいタイプのUSヒップホップのファンがどれくらいいるのか想像がつかないが、英語による教育が盛んで、ネイティブ同様に英語を理解する人が多いインド(とくにムンバイ)には、英語でラップを聴いて理解して楽しめるヒップホップファンも多い。
ジャンルもスタイルも時代背景もまったく異なる二人のヘッドライナーがどんなパフォーマンスにムンバイのオーディエンスがどんな反応を見せるのか、かなり興味深いところだ。
日本人として気になるのはセカンド・ヘッドライナー扱いで藤井風の名前が挙がっていること!
藤井風はヨーロッパツアーを成功させるなど、海外での評価も非常に高い。
インドでの彼の知名度は、さすがにヘッドライナーの2組には及ばないだろうが、彼とインドには特別な関係がある。
Lollapalooza Indiaの公式インスタグラムでの彼の紹介がとても面白かった。

ジャズ、ファンク、ソウル、エレクトロニックの影響をブレンドした彼のサウンドは遊び心があり、深い。(中略)彼の歌詞は仏教とインド哲学の不二一元論(Advaita Vedanta)がもとになっている。彼の「Grace」のミュージックビデオはインドで撮影され、彼がインド文化への深いインスピレーションを受け、リスペクトを示していることが伺える。彼の哲学的かつ深く人間的な音楽へのアプローチは、全てのパフォーマンスを愛、慈悲、絆を祝福するスピリチュアルな体験のように感じられる。(後略)
一時期、藤井風の歌詞に、サイババの思想からの影響が見られるということが、日本で否定的に報じられたことがあった。
日本では「うさんくさい」と捉えられがちなスピリチュアル志向だが、ビートルズの例を出すまでもなく、海外ではオルタナティブな精神性はポピュラー音楽の一要素として長く存在している。
またインドの音楽文化には、神への思慕を男女の恋愛感情に例えて歌う伝統があり、つまり欧米よりもさらに古い時代から、スピリチュアルな要素がポップカルチャー的に生活に息づいていた国だと考えることもできそうだ。
また昨今のインドでは、「生きがい」や「一期一会」のような日本の伝統的精神性への興味も高まっている(スペイン人作家エクトル・ガルシアの著書による影響が大きい)。
そうした文化的背景のなかで、藤井風のスピリチュアリティがインド文化の影響を受けているというのは興味を惹くポイントだろう。
ところ変わればアーティストのどの部分が魅力になりうるかも大きく変わるというのがじつに面白いと感じた次第である
インド系のアーティストでは/インド系イギリス人のガラージ、ダブステップDJのSammy Virjiがもっと大きい扱いだが、音楽性にインドの要素のない彼は、日本人から見たスティーヴ・アオキみたいな感じというか、「同じルーツであることが誇らしい洋楽枠」といったところだろう。
純粋な国内組ではBloodywoodがもっとも扱いが大きい。
フジロックをはじめ数々の海外のフェスで話題をさらってきた彼らの実力と人気を考えれば納得だ。
昨今は映画音楽でも活躍しているエレクトロニカ・アーティストのOAFF x Savera、UKのタブラ奏者/エレクトロニカ融合の第一人者でもあるKarsh Kale(やはり映画音楽もいくつか手掛けている)から、チェンナイのオルタナティブポップ・アーティストSunflower Tape Machine、ナガランドのロックバンドTrance Effectまで、インド系アーティストも幅広い地域、ジャンルから選出されていて、かなり見応えがありそうだ。
Rolling Loud Indiaのラインナップも非常に興味深い。

2日間で2人ずつヘッドライナー扱いになっているのは、UKドリルという枠を超えてイギリスを代表する存在であるCentral Cee, 2010年代を象徴するUSラッパーのひとりWiz Khalifa、ヒューストン出身のDon Toliver.
ここまではいいとして、インドからパンジャービー・ラッパーのKaran Aujlaの名前がここに入っていることにびっくりした!
もちろん彼はインド国内のみならず、欧米やオセアニアでも大規模会場でのツアーを成功させる「国際的スター」だが、彼の国際的な人気は世界中に散らばったパンジャーブ人をはじめとする南アジア系住民によって支えられている面も否定できない。
「ベンガルール生まれテキサス育ちのケーララ人」で昨年"BIg Dawgs"を世界的にヒットさせたHanumankindを含めて、セカンドヘッドライナーまでのアーティストが全て「英語ラップ」のアーティストであることを考えると、いくら大スターだとはいっても、パンジャービー・ラップの彼がヘッドライナーとして扱われているのは意外な気がする。
昨年末のムンバイ滞在時にオージュラのコンサートを見に行ったが、客層はUSのヒップホップを聴いているようなファンとは異なり、インド国内(あるいは在外インド系を含む)のヒップホップやポップスを聴いている層が多かった印象だ。
パンジャービー系ラッパーは「インド系社会でのみヒップホップとして扱われる」という不思議な位置付けのジャンルで、たとえば香港発のアジア全域のヒップホップを扱うメディア「LiFTED ASIA」では取り上げられていなかったりもする。
(ちなみにパンジャービー・ラッパーでは初日にGrinder Gillも出演)
Yo Yo Honey SinghやBadshahのようなメインストリーム系パンジャービー・ラップではなく、カナダを拠点に逆輸入での人気を獲得したKaran Aujlaがここにラインナップされているというのがまた興味深いところではある。
他にインド系のアーティストでは、パンジャーブ系カナダ人だが、ローカル色を出さずに完全に北米ヒップホップシーンに溶け込んでいるNavは別にして、マラーティー・ラップのSambata、チェンナイのArivu、北東部からフィメール・ラッパーのMeba OfiliaとReble、タミル系シンガポール人のYung Rajaなど、幅広く選ばれている。
気になるのは、ラインナップされているのがインド系ラッパーとUS、UK、カナダのラッパーのみであるということ。
同じRolling Loudでも、タイで開催されているRolling Loud Thailandでは日本や韓国、インドなど、他のアジア諸国のラッパーが出演していたが、インドでは自国と英語圏のラッパーのみ。
このあたりは、ヒップホップファンがどの地域の音楽を好んで聴いているかと関係しているのだろう。
アジア全域のヒップホップが盛り上がってほしい一方で、リリックという要素が非常に大きいラップでは、言語の壁がそのまま人気の限界にもなりうる。
この点をヒップホップというジャンルがどう乗り越えてゆけるのか、あるいは乗り越えられないのか。
もうひとつ気になるのが、Rolling Loud Indiaの出演者が全体として非常に「新しい」ということ。
5年~10年前にインドのラッパーのインタビューを読むと、Eminemや50Centや2PacやNasといったラッパーの名前が挙がっていた印象が強いが、今回のラインナップは海外勢でも軒並み2015年以降の人気アーティストのみで組み上げられている。
いちばんキャリアが長いのが2010年ごろから活躍しているWiz Khalifaか。
「イマのヒップホップ」に特化しているという点では、YzerrのForce Festivalに近い。
インド国内のアーティストでは、前述のHanumankindを別枠として考えれば、DIVINEが特別扱いで最後に大きくクレジットされているが、彼もラップのスタイル的には古い世代になる。
レジェンド枠ということなのだろうか。
今回のラインナップに合いそうなのは、インド国内だとSeedhe Maut、MC STAN、Dhanji、あるいはポップなTsumyokiとかChaar Diwaariあたりだと個人的には思う。
他にも例えば…といろいろ言いたくなってしまうが、脳内フェスのラインナップを考え始めるときりがないのでやめておく。
集客や盛り上がりなど、どのような雰囲気になるのだろうか。
できれば現地で体験してみたいんだけどなあ。
ここにきて、インドではNH7 WeekenderとかVH1 Supersonic、Magnetic Fieldsのようなもともとあった国内資本のフェスは実質的に休止中?で、LollapaloozaやRolling Loudといったアメリカ発祥のフェスが大規模に行われるという状況になってきた。
それだけエンタメの本場であるアメリカがインドの市場に注目しているということでもあるのだろうが、今後、インドのフェス事情はどうなってゆくのだろうか。
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goshimasayama18 at 18:51|Permalink│Comments(0)
2024年10月31日
2024年秋〜冬 インドの音楽フェス事情
日本ではフェスといえば夏の印象が強いけれど、インドではおもに秋〜冬が音楽フェスの季節。
12月から1月にかけてチェンナイで行われる古典音楽の祭典「チェンナイ・ミュージック・シーズン」のようなインドならではのフェスももちろんあるが、このブログでは今回も近年ますます盛り上がりを見せているヒップホップ/エレクトロニック/ロックなどのフェスを特集する。
この週末には、DIVINE率いるムンバイのクルー/レーベルのGully Gangが主催するその名もGULLY FESTが開催された。
ムンバイを中心にインドのヒップホップ全体に目配せしたかなり面白いラインナップが出演している。

初日の10月26日のヘッドライナーは、DIVINEとNetflix映画『ザ・ホワイトタイガー』の主題歌"Jungle Mantra"で共演したアメリカのPusha T.
USの人気ラッパーの一人ではあるが、2日間を通じて唯一の非インド系出演者となる。
インドで国内とUSのヒップホップリスナーがどれくらい重なるのか、興味深いところではあるが、なにしろインドなのでそのへんはあまり関係なく盛り上がるような気がする。
デリーのPrabh Deepはアーティスティックな音作りと深い声が特徴的なパンジャービー・シクのラッパー。
9月にリリースしたアルバム"DSP"も優れた作品だった。
Prabh Deep "8-FIGGAAH!"(feat. GD47)
Lisa Mishraはインド東部のオディア州にルーツを持つアメリカ人のシンガーソングライターで、映画のプレイバックシンガーとしても活躍するかたわら、BadshahやDIVINE、KR$NAらラッパーとの共演も多い。
男性ラッパー中心の出演者のなか、ヒップホップに近い部分を持ちつつもかなりポップな存在で、こういうアーティストをちゃんと入れてくるところに主催者のセンスを感じる。
他には地元ムンバイのGravityやThe Siege、ケーララのVedanといったラッパーが出演し、初日はインドのヒップホップの地域的多様性が感じられるラインナップとなっている。
一方で、2日目は地元ムンバイ(あるいは広くマハーラーシュトラ州)出身者を中心に固めたラインナップだ。
トリはもちろんDIVINE.
ヘッドライナーの次に名前が挙がっているSambataはプネー出身。昨年Gully Gangとも関わりの深いDef Jam Indiaからデビューアルバムをリリースした注目のマラーティー語/ヒンディー語ラッパーだ。
DIVINE feat. Armani White "Baazigar"
Sambata & Riar Saab "Hoodlife"
ターバンを巻いてないほうがSambata.
Public Enemy、2Pac、Kendrick Lamerらをフェイバリットに挙げているブーンバップ的なセンスと現代的な感覚をあわせ持ったラッパー。
ここにめきめき人気を上げつつあるYashraj、ケニア出身のBobkat率いるレゲエバンドBombay Bassment、ビートボクサーBeatrawとD-Cypherなどの地元勢が集結し、北東部出身のフィメール・ラッパーRebleが新鮮な風を吹き込んでいる。
インドそしてムンバイのヒップホップの層の厚さが存分に感じられるフェスと言えるだろう。
9月にはDIVINEはじめGully Gang勢との共演も多いビートメーカー/DJのKaran Kanchanが主宰するビートメーカー集団Neckwreck CrewによるフェスWreckfest '24が開催されている。

ヘヴィなトラップ/ベースミュージックをルーツに持ちながらも多様なサウンドをプロデュースするKaran Kanchanとポップなインド風EDM(印DM)のRitvizのB2Bがヘッドライナーに据えられ、デリーの若手注目ラッパーChaar Diwaariらが出演。
過去5年にわたってクラブ(antiSOCIALあたり)で開催されていたパーティーを今年は大会場のNESCO Hallで行い、めちゃくちゃ盛り上がったようだ。
12月14〜15日にプネーで行われるインド屈指の大規模音楽フェスNH WeekenderはイギリスのR&B系シンガーソングライターJorja Smithがヘッドライナー。
「洋楽勢」としては、他にアメリカのヒップホップDJのCraze、多彩な楽器やサンプリングを駆使してダンスミュージックを作り上げるイギリスのYoungrが出演する。

かつてはラム酒のバカルディが冠スポンサーについていたが、今はインドのウイスキーブランドMr. Dwell'sがスポンサーを務めているようで、やはり音楽フェスはインドの若い客層を取り入れたい酒造メーカーの格好のプロモーションの場にもなっているようだ。
今年のNH7 Weekenderで面白いのは、インディーズ的趣味の洋楽や国内勢に加えて、Amit Trivediや、超ベテランプレイバックシンガーのUsha Uthup(今76歳!)らの映画音楽勢がラインナップということ。
Amit Trivediは映画音楽とは別にCoke Studio Indiaで洋楽的センスと伝統音楽の融合を試みていたりもするし、Usha Uthupはかなり早くからロックやディスコやラテンポップ風の曲を歌っていたシンガーということで、インディーズ的な感覚でもクールな存在なのだろう。
他には、インドでは珍しいK-POPにインスパイアされたようなスタイルのガールズヴォーカルグループのW.I.S.H.もフォントは小さめだがラインナップされていて、インドでもジャンルの壁がどんどん低くなってきていることを感じる。
世界的に見ても、もともとオルタナティブ系のフェスとして始まったコーチェラやロラパルーザやボナルーなども今では軒並みメインストリーム化してきているし、日本のサマソニやRock In Japanは完全にポピュラー音楽全般を扱うフェスになってきている。
遠く離れたインドの音楽シーンも、こうした世界的なフェスの潮流と無縁ではないようだ。
NH7 Weekenderで日本人としてもうひとつ押さえておきたいのは、日本のインストメタルバンドASTERISMが出演するということ。
私が知る限りではこのフェスへの日本人アーティストの出演は初めてで、どんな爪あとを残してくれるのか楽しみだ。
ASTERISM "unravel"
ヒップホップ勢では、若手人気ラッパー/シンガーのKINGとRAFTARと若手注目株のChaar Diwaariが出演。
それぞれフォントの大きさは「中」と「小」で、音楽シーン全体で見た時の注目度が分かって興味深い。
NH7 Weekenderのような多彩なアーティストが出演するフェスが注目を集めている一方で、ジャンルを絞ったシブいフェスも行われている。
ブルース系のフェスティバルなども開催しているMahindra(自動車メーカー)主宰のMahindra Independence Rockはインドのハードロック/ヘヴィメタル系バンドが勢揃いしている。

エクストリーム系のメタルではなく、古式ゆかしいハードロック系の、それもかなりベテランのバンドが多数出演しているのがこのフェスの特徴で、トップに名前が書かれている13ADはなんと1977年から活動しているケーララ州のバンドだ(このフライヤーはアルファベット順なのでヘッドライナーというわけではないようだが)。
他にも、北東部ナガランド出身で日本でも根強いファンを持つメロディック・ハードロックのAbout Usや、昨年の単独来日公演も大盛況だったBloodywoodといった最近のバンドと並んで、Indus Creed(前身バンドRock Machineは1984年結成)、Motherjane(1996年結成)、Skrat(2006年結成)、Girish and the Chronicles(2009年結成)といった大御所も健在。
こういう年齢層高めのフェスも開かれるようになったところに、インドの音楽シーンの成熟を感じる。
他にジャンルを絞ったフェスとしては、ムンバイとベンガルールで先日開催されたK-Wave Festivalが挙げられる。

その名の通りK-POPのフェスで、もしJ-POPのフェスが行われたらJ-WAVEという名前になるんだろうか。
ExoのメンバーのSuhoとシンガーソングライターのHyeolyn(元SISTARというグループの一員)が出演し、こちらもY大いに盛り上がったようだ。
このブログでも何度も書いている通り、インド北東部もかなり面白いフェス(例えばZiro Festival )がたくさん開催されている要注目エリアだ。
北東部はインドの大部分とは異なる文化を持ち、欧米の宣教師が持ち込んだキリスト教の信者が多いためか、古くからロックなどの欧米の音楽が受容されてきた土地で、80年代や90年代の懐かしいアーティストがトリを務めるフェスがいくつも開催されている。
メガラヤ州のシロンで行われる「晩秋の桜祭り」Cherry Blossom Festivalでは、なんとあのBoney M.がヘッドライナーを務めている。

「あのBonny M.」と言って今どれくらいの人に伝わるのかちょっと不安だが、彼らは"Rasputin"などのヒット曲を持つドイツ出身のディスコポップバンドで、70〜80年代に世界的な人気を博した。
2日目のヘッドライナーには、かつてボリウッドのサウンドトラックにも参加していたことがあるR&BシンガーのAkonで、これもまたシブいところ呼ぶなあー、というラインナップだ。
QueenとKornのカバーバンドが出演するのも盛り上がりそうだし、日本のポップカルチャーの人気が高いインド北東部らしく、コスプレのイベントも行われる。
これはこれでかなり面白そうなフェスだ。
ちなみに同じメガラヤ州で11月末に行われるMe:Gong Festivalのトリは、あの"Final Countdown"のEuropeで、これまたシブすぎるラインナップだ。
まだだいぶ先の話になるが、来年3月にはインドで3回めとなるLollapaloozaが開催されることが発表されている。

トリはインドでは初めてのパフォーマンスとなるGreen Dayと、ポップシンガーのShawn Mendes.
他にもオルタナからダンス系までセンスの良いラインナップが並んでいて、インド人でもっともフォントが大きいのはHanumankind.
彼はベンガルールの通好みなラッパーだったが、"Big Dawgs"の世界的ヒットで一躍人気者となった。
デリーのベテランRaftaarとKR$NAよりも大きく名前が出ているのは、Lollapaloozaという洋楽系のフェスならではだろう。
他にインド国内からは、パンジャービーの覆面ラッパーTalwiinder, グジャラート語ラップのDhanji、元The Local TrainのフロントマンRaman Negi、シンガーソングライターのRaghav Meattleらが出演する。
各フェスのオーガナイザーたちはそれぞれにセンスが良くアンテナが高いので、フェスの出演者を片っ端からチェックすると、かなり効率よく面白いアーティストを探すことができたりもする。
今回の記事はかなり盛りだくさんな内容になってしまったが、じつはこれでも結構厳選した情報を載せているつもりで、書ききれていないフェスがまだたくさんある。
ジャンル、国籍、世代といった障壁や、メジャーとインディーの垣根を乗り越えてますます盛り上がっているインドのフェス事情については、また改めて紹介する機会を持ちたい。
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goshimasayama18 at 00:34|Permalink│Comments(2)
2022年11月13日
2022-23年 超充実!インド、冬のフェス情報!
日本で音楽フェスというと夏の印象があるが、インドのフェスティバル・シーズンは11〜2月頃。
インドのミュージックシーンでもコロナ禍は完全に過去のものとなり、この冬もさまざまなフェスが行われる。(日本でもほぼ通常通りフェスが戻ってきているのだから、当然と言えば当然の話だが)
'Happiest Music Festival'のキャッチコピーで知られるNH7 Weekenderは、インド最大規模の音楽フェスだ。
13年目となる今年は11月25〜27日にかけてプネーで開催。
3日間にわたって、5つのステージで国内外合わせた40以上のアーティストが出演する。
イギリスのフォークロックバンドLumineersとアメリカのラッパーJID、スウェーデンのファンクバンドDirty Loopsがヘッドライナーとして出演。
インド国内からは、Bloodywood(インド風メタル)、The F16s(ロック)、Parekh & Singh(ドリームポップ)らがラインナップされている。
当ブログで取り上げたアーティストでは、他にもEasy Wanderlings(ドリームポップ), Gouri & Aksha(ドリームポップ), Gutslit(デスメタル), Kraken(プログレッシブメタル/マスロック), Pacifist(パンク), Sanjeeta Bhattacharya(ポップ/R&B), SEZ & MVMNT(ヒップホップ), Shashwat Bulusu(オルタナティブ・ロック)らが出演予定(アルファベット順)で、ジャンルを問わず魅力的な顔ぶれが揃っている。
フライヤーのフォントの大きさからインド国内での彼らの位置付けが分かるのも面白い。

気になるのが、中くらいの字の2番目に書かれた、Berklee Indian Ensembleだ。
彼らはボストンの名門バークリー音楽大学を卒業したインド系ミュージシャンを中心とした古典音楽フュージョンのグループ。
フュージョンのなかでもかなり古典音楽の要素が強いスタイルだが、欧米風の音楽を好んで聴いているであろうインドの若者たちが、この逆輸入グループにどんなリアクションを示すのか、かなり興味がある。
例年NH7 Weekenderはいくつかの都市を巡回するサマソニ型(もとを辿ればレディング&リーズ型)のフェスだったのだが、今年は調べた限りではプネー以外での開催は不明。
過去に行われた北東部メガラヤ州の会場は非常に雰囲気があって素晴らしかった。
(以下のリンク参照)
また情報が入ったら紹介してみたい。
タール砂漠が広がるラージャスターンのかつての王宮、Alsisar Mahalで行われるMagnetic Fields Festivalは、異国情緒あふれる会場の魅力を存分に活かしたエレクトロニック系中心のフェスティバルで、今年は12月9〜11日にかけて開催される。
こちらは2022年の予告映像。
イギリスのフォークトロニカ・アーティストFour Tetプレゼンツのステージには、ニューヨークのAnthony Naples, UKのChroe Robinson、そしてインドからHamza Rahimtulaが出演。
他のステージでは、Ben UFO, Pearson Sound, Pangaeaらの海外勢を、Kohra, Chrms, Kiss Nukaらの国内のエレクトロニカ/ダンス系
アーティストたちが迎え撃つ。
非エレクトロニック系(主にバンド)のインド勢も面白く、T.ill Apes(ヒップホップバンド), Dohnraj(80年代風ロック), Ranj + Clifr(女性ヴォーカルR&B/ラップ)らのセンスの良い(日本でいうと往年の渋谷系的な)アクトが出演する。
2019年のダイジェスト映像を見れば、期待はさらに高まるばかりだ。
かつて出演したDaisuke Tanabe氏に会場の様子を聞いてみたところ、客層は富裕層が多く、バックステージのホスピタリティも欧米のフェスと全く遜色のなかったとのこと。
古くて新しいインドが味わえる、ぜひ足を運びたいフェスのひとつだ。
1月には、アメリカ発祥のオルタナティブ・ロックの祭典Lollapaloozaがインドで初めて開催される。
会場はムンバイの競馬場Mahalaxmi Race Course.
2日間にわたって4つのステージで40のアーティストが出演する。
こちらは開催が決定した時に作られたプロモーション動画。

メインアクトはおそらくImagine Dragonesと、今年のフジロックでもトリを務めたThe Strokes.
このフェスもインド勢のセレクトのセンスが非常によく、Prateek Kuhad(シンガーソングライター)、DIVINE(ラッパー)、Aswekeepsearching(ポストロック)、そしてここにもBloodywood(インド風メタル)、The F16s(ロック)、Easy Wanderlings(ドリームポップ)、T.ill Apes(ヒップホップバンド)が出演する。
やはりここでもフライヤーの記載順が興味深い。
北米ツアーから帰ってきたPrateek Kuhadやインディアン・ヒップホップの雄DIVINEは、アメリカのJapanese Breakfast(ややこしい表現だな)よりも前にラインナップされている。
(そのわりに、フジロックをはじめ世界中のフェスを荒らしまくっているBloodywoodがかなり後ろのほうなのは何故だろう?)
こちらもぜひチェックしてみたいフェスだ。
すでに開催済みのものでは、11月にMahindra Independence Rockというフェスが行われた。
こちらはインド国内のメタル勢を中心に据えたかなり汗臭い(褒め言葉)顔ぶれ。

この味わい深いプロモーション動画を見よ!
インドのメタル/ハードロック界の大御所Indus Creed, Pentagram, Parikramaと、そしてここにもBloodywoodが出演。
他にもケーララのAvialやThaikkudam Bridge、タミルのThe F16s(彼らも引く手数多!)などの中堅勢が脇を固め、このラインナップのなかではちょっと異色なポストロックのAswekeepsearchingが華を添える。
ロックよりもヒップホップやEDMが強い印象があるインドのインディーズシーンのなかで、ヘヴィメタルは安定した人気を保ってきたジャンルだ。
近年では、デスメタル等のエクストリーム・メタルや、テクニカルなプログレッシブ・メタル系のバンドが多い印象だが、このフェスではオールドスクール〜フュージョン(インド古典音楽との融合)系のバンドが目立っている。
年季の入ったメタルヘッズが集まりそうな感じだが、会場はどんな雰囲気だったのだろうか。
この時期のインドは他にも面白そうなフェスが目白押しで、以前も記事で紹介したベンガルールのEchoes of Earthは12月3〜4日に開催。
UKのThe Yussef Dayes Experience,スペインの Henry Saiz & The Bandといったジャムバンド、エレクトロニック系をはじめとする個性派アーティストが揃っている。
このフェスも会場の雰囲気が独特で、ぜひ一度生で体験してみたいと思っている。

年末にはEDM系のビッグフェスであるSunburnがゴアで開催される。
世界屈指のダンス系フェスティバルの名前に恥じず、今年もビッグネームが名前を連ねている。

かつては「世界で3番目のEDM系フェス」を謳っていたが、今年の告知動画によると、「アジア最大の音楽フェス」とのこと。
11月にはここ最近毎年のようにインドでプレイしているDJ SNAKEのインドツアーも行われ、インドでのEDM人気の高さはまだまだ続きそうだ。
インドの冬フェス、まだまだあるのだけど、今日はこのへんで。
本当はひとつひとつのフェスごと1本ずつ記事を書きたいくらいなのだが、あまりにもボリュームが多いので、まとめて紹介させてもらった。
こうしたビッグイベントをきっかけに、インドのインディペンデント・ミュージシャンたちにもぜひ注目が集まってほしいと思っている。
現地にいる方は、もし参加したらどんなだったかぜひ教えてください。
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