自選

2018年12月30日

2018年を振り返る

いつもご愛読ありがとうございます。
2017年12月25日に始めたこのブログも約1年あまり、これまでに書いた記事もなんと109本にもなりました。

最初は、「インドの音楽と社会」というテーマに自分以外誰が興味を持ってくれるのか分からずに始めたブログでしたが、大勢の方に読んでいただけて本当に感謝です。
ブログを書いてきたなかで、多くのインドのミュージシャンたちにインタビューさせてもらったり、POPEYEとSTUDIO VOICEという歴史あるカルチャー誌の音楽特集に関わらせてもらったりと、素晴らしい機会をたくさんいただきました。
この1年で関わった全ての方、そしてお読みいただいた全ての方にあらためて御礼申し上げます。

記事もずいぶん多くなってきたところなので、ここで、「軽刈田 凡平 自選ベストトピック2018」というのをやってみたいと思います。
最近このブログを見つけたけど、なんかいろいろあって何を読んだら面白いのか分からないという方も、ぜひ参考にしてみてください。
あ、みなさんすでにお気づきのことと思うけど、字の色が変わっているところがリンクになっていて、該当する記事に飛べるようになっているのでヨロシク。
ではさっそく。


まず、なんといっても大発見だったのが、インド北東部の音楽!
このブログを書き始めた当初は、北東部のシーンは完全にノーマークだったのだけど、インド文化(アーリア/ドラヴィダ系文化)の影響が薄く、信仰が盛んなキリスト教のせいか欧米の影響の強い音楽は驚きだった。
エクストリームメタルから、民族の誇りをライムするラップまで、北東部の音楽シーンについてはこちらから。
カテゴリー:インド北東部 

なかでも気合を入れて書いたのは、
・デスメタルバンドへのインタビュー(アルナーチャル・プラデーシュ州のArien Gods/Sacred SecrecyのTana Doniへのインタビュー、Third SovereignのVedantへのインタビュー
・トリプラ州のプライドをラップするBorkung Hrankhawlその2はこちら)
 ・ナガランド3部作(その1その2その3、おまけのクリスマス編
あたりかな。
北東部を扱った記事はどれも思い入れがある。
ここにきて、ナガランドを舞台にした映画「あまねき旋律」のヒットで、静かなインド北東部ブーム?が来つつあるのもうれしい。


インドらしさが最も感じられるジャンルといえばヒップホップ。
インドのメジャーどころのアーティストも紹介したけど、個人的に気に入ったのはローカル色ばりばりのラージャスタンのシーン
砂漠のギャングスタラップJ19 Squadインタビューも敢行。結局続きはなかったけど)は、最近じゃアンダーグラウンドシーンではそれなりの知名度のあるラッパーのEmiwayとビーフを繰り広げるなど、相変わらずコワモテの活動をしているようだ。

インドのヒップホップは(も)土地ごとのシーンの地方色が大きな魅力で、各地の特徴を紹介した記事はかなり思い入れがあったのだけど、なぜか誰もいいねしてくれなかったのはなぜだろう。
実はつまらないのかもしれない。 (「レペゼン俺の街!各地のラッパーと巡るインドの旅」)

この記事でも紹介した日印ハーフのラッパーBig Dealもかなり熱い男で、インタビューでも誠実な人柄が感じられた。年末年始でやる気がでない人なんかにおすすめ。 

マイナーな地方のシーンでは、ジャールカンド州(というか、このTre Ess)もかなり面白かった。
Tre Essの相棒のMellow Turtleもまた才能あるミュージシャンで、彼らからは、「ネットワークで繋がった世界では地域差によるディスアドバンテージはいともたやすく乗り越えられる」ということを教えられた。
彼らへのインタビューでは世界中のマニアックなミュージシャンの名前がばんばん出てきてとても刺激的だった。(Tre EssのインタビューThe Mellow Turtleのインタビュー

そしてインドのヒップホップの音楽的な面に迫ったのはこの記事。
インドのヒップホップは決してアメリカの黒人音楽からの影響だけで作られているわけではなくて、自分たちのリズムもしっかりと咀嚼して作られているという話
インド人とラテン系の共通点」を見つけたというのも自分的には大発見で、とくにこの記事は後半のインド人によるDespacitoカバー集は必見!


音楽を離れた余談としては、謎のインド人占い師ヨギ・シンの話(その1その2)、20年前のシッキム州での思い出話なんかがわりと面白いと思うけどどうだろう。
インド人はプロレス(WWE)好き、なんてことも今まであんまり紹介されていなかったように思う。
2019年はタイガー・ジェット・シンについての記事を書くつもりなので、興味のある方はご期待ください。

あとは順不同で、日本に影響を受けたアーティスト(ロック編エレクトロニカ編、そして脅威のナガランドのコスプレカルチャー!)、ジャマイカン・ミュージックを通じた社会改革を目指すSka Vengers(とくに中心人物のTaru)あたりがわりと面白いんじゃないかな。


他にも思い入れのある記事はいっぱいいっぱいあるのだけれども、これ以上紹介すると結局全ての記事を取り上げることになりそうなので、ここまでにしておきます。
ブログに適した記事の分量(長さ)というものがあるということは分かっているのだけど、いつも書いているうちに長くなってしまって、それなのに読んでくださっている皆さんには本当に感謝してます。
来年はもっと短くまとめられるよう精進します。
そして素晴らしいインスピレーションをいつも与えてくれるインドという国にも改めて感謝を。

今年の記事はこれでおしまいです。
みなさん、よいお年を!
そして来年もよろしくお願いします! 


--------------------------------------

「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」

更新情報や小ネタはTwitter, Facebookで!



goshimasayama18 at 03:39|PermalinkComments(0)