メガラヤ
2021年12月20日
インド北東部 晩秋の桜祭り Cherry Blossom Festival in Shillong
桜といえば日本を代表する花であることは論を待たないが、異論があるとすればシロンからだろう。
何を言っているのか訳が分からないだろうけど、まずは、この美しい桜の写真を見てほしい。
いやー、やっぱり日本の春はこれだよな、と言いたくなるが、じつはこれ、みんなインドで撮られたものなのである。
この写真のいずれもが、インド北東部のメガラヤ州の州都シロン(Shillong)で撮影されたものだ。
しかも、これは春ではなくて晩秋。
インドではムンバイにも桜の並木道があり、毎年3月に見頃となるが、シロンでは桜の種類が違うのか、毎年11月に満開の季節を迎える。
(写真の出典:
1枚目 https://www.cntraveller.in/story/covid-cant-stop-cherry-blossoms-from-blooming-in-shillong-meghalaya/
2枚目 https://timesofindia.indiatimes.com/travel/destinations/shillong-ready-to-host-indian-cherry-blossom-festival-in-nov/as61184175.cms
3枚目 https://indianexpress.com/article/north-east-india/meghalaya/cherry-blossom-festival-shillong-meghalaya-bloom-no-show-yet-show-must-go-on-4927948/)
(地図出典:Wikipedia)
このブログでも何度も紹介しているように、インド北東部は、アーリア系やドラヴィダ系の彫りの深い典型的な「インド人」ではなく、東アジア/東南アジア的な見た目の人々が多く暮らす土地である。
我々がインドと聞いてイメージする褐色の大地とは異なるヒマラヤのふもとの山間に桜が咲き誇る様子は、まるで日本の田舎の風景のようだ。
(出典:https://www.indiatimes.com/trending/environment/shillong-2021-cherry-blossom-festival-photos-555265.html)
北東部は文化的にも独特で、20世紀以降、欧米の伝道師たちによって持ち込まれたキリスト教の信仰が定着し、じつに人口の75%がクリスチャンだ。
そのためか、メガラヤ州にはインドではかなり早い時期から欧米のポピュラーミュージックが浸透していて、シロンは「インドのロックの首都」とも言われている。
日本で花見といえば宴会だが、そんなシロンではやはり桜の季節も音楽フェス。
今年はシロンの桜祭り、その名も'Shillong Cherry Blossom Festival'が2年ぶりに開催され、そのなかでインド国内外のアーティストが出演するライブが行われた。
今年のフェスティバルは、11月25〜27日の3日間にわたって行われ、大いに盛り上がったようだ。
出演アーティストを見てみよう。
まずは韓国から、K-Popの今年デビューしたガールズグループPIXY.
Cherry Blossom Festivalのステージでは、かつて世界的にヒットしたPanjabi MCの"Mundian To Bach Ke"をカバーするなど、インドのオーディエンスを意識したパフォーマンスを繰り広げた。
この曲は、インド北西部パンジャーブのバングラーを現代的にアレンジしたもので、メガラヤ州とは遠く離れた地方の音楽なのだが、それでもインドのための特別なパフォーマンスであることは十分に伝わったようで、観客も大いに盛り上がっている。
K-Pop人気はインドでも絶大で、韓国側もしっかりとインドをマーケットとして位置付けているようである。
PIXYのような新鋭K-Popグループによるインドでのプロモーション活動は、ここ数年さかんに行われていて、インド各地でK-Pop人気の裾野を広げることに貢献している。
他の出演者も見てみよう。
ポルトガルの女性EDM DJ, Mari Ferrariはこのブチ上げっぷり。
他には、ドバイのファンクグループ、Carl and the Reda Mafiaやタイのエレクトロニック・ポップ・アーティストPyraら国際色豊かな面々が出演している。
「そこまで世界的に有名ではないが面白いアーティスト」を呼ぶことにかけては、北東部のフェスはなかなかの慧眼を発揮していると言えるだろう。
このCherry Blossom Festivalには、地元メガラヤのアーティストたちも出演し、ステージを盛り上げている。
例えばこの女性シンガーのJessie Lyngdoh.
R&BシンガーのShane.
メガラヤ州の公用語は、地元言語のガロ語(Garo)、カシ語(Khasi)、そして英語。
北東部の地元言語は話者数が少ないためか、英語で歌うアーティストが多いのも特徴となっていえる。
EDMのDJ Wanshanのこの下世話な盛り上がりっぷりも最高。
BANJOPら地元のメンバーも複数出演した。
ロックバンドのRum and Monkeys.
シロンは小さな街だが、さすが「インドのロックの首都」と言われているだけあり、層の厚さを感じさせるラインナップである。
このフェスが北東部らしくて面白いところは、音楽だけでなく、コスプレ大会などのイベントも行われていること。
北東部では、見た目的な親近感からか、K-Popだけでなく日本のアニメやコスプレ文化も非常に高い人気を博している。
フェス全体の様子はこちらの動画で見ることができる。
この動画でも「サクラ」という言葉が使われているし、コスプレ大会も行われているこのフェスに、日本のアーティストにもぜひ出演してほしいところ。
秋に桜が見たくなったら、春まで待つ必要はない。
メガラヤ州シロンに行こう。
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何を言っているのか訳が分からないだろうけど、まずは、この美しい桜の写真を見てほしい。
いやー、やっぱり日本の春はこれだよな、と言いたくなるが、じつはこれ、みんなインドで撮られたものなのである。
この写真のいずれもが、インド北東部のメガラヤ州の州都シロン(Shillong)で撮影されたものだ。
しかも、これは春ではなくて晩秋。
インドではムンバイにも桜の並木道があり、毎年3月に見頃となるが、シロンでは桜の種類が違うのか、毎年11月に満開の季節を迎える。
(写真の出典:
1枚目 https://www.cntraveller.in/story/covid-cant-stop-cherry-blossoms-from-blooming-in-shillong-meghalaya/
2枚目 https://timesofindia.indiatimes.com/travel/destinations/shillong-ready-to-host-indian-cherry-blossom-festival-in-nov/as61184175.cms
3枚目 https://indianexpress.com/article/north-east-india/meghalaya/cherry-blossom-festival-shillong-meghalaya-bloom-no-show-yet-show-must-go-on-4927948/)
(地図出典:Wikipedia)
このブログでも何度も紹介しているように、インド北東部は、アーリア系やドラヴィダ系の彫りの深い典型的な「インド人」ではなく、東アジア/東南アジア的な見た目の人々が多く暮らす土地である。
我々がインドと聞いてイメージする褐色の大地とは異なるヒマラヤのふもとの山間に桜が咲き誇る様子は、まるで日本の田舎の風景のようだ。
(出典:https://www.indiatimes.com/trending/environment/shillong-2021-cherry-blossom-festival-photos-555265.html)
北東部は文化的にも独特で、20世紀以降、欧米の伝道師たちによって持ち込まれたキリスト教の信仰が定着し、じつに人口の75%がクリスチャンだ。
そのためか、メガラヤ州にはインドではかなり早い時期から欧米のポピュラーミュージックが浸透していて、シロンは「インドのロックの首都」とも言われている。
日本で花見といえば宴会だが、そんなシロンではやはり桜の季節も音楽フェス。
今年はシロンの桜祭り、その名も'Shillong Cherry Blossom Festival'が2年ぶりに開催され、そのなかでインド国内外のアーティストが出演するライブが行われた。
今年のフェスティバルは、11月25〜27日の3日間にわたって行われ、大いに盛り上がったようだ。
出演アーティストを見てみよう。
まずは韓国から、K-Popの今年デビューしたガールズグループPIXY.
Cherry Blossom Festivalのステージでは、かつて世界的にヒットしたPanjabi MCの"Mundian To Bach Ke"をカバーするなど、インドのオーディエンスを意識したパフォーマンスを繰り広げた。
この曲は、インド北西部パンジャーブのバングラーを現代的にアレンジしたもので、メガラヤ州とは遠く離れた地方の音楽なのだが、それでもインドのための特別なパフォーマンスであることは十分に伝わったようで、観客も大いに盛り上がっている。
K-Pop人気はインドでも絶大で、韓国側もしっかりとインドをマーケットとして位置付けているようである。
PIXYのような新鋭K-Popグループによるインドでのプロモーション活動は、ここ数年さかんに行われていて、インド各地でK-Pop人気の裾野を広げることに貢献している。
他の出演者も見てみよう。
ポルトガルの女性EDM DJ, Mari Ferrariはこのブチ上げっぷり。
他には、ドバイのファンクグループ、Carl and the Reda Mafiaやタイのエレクトロニック・ポップ・アーティストPyraら国際色豊かな面々が出演している。
「そこまで世界的に有名ではないが面白いアーティスト」を呼ぶことにかけては、北東部のフェスはなかなかの慧眼を発揮していると言えるだろう。
このCherry Blossom Festivalには、地元メガラヤのアーティストたちも出演し、ステージを盛り上げている。
例えばこの女性シンガーのJessie Lyngdoh.
R&BシンガーのShane.
メガラヤ州の公用語は、地元言語のガロ語(Garo)、カシ語(Khasi)、そして英語。
北東部の地元言語は話者数が少ないためか、英語で歌うアーティストが多いのも特徴となっていえる。
EDMのDJ Wanshanのこの下世話な盛り上がりっぷりも最高。
BANJOPら地元のメンバーも複数出演した。
ロックバンドのRum and Monkeys.
シロンは小さな街だが、さすが「インドのロックの首都」と言われているだけあり、層の厚さを感じさせるラインナップである。
このフェスが北東部らしくて面白いところは、音楽だけでなく、コスプレ大会などのイベントも行われていること。
北東部では、見た目的な親近感からか、K-Popだけでなく日本のアニメやコスプレ文化も非常に高い人気を博している。
フェス全体の様子はこちらの動画で見ることができる。
この動画でも「サクラ」という言葉が使われているし、コスプレ大会も行われているこのフェスに、日本のアーティストにもぜひ出演してほしいところ。
秋に桜が見たくなったら、春まで待つ必要はない。
メガラヤ州シロンに行こう。
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2021年12月15日
2021年度版 インドのクリスマスソング特集!
もう12月も半ば。
この時期、2018年にはインド北東部ナガランド州のクリスマスソングを、昨年は同じく北東部メガラヤ州のクワイアが歌うクリスマスソングを紹介したので、今年は他の地域の曲を紹介したい。
…と思って調べてみたのだけど、正直に言うと、今のところ、そこまで素敵なクリスマスソングをインドで見つけることはできなかった。
これはどうしてかっていうと、キリスト教徒が多いインド北東部と比べて、メインランド(北東部の人たちは、アーリア系やドラヴィダ系の人々がマジョリティを占め、ヒンドゥー教やイスラーム教やシク教などが信仰されているインドの大部分をこう呼ぶ)にはそこまでクリスマスを祝う習慣が根付いていないからだろう。
なんて言うと、インドに詳しい人から「メインランドにもゴアやケーララ州にはクリスチャンがたくさんいるじゃないか」と言われてしまいそうだが、今回調べた限りでは、いわゆる西洋スタイルのポップミュージックとして聴けるいい感じのクリスマスソングは、ゴアやケーララでも見つけることができなかった。
(代わりに、宗教的なものや、インドの歌謡曲っぽいクリスマスソングはたくさん見つかったが…)
20世期に大々的にキリスト教への改宗が進められた北東部に対して、ゴアにキリスト教が伝えられたのは大航海時代だし、ケーララにいたっては1世紀に聖トマスがキリスト教を伝道したとも言われている。
つまり、ゴアやケーララのキリスト教(主にカトリック)は、長い歴史を持つがゆえに、欧米とは異なるインド独自の伝統を持っていて、それがウエスタン(西洋)・ポップス的なクリスマスソングを生まれにくくしているんじゃないだろうか。
インド北東部でクリスチャンが多いのは、もともとヒンドゥー教やイスラーム教よりもアニミズム(精霊信仰)が盛んだった地域だ。
こうした場所では、19世期から欧米の宣教師たちが入って改宗が進められ、ナガランド州やミゾラム州では、今では9割を超える人々がキリスト教を信仰するようになった。
ナガランド特集の記事でも紹介した、チャケサン・ナガ族の民謡と欧米的ポップスを融合した音楽性で知られるTetseo Sistersは、昨年のクリスマスに"Joy to the World"をリリースした。
顔立ちや伝統的なアクセサリーを見ないで音だけ聴けば、インドのシンガーだと思う人はほとんどいないだろう。
こちらはチャケサン・ナガの伝統的歌唱スタイルのクリスマスソング。
いつの間にかメンバーが一人脱退しているっぽいのが気になるが、ドキュメンタリー映画『あまねき旋律』でも紹介された伝統唱歌'Li'を思わせる素朴な歌声が心地良い。
北東部以外に、欧米ポップス的なクリスマスソングが皆無なわけではない。
ムンバイ出身のGwen Fernandesは、昨年クリスマスアルバム"The Best Christmas Ever"をリリースした。
名前を見る限り、彼女もクリスチャンのようだが、大都市ムンバイのクリスチャン・コミュニティで育った彼女にとって、こうした欧米のスタンダードなクリスマスソングは、慣れ親しんだものなのだろう。
こちらもクリスチャンっぽい名前のデリーのシンガー、Kimberley Rodriguesがリリースしたオリジナル曲。
インドでは、クリスチャン・コミュニティ以外にも、非宗教的なオシャレイベントとしての(いわば、日本的な)クリスマスが都市部を中心に広まりつつあるようで、例えば昨年も紹介したこの曲は、元EDMアーティストで、近年はアコースティックシンガーとしての活躍が目立つZaedenによるもの。
デリーからは、ラッパーのHommie Dilliwalaがインドの売れ線系ラッパーの筆頭格Yo Yo Honey Singhをフィーチャーした"Jingle Bell"という曲を発見。
おそらく宗教的な意味でのクリスマスとは全く関係のない内容だが、都会のパーティーカルチャーの雰囲気がよく伝わってくる。
インドでは、ディワーリーやホーリーといったヒンドゥー教の伝統的なお祭りに合わせてリリースされるポピュラーソングも多く、またなぜか毎年独立記念日に合わせてリリースされる楽曲もある。
そう考えると、インドでは、そこまで季節の風物詩としてのクリスマス・ソングが必要とされていないのかもしれない。
いつかインドからワム!や山下達郎みたいな感じの、ポップなクリスマスソングの名曲が出てくることがあるのだろうか。
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この時期、2018年にはインド北東部ナガランド州のクリスマスソングを、昨年は同じく北東部メガラヤ州のクワイアが歌うクリスマスソングを紹介したので、今年は他の地域の曲を紹介したい。
…と思って調べてみたのだけど、正直に言うと、今のところ、そこまで素敵なクリスマスソングをインドで見つけることはできなかった。
これはどうしてかっていうと、キリスト教徒が多いインド北東部と比べて、メインランド(北東部の人たちは、アーリア系やドラヴィダ系の人々がマジョリティを占め、ヒンドゥー教やイスラーム教やシク教などが信仰されているインドの大部分をこう呼ぶ)にはそこまでクリスマスを祝う習慣が根付いていないからだろう。
なんて言うと、インドに詳しい人から「メインランドにもゴアやケーララ州にはクリスチャンがたくさんいるじゃないか」と言われてしまいそうだが、今回調べた限りでは、いわゆる西洋スタイルのポップミュージックとして聴けるいい感じのクリスマスソングは、ゴアやケーララでも見つけることができなかった。
(代わりに、宗教的なものや、インドの歌謡曲っぽいクリスマスソングはたくさん見つかったが…)
20世期に大々的にキリスト教への改宗が進められた北東部に対して、ゴアにキリスト教が伝えられたのは大航海時代だし、ケーララにいたっては1世紀に聖トマスがキリスト教を伝道したとも言われている。
つまり、ゴアやケーララのキリスト教(主にカトリック)は、長い歴史を持つがゆえに、欧米とは異なるインド独自の伝統を持っていて、それがウエスタン(西洋)・ポップス的なクリスマスソングを生まれにくくしているんじゃないだろうか。
インド北東部でクリスチャンが多いのは、もともとヒンドゥー教やイスラーム教よりもアニミズム(精霊信仰)が盛んだった地域だ。
こうした場所では、19世期から欧米の宣教師たちが入って改宗が進められ、ナガランド州やミゾラム州では、今では9割を超える人々がキリスト教を信仰するようになった。
ナガランド特集の記事でも紹介した、チャケサン・ナガ族の民謡と欧米的ポップスを融合した音楽性で知られるTetseo Sistersは、昨年のクリスマスに"Joy to the World"をリリースした。
顔立ちや伝統的なアクセサリーを見ないで音だけ聴けば、インドのシンガーだと思う人はほとんどいないだろう。
こちらはチャケサン・ナガの伝統的歌唱スタイルのクリスマスソング。
いつの間にかメンバーが一人脱退しているっぽいのが気になるが、ドキュメンタリー映画『あまねき旋律』でも紹介された伝統唱歌'Li'を思わせる素朴な歌声が心地良い。
北東部以外に、欧米ポップス的なクリスマスソングが皆無なわけではない。
ムンバイ出身のGwen Fernandesは、昨年クリスマスアルバム"The Best Christmas Ever"をリリースした。
名前を見る限り、彼女もクリスチャンのようだが、大都市ムンバイのクリスチャン・コミュニティで育った彼女にとって、こうした欧米のスタンダードなクリスマスソングは、慣れ親しんだものなのだろう。
こちらもクリスチャンっぽい名前のデリーのシンガー、Kimberley Rodriguesがリリースしたオリジナル曲。
インドでは、クリスチャン・コミュニティ以外にも、非宗教的なオシャレイベントとしての(いわば、日本的な)クリスマスが都市部を中心に広まりつつあるようで、例えば昨年も紹介したこの曲は、元EDMアーティストで、近年はアコースティックシンガーとしての活躍が目立つZaedenによるもの。
デリーからは、ラッパーのHommie Dilliwalaがインドの売れ線系ラッパーの筆頭格Yo Yo Honey Singhをフィーチャーした"Jingle Bell"という曲を発見。
おそらく宗教的な意味でのクリスマスとは全く関係のない内容だが、都会のパーティーカルチャーの雰囲気がよく伝わってくる。
インドでは、ディワーリーやホーリーといったヒンドゥー教の伝統的なお祭りに合わせてリリースされるポピュラーソングも多く、またなぜか毎年独立記念日に合わせてリリースされる楽曲もある。
そう考えると、インドでは、そこまで季節の風物詩としてのクリスマス・ソングが必要とされていないのかもしれない。
いつかインドからワム!や山下達郎みたいな感じの、ポップなクリスマスソングの名曲が出てくることがあるのだろうか。
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goshimasayama18 at 18:57|Permalink│Comments(0)
2020年12月23日
2020年度版 インドのクリスマスソング特集! 古代アラム語で歌われるクリスマスキャロルからバングラーまで
2年前に、インド北東部ナガランド州のクリスマスソングに関する記事を書いた。
典型的な「インド人」とは異なる、モンゴロイド系の民族が多く暮らすインド北東部は、他の南アジアとは異なりヒンドゥー/イスラーム文化の影響が少なく、19世紀以降の宣教によって、今では多くの住民がキリスト教を信仰している。
ナガランドは人口の9割がクリスチャンであり、地元の伝統と西洋のポップミュージックやキリスト教信仰を融合したユニークなクリスマスソングが存在しているのだ。
(詳細はこちらの記事で↑)
今回は、ナガランド以外に視野を広げて、あらためてインドのクリスマスソングを調べたので、紹介してみます。
今年リリースされた曲でとくに印象に残ったのはこの2曲。
まず紹介するのは、インドを代表するEDM系プロデューサーからアコースティックなシンガーソングライターへの転身を遂げたZaedenが、女性シンガーNatania Lalwaniをフィーチャーしてリリースした"For Christmas".
シャッフル気味のアコースティックギターに、ファルセットボイスで歌われるポップなメロディー。
インディー音楽とはいえ、とうとう典型的なクリスマスのポップチューンがインドでも作られるようになったと思うと感慨深い。
途中からレゲエっぽいリズムが入ってくる展開も洒落ている。
インドでは、近年の経済成長や海外文化の流入に伴い、都市部を中心に「欧米的なオシャレなイベント」としてのクリスマスが根付きつつある。(一方で、既存の宗教の原理主義的な信奉者や偏狭なナショナリズムの支持者からは反発もあるわけだが)
イエス・キリストの誕生日やサンタクロースがやってくる日としてのクリスマスではなく、愛する人と過ごす日としてのクリスマスが描かれたこの曲は、都市部の現代的な若者たちのクリスマスのイメージを踏襲したものと見てよいだろう。
続いて紹介するのは、人口の75%がキリスト教を信仰するインド北東部メガラヤ州の州都シロンからの1曲。
Shillong Chamber Choirが今年リリースしたクリスマスアルバム"Come Home Christmas"に収録された"Go Tell It On The Mountain"だ。
Shillong Chamber Choirは、2001年に結成された室内合唱団で、人気テレビ番組'India's Got Talent'での優勝(2001年)を含め、国内外で多くの賞に輝いている。
地元の民謡っぽい旋律に続いて、ファンキーにアレンジされた賛美歌/ゴスペルの"Go Tell It On The Mountain"が英語で歌われるが、途中で歌が耳慣れない言語に変わることに気がつくはずだ。
これはなんとイエス・キリストが話していたと言われる「古代アラム語」だそうで、「マルチリンガルなクリスマス・アルバム」として制作された今作に合わせて、今ではほとんど話者のいないこの言語を「救い主が生まれたことを世界に告げよ」と歌うこの曲に採用したとのこと。
多言語社会のインドでは、複数の言語で歌われる曲も珍しくはないが、賛美歌に古代アラム語を持ってくるというのは、クリスチャンの多い北東部ならではの発想だろう。
この"We The Kings"では、ウルドゥー語とペルシア語が採用されている。
非常に美しいミュージックビデオは、イスラエルのサンドアーティストIlana Yahavによるもの。
正直に言うと、私は普段合唱団が歌うような音楽は全く聴かないのだが、このアルバム"Come Home Christmas"に関しては、ファンキーにアレンジされたゴスペルから荘厳な賛美歌まで、さまざまな言語の美しい響きとともに、なんの違和感もなくポップミュージックとして楽しむことができた。
非常にユニークな、長く聴くことのできるクリスマス・アルバムだ。
今年のリリースではないものの、インドならではの面白いクリスマスソングを他にも見つけることができたので、合わせて紹介します。
ムンバイのポップバンドSanamは、いくつかのクリスマスソングをカバーして発表している。
彼らは古いボリウッド映画の曲を現代的にカバーし、YouTubeから人気が出たバンド。
彼らは映画音楽のみならず、100年前のベンガルの詩人タゴールの作った歌などもカバーしており、近代化著しいインドで、歌を通して古き良きものと現代を繋ぐ役割を担っているのだろう。
そんな彼らがカバーしたクリスマスソングは、ポップスではなく、伝統的な聖歌/賛美歌だ。
おそらく彼らはクリスチャンではないと思われるが、彼らのクリスマスソングを聞くと、流行の消費主義的なイベントとしてのクリスマスではなく、信仰こそ違えど、我々よりも大きな存在に帰依する人々への共感とリスペクトが込められているように感じられる。
物質主義的な部分が強くなって来たとはいえ、インドは信仰の国だ。
サンタクロースやクリスマスケーキになじみのない人々も、偉大なGuru、イエス・キリストの生誕を祝う気持ちは十分に理解できるのだろう。
続いて、北インドのポピュラー音楽シーンのメインストリームであるバングラー(Bhangra)のクリスマスソングを探してみたところ、意外にも多くの動画がアップされているのを見つけてしまった。
バングラー・ユニットのGeeta Brothersは、その名も"Punjabi Christmas Album"というアルバムをリリースしている。
陽気な男たちが打ち鳴らすドール(Dhol. 両面太鼓)、コブシの聞いた歌い回し。
彼らはバングラーの故郷パンジャーブ州に住んでいるわけではなく、イギリスに暮らす移民たちらしい。
パンジャービー系の人々は、移民が多く、コミュニティーが世界中に広がっているからこそ、世界中の文化と伝統音楽の融合が行われているのだろう。
こちらはマレーシア、クアラルンプールのパンジャービー・コミュニティー。
クリスマスソングに合わせてバングラー・ダンスを踊りまくっている動画とか、クリスマスソングのバングラー・リミックスもかなりたくさんヒットする。
彼らがクリスチャンなのか、はたまたヒンドゥーやシクなのかは知る由もないが(ターバンを巻いている人たちはシク教徒のはず…)、なんとも陽気で楽しくて素晴らしいではないか。
「お祝いだ!太鼓叩いて踊ろうぜ」って感じのノリが最高だ。
クリスマスを信仰に基づいてお祝いする人も、パーティーとして楽しむだけの人も、今年は例年になく困難な状況を迎えているが、何はともあれ感謝の心を忘れずに、遠く離れた人々との繋がりも感じながら過ごすことができたら素晴らしいことだ。
みなさん、メリー・クリスマス。
素敵なクリスマスをお過ごしください。
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goshimasayama18 at 19:13|Permalink│Comments(0)
2019年01月09日
Meraki Studiosが選ぶ2018年インド北東部のベストミュージックビデオ18選!
改めまして、軽刈田 凡平です。
Meraki Studiosが選出した2018年のインド北東部のインディーアーティストによるベストミュージックビデオが発表されたので、今回はそのなかでいくつか印象的だったものを紹介します。
このMeraki Studios、正直に言うと私もどんなところかよく知らないのだけど、彼らのウェブサイトによると、どうやらマニプル州インパールを拠点に広告、デザイン、録音、撮影、アーティストのブッキングとマネジメント、服飾販売などを手がけているところらしい。
詳細はリンクを参照してもらうこととして、選ばれた楽曲は以下の18本。
アーティスト名、曲名、ジャンル、出身地(活動拠点?)の順に紹介します。
・Pelenuo Yhome 'Build A Story' フォーク / ナガランド州コヒマ
・Fame The Band 'Autumn' ロック / メガラヤ州(現在はムンバイを拠点に活動)
・Lik Lik Lei 'Eshei' ポップ / マニプル州インパール
・The Twin Effect 'Chasing Shadows' ポップ / ナガランド州ディマプル
・Avora Records 'Sunday' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Fireflood 'Rain' ロック / ナガランド州ディマプル
・Tali Angh 'City Of Lights' ポップ / ナガランド州コヒマ
・Lucid Recess 'Blindmen' オルタナティブ / アッサム州グワハティ
・Featherheadds 'Haokui' フュージョン・ロック / マニプル州ウクルル
・Big-Ri And Meba Ofilia 'Done Talking' R&B / メガラヤ州シロン
・Avora Records '23:00' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Lo! Peninsula 'Another Divine Joke' ポストロック / マニプル州インパール
・Lateral 'Hepaah' ポップ / アッサム州グワハティ
・Sacred Secrecy 'Shitanagar' デスメタル / アルナーチャル・プラデーシュ州イタナガル
・Blue Temptation 'Blessing' ロック / メガラヤ州シロン
・Lily 'Unchained' EDM / メガラヤ州シロン
・Matilda & The Quest 'Thinlung Hliam' ポップ / ミゾラム州アイゾウル
・Joshua Shohe & Zonimong Imchen 'Never Let You Down' ポップ / ナガランド州
まず目につくのはロック系の多さ!
ジャンル分けは独断かつ適当だが、それを差し引いても、ヒップホップ系やエレクトロニカ系はほとんどいなくて、ロック系が大半を占めている。
北東部はもともとロックが盛んな土地で、メガラヤ州シロンは「インドのロックの首都」とも言われている街だ(今回もシロンから3バンドが選出されている)。
ロック系の中でもFirefloodみたいなハードロック系からAvora Recordsみたいなギターポップ系、Blue Temptationみたいなブルースロック系、さらにはポストロックやデスメタルまで多様なタイプのバンドが揃っている。
そしてもうひとつ気になったのはナガランドのバンドの多さ!
州別に言うと、ナガランドが5バンド、メガラヤが4バンド、マニプルが3バンド、ミゾラムとアッサムが2バンドずつ、アルナーチャル・プラデーシュ州が1バンド。
これまでもナガランドについてはいろいろと書いてきたけど(全3回のナガランド特集はこちらから)、改めてナガの地の音楽カルチャーの強さを感じさせられた。
それでは、この18曲を聴いてとくに印象に残ったビデオをいくつか紹介します。
Lik Lik Leiは、日本軍の悪名高いインパール作戦で有名なマニプル州インパールのバンド。
このデビュー曲の'Eshei'はマニプルの映画、その名も'Iriguchi(入り口)'のサウンドトラックからの1曲。
ミュージックビデオを見て分かる通り、日本軍の兵士が残した秘密の箱を見つけた現代のマニプリの若者が主人公の映画のようだ。
映画の背景にある重い歴史(大戦後、マニプル州はナガランドと同様に過酷な独立闘争を経験している)と、ビデオに出てくる現代的な若者、そしてウクレレを使った軽やかな音楽の対比が面白い。
アッサムのLucid Recessは2004年結成のベテラン・オルタナティブメタルバンド。
この曲ではサウンドガーデンやニルヴァーナを思わせるグランジ的なサウンドを聴かせている。
Featherheadsはマニプル州の小さな街、ウクルルのバンド。
ウクルルも日本軍の悲劇的な激戦地となった場所だ。
個人的には、今回のリストの中でいちばん強烈に印象に残ったビデオだ。
音楽的にはおそらく地元部族の伝統音楽とロックとのフュージョンということになるのだろう。
注目すべきは彼らの衣装で、なんと地元の民族衣装にインディアンの民族衣装を大胆に合わせている。
ここで言うインディアンはインド人ではなくアメリカ先住民のいわゆるネイティブアメリカンのこと。
インド人(インディアン)のなかでは周縁的な存在であることを余儀なくされている北東部マニプル州の彼らが、同じ「インディアン」と呼ばれながらも、やはり国家の中で周縁的な立場に置かれているアメリカ先住民の格好をしているというわけだ。
そしてマニプリとアメリカ先住民は「追いやられた先住民族」という点で共通している。
Meraki Studiosが選出した2018年のインド北東部のインディーアーティストによるベストミュージックビデオが発表されたので、今回はそのなかでいくつか印象的だったものを紹介します。
このMeraki Studios、正直に言うと私もどんなところかよく知らないのだけど、彼らのウェブサイトによると、どうやらマニプル州インパールを拠点に広告、デザイン、録音、撮影、アーティストのブッキングとマネジメント、服飾販売などを手がけているところらしい。
詳細はリンクを参照してもらうこととして、選ばれた楽曲は以下の18本。
アーティスト名、曲名、ジャンル、出身地(活動拠点?)の順に紹介します。
・Pelenuo Yhome 'Build A Story' フォーク / ナガランド州コヒマ
・Fame The Band 'Autumn' ロック / メガラヤ州(現在はムンバイを拠点に活動)
・Lik Lik Lei 'Eshei' ポップ / マニプル州インパール
・The Twin Effect 'Chasing Shadows' ポップ / ナガランド州ディマプル
・Avora Records 'Sunday' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Fireflood 'Rain' ロック / ナガランド州ディマプル
・Tali Angh 'City Of Lights' ポップ / ナガランド州コヒマ
・Lucid Recess 'Blindmen' オルタナティブ / アッサム州グワハティ
・Featherheadds 'Haokui' フュージョン・ロック / マニプル州ウクルル
・Big-Ri And Meba Ofilia 'Done Talking' R&B / メガラヤ州シロン
・Avora Records '23:00' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Lo! Peninsula 'Another Divine Joke' ポストロック / マニプル州インパール
・Lateral 'Hepaah' ポップ / アッサム州グワハティ
・Sacred Secrecy 'Shitanagar' デスメタル / アルナーチャル・プラデーシュ州イタナガル
・Blue Temptation 'Blessing' ロック / メガラヤ州シロン
・Lily 'Unchained' EDM / メガラヤ州シロン
・Matilda & The Quest 'Thinlung Hliam' ポップ / ミゾラム州アイゾウル
・Joshua Shohe & Zonimong Imchen 'Never Let You Down' ポップ / ナガランド州
まず目につくのはロック系の多さ!
ジャンル分けは独断かつ適当だが、それを差し引いても、ヒップホップ系やエレクトロニカ系はほとんどいなくて、ロック系が大半を占めている。
北東部はもともとロックが盛んな土地で、メガラヤ州シロンは「インドのロックの首都」とも言われている街だ(今回もシロンから3バンドが選出されている)。
ロック系の中でもFirefloodみたいなハードロック系からAvora Recordsみたいなギターポップ系、Blue Temptationみたいなブルースロック系、さらにはポストロックやデスメタルまで多様なタイプのバンドが揃っている。
そしてもうひとつ気になったのはナガランドのバンドの多さ!
州別に言うと、ナガランドが5バンド、メガラヤが4バンド、マニプルが3バンド、ミゾラムとアッサムが2バンドずつ、アルナーチャル・プラデーシュ州が1バンド。
これまでもナガランドについてはいろいろと書いてきたけど(全3回のナガランド特集はこちらから)、改めてナガの地の音楽カルチャーの強さを感じさせられた。
それでは、この18曲を聴いてとくに印象に残ったビデオをいくつか紹介します。
Lik Lik Leiは、日本軍の悪名高いインパール作戦で有名なマニプル州インパールのバンド。
このデビュー曲の'Eshei'はマニプルの映画、その名も'Iriguchi(入り口)'のサウンドトラックからの1曲。
ミュージックビデオを見て分かる通り、日本軍の兵士が残した秘密の箱を見つけた現代のマニプリの若者が主人公の映画のようだ。
映画の背景にある重い歴史(大戦後、マニプル州はナガランドと同様に過酷な独立闘争を経験している)と、ビデオに出てくる現代的な若者、そしてウクレレを使った軽やかな音楽の対比が面白い。
アッサムのLucid Recessは2004年結成のベテラン・オルタナティブメタルバンド。
この曲ではサウンドガーデンやニルヴァーナを思わせるグランジ的なサウンドを聴かせている。
Featherheadsはマニプル州の小さな街、ウクルルのバンド。
ウクルルも日本軍の悲劇的な激戦地となった場所だ。
個人的には、今回のリストの中でいちばん強烈に印象に残ったビデオだ。
音楽的にはおそらく地元部族の伝統音楽とロックとのフュージョンということになるのだろう。
注目すべきは彼らの衣装で、なんと地元の民族衣装にインディアンの民族衣装を大胆に合わせている。
ここで言うインディアンはインド人ではなくアメリカ先住民のいわゆるネイティブアメリカンのこと。
インド人(インディアン)のなかでは周縁的な存在であることを余儀なくされている北東部マニプル州の彼らが、同じ「インディアン」と呼ばれながらも、やはり国家の中で周縁的な立場に置かれているアメリカ先住民の格好をしているというわけだ。
そしてマニプリとアメリカ先住民は「追いやられた先住民族」という点で共通している。
なにやら非常にややこしいが、おそらく彼らはそこに共感と皮肉を見出してこの格好をしているのではないか。
って、単にファッションとして取り入れているだけかもしれないけど、いずれにしても興味深い一致ではある。
同じくマニプル州のLo! Peninsulaはシューゲイザー、ドリームポップ、サイケロックを標榜するバンドで、曲によってはポストロック的な響きを持つ演奏をすることもある(このへんはジャンルのボーダーが曖昧な部分ではあるけれども)。
さっきのFeatherheadsとはうってかわって、とてもインドの山奥から出てきたとは思えない(失礼!)サウンド!
彼らはシアトルのカレッジラジオ局KEXPで紹介されたこともあるようだ。
ポストロックというジャンル字体はもはや世界中のどこでも珍しいものではなくなっているけれども、それでも今回紹介する北東部のバンドの中で彼らの存在感は群を抜いている。
って、単にファッションとして取り入れているだけかもしれないけど、いずれにしても興味深い一致ではある。
同じくマニプル州のLo! Peninsulaはシューゲイザー、ドリームポップ、サイケロックを標榜するバンドで、曲によってはポストロック的な響きを持つ演奏をすることもある(このへんはジャンルのボーダーが曖昧な部分ではあるけれども)。
さっきのFeatherheadsとはうってかわって、とてもインドの山奥から出てきたとは思えない(失礼!)サウンド!
彼らはシアトルのカレッジラジオ局KEXPで紹介されたこともあるようだ。
ポストロックというジャンル字体はもはや世界中のどこでも珍しいものではなくなっているけれども、それでも今回紹介する北東部のバンドの中で彼らの存在感は群を抜いている。
他にも尖っているバンドはあるが、彼らだけは世界中の別の時空と共鳴しているかのような印象を受けた。
ナガランドのJosua Shohe & Zonimong Imochenの'Never Let You Down'はZonimongのヒューマンビートボックスが全編にフィーチャーされた曲。
歌もちょっと弱いし、とりあえず地元で撮ったみたいなビデオも適当な印象だけど、意欲的な試みではある。
すでに紹介してきたバンドたちもおさらい。
日本のMonoがトリを務めたZiro Festivalにも出演したAvora Recordsは2曲でノミネート。
'Sunday'はどことなく1990年代の日本のバンドを思わせるミュージックビデオだ。
同じくZiro Festivalにも出演していたBlue Temptationはレニー・クラヴィッツみたいなシブいブルースロック!
MTV EMA2018のベストインド人アーティストに選ばれたBig-Ri& Meba Ofiliaも当然ランクイン。
このブログ最初のインタビューにも協力してくれたTana Doni率いるSacred Secrecyが地元イタナガルを強烈にディスっているブルータル・デスメタル'Shitanagar'でノミネート!
少々の荒削りさとびっくりするようなセンスが共存している北東部のシーン、今後も注目していきたいと思います!
そして今年は北東部が先になってしまったけど、メインランドの2018年を代表する曲やアルバムもまた紹介します!
それでは!
凡平自選の2018年度のおすすめ記事はこちらからどうぞ!
ナガランドのJosua Shohe & Zonimong Imochenの'Never Let You Down'はZonimongのヒューマンビートボックスが全編にフィーチャーされた曲。
歌もちょっと弱いし、とりあえず地元で撮ったみたいなビデオも適当な印象だけど、意欲的な試みではある。
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日本のMonoがトリを務めたZiro Festivalにも出演したAvora Recordsは2曲でノミネート。
'Sunday'はどことなく1990年代の日本のバンドを思わせるミュージックビデオだ。
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MTV EMA2018のベストインド人アーティストに選ばれたBig-Ri& Meba Ofiliaも当然ランクイン。
このブログ最初のインタビューにも協力してくれたTana Doni率いるSacred Secrecyが地元イタナガルを強烈にディスっているブルータル・デスメタル'Shitanagar'でノミネート!
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そして今年は北東部が先になってしまったけど、メインランドの2018年を代表する曲やアルバムもまた紹介します!
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goshimasayama18 at 22:29|Permalink│Comments(0)