マニプル
2019年10月06日
インド北東部にボブ・ディランがいた(その1)!マニプル州のImphal Talkies!
個人的な話になるが、ボブ・ディランのなかでいちばん好きな曲はこの"Don't Think Twice, It's Alright".
『くよくよするなよ』っていう素敵な放題もついている。
(この音源は本物。インドのボブ・ディランはこの後出てきます)
学生時代、就職を控えた最後の春休み、当面最後になるであろう1ヶ月単位でのインドの旅(そして実際、それ以来そんなに長くインドには行けていない)の終わり頃だったと記憶している。
あれはどの街に向かう鉄道だったろうか。
夕暮れに染まるインドの大地を眺めるともなく眺めつつ、CDウォークマンでこの曲を聴きながら、自分の人生はこれからどうなるんだろうか、なんてしみじみと考えたものだった。
就職先が古いタイプの日本企業で、最初の勤務地は出身地とは違う地方に配属になるというしきたりがあった。
1ヶ月後、自分はどこの街でどんな人とどんな仕事をしているのだろうか。
あと、この"Freewheelin' Bob Dylan"のジャケットのような、寄り添ってくれる彼女も欲しかった(ちなみにこの女性は、実際にディランがつきあっていた彼女)。
今にして思うと、めちゃくちゃ安っぽい感傷だが、きっとそんな感傷に浸りたい年頃だったんだろう。
ああ恥ずかしい。
そんな思い出話はさておき。
先日、「インド北東部にJ-Popバンドがいた!?」という記事をお届けした。
インド北東部は"7 Sisters States"と呼ばれる7つの州から構成され(さらにシッキム州を北東部に含めることもある)インドのマジョリティとは異なるモンゴロイド系の民族が暮らす地域だ。
この地域は、中国、ミャンマー、バングラデシュ、ブータンと入り組んだ国境を接する地政学上重要な地域であり、また多くの州で過激な独立運動が行われていたため、長らく外国人観光客の入域が制限されていた謎の多いエリアでもある。
その北東部に、「J-Popバンド」がいたというので、ずいぶんとびっくりしたものだった。
ところが、北東部の驚異はそれだけにとどまらない。
今度は、なんとインド北東部に「ボブ・ディラン」がいるのを見つけてしまったのだ。
「インドのボブ・ディラン」が発見されたのは、マニプル州の州都インパール。
第二次世界大戦中に、日本軍がイギリス軍による中国への補給路(いわゆる援蔣ルート)を遮断するために攻略を目指し、無謀な作戦により大勢の死者を出したあの「インパール作戦」の目的地だった街だ。
それではさっそく聴いていただこう。
インドのボブ・ディランこと、Imphal Talkiesの"Hey Juliet".
どうだろう、この独特の節回しと、ヘタクソ、もとい味のあるハーモニカ、どう聴いても1960年代のボブ・ディランではないだろうか。
このサウンドにして、2013年にリリースされた楽曲だというからさらに驚きだ。
この曲は、「ロミオとジュリエット」をモチーフに、独立闘争とその弾圧によって殺伐としたインパールで、自由なアメリカに憧れる少女について歌った内容のようだ。
以前の記事でも紹介したとおり、インド北東部はなぜかいまだに80年代から90年代のメタルバンドが高い人気を誇る土地。
メタル以外でも、Bonny MとかBig Mountainみたいな懐かしのアーティストたちが北東部で開催されるフェスに呼ばれていたりする。
先日の渋谷系J-Popといい、北東部はどこか時空が歪んでいるのかもしれない。
(参考:「インド北東部のロック・フェスティバルは、懐かしのメタル天国だった!」) 彼らの"Hey Little Girl"という曲もかなりのディランっぷりなので、興味のある方はご一聴を。(YoutubeやSoundcloud上には無かったが、Spotifyでは聴ける。ちなみにこちらはなんと2017年の作品)
ディラン的なサウンドのなかで、彼らの個性と呼べる部分を挙げるとするならば、それはアルペジオの中に聴こえるシンプルで印象的なギターのフレーズだろう。
繰り返されるシンプルなメロディーは、この地方の伝統音楽によく似ており、彼らのルーツに根ざしたもののようだ。
それにしても、21世紀に入って20年が経とうとしている今、50年以上前のプロテスト・フォークのサウンドを再現するImphal Talkiesとはいったいどんなバンドなのだろうか。
Imphal Talkiesは、フロントマンでソングライターのAkhu Chingangbamを中心に2008年に結成された。
バンド名の由来は地元にあった映画館で、映画大国インドでは、同じように映画館の名前からとられた"◯◯ Talkies"というバンドが他にも何組か存在している。
よりロック色の強いサウンドを発表するときは、Imphal Talkies and Howlersという名前で活動しているようだ。
Akhuが扱う歌詞のテーマは、文学的・抽象的でもあったボブ・ディランに比べると、極めて政治的に明瞭なものだ。
例えば、それはインド北東部を苦しめ続けているAFSPA(Armed Force Special Power Act. 「軍事特別法」と訳されることがあるようだ)への抗議だ。
AFSPAは、加熱する独立運動を警戒したインド中央政府が、1958年にインド北東部やカシミールを対象地域として施行した法律だ。
宗教や民族や文化や言語の多様性を抱えるインドにとって、独立運動は不満を持つ他の地域にも飛び火しかねない見過ごせない問題だ。
このAFSPAは、独立運動を徹底的に弾圧するために、警察や治安部隊に令状なしの人々の拘束や殺傷、財産の破壊・収奪を認るものだった。
この法律のもと、インド北東部では多くの無辜の市民が中央政府側の弾圧の犠牲となった。
この法律のもと、インド北東部では多くの無辜の市民が中央政府側の弾圧の犠牲となった。
AFSPAは、過去に国連人権委員会や国際的な人権NGOであるヒューマン・ライツ・ウォッチから廃止を求められるなど、正当性に疑問が持たれている。
Imphal Talkiesの"AFSPA, Why Don't You Go Fuck Youself"は、この法案を率直に糾弾したものだ。
このビデオに出てくる新聞記事やニュース映像、そして激しい抗議運動を見れば、この法のもとでいかに北東部の人々がしいたげられてきたか、分かるだろう。
Imphal Talkiesの中心人物Akhuは、紛争が続くインパールの街で育ち、故郷を離れてデリーに進学したときに、はじめて平和な街の暮らしというものを知ったという。
だが、デリーでは、同時に北東部出身のマイノリティとしての差別や偏見にも直面することとなった。
こうした経験が、社会の矛盾や不条理に対する音楽を制作するきっかけになったそうだ。
これまで意図的にディラン的な楽曲ばかりを紹介してきたが、じつはこうしたスタイル以外の楽曲も多く、 インドの大統領プラナーブ・ムケルジーが2013年にインパールを訪問中に、バンドメンバーが警察から暴力を受けたことをきっかけに作られた曲"Mr. President is Coming"
紛争地で生まれた子どもたちに捧げられた"Lullaby"は、同じような環境で育った彼らならではの楽曲だ。
インド北東部が置かれた状況は、周縁部であるがゆえに、海外はもとより、インド国内でもあまり知られてはいない。
この地域の音楽シーンと合わせて、彼らが直面しているさまざまな問題も注目されてほしいと願うばかりである。
この地域の音楽シーンと合わせて、彼らが直面しているさまざまな問題も注目されてほしいと願うばかりである。
さて、そろそろこの記事はおしまいなわけだが、最後にさらなる衝撃的な事実をお伝えしたい。
じつは、一般的に「インドのボブ・ディラン」と呼ばれているのは、このImphal Talkiesではなく、別のアーティストなのだ。
インド北東部には、なんとImphal Talkiesよりもっと早く「インドのボブ・ディラン」と呼ばれたアーティストが存在している。
インド北東部には、なんとImphal Talkiesよりもっと早く「インドのボブ・ディラン」と呼ばれたアーティストが存在している。
彼の名は、Lou Majaw.
「インドのロックの首都」と呼ばれるメガラヤ州シロン出身のアーティストだ。
いわば、「元祖インドのボブ・ディラン」だ。
アメリカにはボブ・ディランは一人しかいないが、インド北東部にはディランはたくさんいるのである。
北東部のロックシーンで大きな役割を果たしてきた彼のことは、また改めて紹介したい。
それでは!
参考記事:The Hindu "I will make music till end of time, says 'Imphal Talkies and the Howlers' founder Akhu Chingangbam" MARCH 27, 2019
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goshimasayama18 at 23:00|Permalink│Comments(0)
2019年01月09日
Meraki Studiosが選ぶ2018年インド北東部のベストミュージックビデオ18選!
改めまして、軽刈田 凡平です。
Meraki Studiosが選出した2018年のインド北東部のインディーアーティストによるベストミュージックビデオが発表されたので、今回はそのなかでいくつか印象的だったものを紹介します。
このMeraki Studios、正直に言うと私もどんなところかよく知らないのだけど、彼らのウェブサイトによると、どうやらマニプル州インパールを拠点に広告、デザイン、録音、撮影、アーティストのブッキングとマネジメント、服飾販売などを手がけているところらしい。
詳細はリンクを参照してもらうこととして、選ばれた楽曲は以下の18本。
アーティスト名、曲名、ジャンル、出身地(活動拠点?)の順に紹介します。
・Pelenuo Yhome 'Build A Story' フォーク / ナガランド州コヒマ
・Fame The Band 'Autumn' ロック / メガラヤ州(現在はムンバイを拠点に活動)
・Lik Lik Lei 'Eshei' ポップ / マニプル州インパール
・The Twin Effect 'Chasing Shadows' ポップ / ナガランド州ディマプル
・Avora Records 'Sunday' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Fireflood 'Rain' ロック / ナガランド州ディマプル
・Tali Angh 'City Of Lights' ポップ / ナガランド州コヒマ
・Lucid Recess 'Blindmen' オルタナティブ / アッサム州グワハティ
・Featherheadds 'Haokui' フュージョン・ロック / マニプル州ウクルル
・Big-Ri And Meba Ofilia 'Done Talking' R&B / メガラヤ州シロン
・Avora Records '23:00' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Lo! Peninsula 'Another Divine Joke' ポストロック / マニプル州インパール
・Lateral 'Hepaah' ポップ / アッサム州グワハティ
・Sacred Secrecy 'Shitanagar' デスメタル / アルナーチャル・プラデーシュ州イタナガル
・Blue Temptation 'Blessing' ロック / メガラヤ州シロン
・Lily 'Unchained' EDM / メガラヤ州シロン
・Matilda & The Quest 'Thinlung Hliam' ポップ / ミゾラム州アイゾウル
・Joshua Shohe & Zonimong Imchen 'Never Let You Down' ポップ / ナガランド州
まず目につくのはロック系の多さ!
ジャンル分けは独断かつ適当だが、それを差し引いても、ヒップホップ系やエレクトロニカ系はほとんどいなくて、ロック系が大半を占めている。
北東部はもともとロックが盛んな土地で、メガラヤ州シロンは「インドのロックの首都」とも言われている街だ(今回もシロンから3バンドが選出されている)。
ロック系の中でもFirefloodみたいなハードロック系からAvora Recordsみたいなギターポップ系、Blue Temptationみたいなブルースロック系、さらにはポストロックやデスメタルまで多様なタイプのバンドが揃っている。
そしてもうひとつ気になったのはナガランドのバンドの多さ!
州別に言うと、ナガランドが5バンド、メガラヤが4バンド、マニプルが3バンド、ミゾラムとアッサムが2バンドずつ、アルナーチャル・プラデーシュ州が1バンド。
これまでもナガランドについてはいろいろと書いてきたけど(全3回のナガランド特集はこちらから)、改めてナガの地の音楽カルチャーの強さを感じさせられた。
それでは、この18曲を聴いてとくに印象に残ったビデオをいくつか紹介します。
Lik Lik Leiは、日本軍の悪名高いインパール作戦で有名なマニプル州インパールのバンド。
このデビュー曲の'Eshei'はマニプルの映画、その名も'Iriguchi(入り口)'のサウンドトラックからの1曲。
ミュージックビデオを見て分かる通り、日本軍の兵士が残した秘密の箱を見つけた現代のマニプリの若者が主人公の映画のようだ。
映画の背景にある重い歴史(大戦後、マニプル州はナガランドと同様に過酷な独立闘争を経験している)と、ビデオに出てくる現代的な若者、そしてウクレレを使った軽やかな音楽の対比が面白い。
アッサムのLucid Recessは2004年結成のベテラン・オルタナティブメタルバンド。
この曲ではサウンドガーデンやニルヴァーナを思わせるグランジ的なサウンドを聴かせている。
Featherheadsはマニプル州の小さな街、ウクルルのバンド。
ウクルルも日本軍の悲劇的な激戦地となった場所だ。
個人的には、今回のリストの中でいちばん強烈に印象に残ったビデオだ。
音楽的にはおそらく地元部族の伝統音楽とロックとのフュージョンということになるのだろう。
注目すべきは彼らの衣装で、なんと地元の民族衣装にインディアンの民族衣装を大胆に合わせている。
ここで言うインディアンはインド人ではなくアメリカ先住民のいわゆるネイティブアメリカンのこと。
インド人(インディアン)のなかでは周縁的な存在であることを余儀なくされている北東部マニプル州の彼らが、同じ「インディアン」と呼ばれながらも、やはり国家の中で周縁的な立場に置かれているアメリカ先住民の格好をしているというわけだ。
そしてマニプリとアメリカ先住民は「追いやられた先住民族」という点で共通している。
Meraki Studiosが選出した2018年のインド北東部のインディーアーティストによるベストミュージックビデオが発表されたので、今回はそのなかでいくつか印象的だったものを紹介します。
このMeraki Studios、正直に言うと私もどんなところかよく知らないのだけど、彼らのウェブサイトによると、どうやらマニプル州インパールを拠点に広告、デザイン、録音、撮影、アーティストのブッキングとマネジメント、服飾販売などを手がけているところらしい。
詳細はリンクを参照してもらうこととして、選ばれた楽曲は以下の18本。
アーティスト名、曲名、ジャンル、出身地(活動拠点?)の順に紹介します。
・Pelenuo Yhome 'Build A Story' フォーク / ナガランド州コヒマ
・Fame The Band 'Autumn' ロック / メガラヤ州(現在はムンバイを拠点に活動)
・Lik Lik Lei 'Eshei' ポップ / マニプル州インパール
・The Twin Effect 'Chasing Shadows' ポップ / ナガランド州ディマプル
・Avora Records 'Sunday' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Fireflood 'Rain' ロック / ナガランド州ディマプル
・Tali Angh 'City Of Lights' ポップ / ナガランド州コヒマ
・Lucid Recess 'Blindmen' オルタナティブ / アッサム州グワハティ
・Featherheadds 'Haokui' フュージョン・ロック / マニプル州ウクルル
・Big-Ri And Meba Ofilia 'Done Talking' R&B / メガラヤ州シロン
・Avora Records '23:00' ロック / ミゾラム州アイゾウル
・Lo! Peninsula 'Another Divine Joke' ポストロック / マニプル州インパール
・Lateral 'Hepaah' ポップ / アッサム州グワハティ
・Sacred Secrecy 'Shitanagar' デスメタル / アルナーチャル・プラデーシュ州イタナガル
・Blue Temptation 'Blessing' ロック / メガラヤ州シロン
・Lily 'Unchained' EDM / メガラヤ州シロン
・Matilda & The Quest 'Thinlung Hliam' ポップ / ミゾラム州アイゾウル
・Joshua Shohe & Zonimong Imchen 'Never Let You Down' ポップ / ナガランド州
まず目につくのはロック系の多さ!
ジャンル分けは独断かつ適当だが、それを差し引いても、ヒップホップ系やエレクトロニカ系はほとんどいなくて、ロック系が大半を占めている。
北東部はもともとロックが盛んな土地で、メガラヤ州シロンは「インドのロックの首都」とも言われている街だ(今回もシロンから3バンドが選出されている)。
ロック系の中でもFirefloodみたいなハードロック系からAvora Recordsみたいなギターポップ系、Blue Temptationみたいなブルースロック系、さらにはポストロックやデスメタルまで多様なタイプのバンドが揃っている。
そしてもうひとつ気になったのはナガランドのバンドの多さ!
州別に言うと、ナガランドが5バンド、メガラヤが4バンド、マニプルが3バンド、ミゾラムとアッサムが2バンドずつ、アルナーチャル・プラデーシュ州が1バンド。
これまでもナガランドについてはいろいろと書いてきたけど(全3回のナガランド特集はこちらから)、改めてナガの地の音楽カルチャーの強さを感じさせられた。
それでは、この18曲を聴いてとくに印象に残ったビデオをいくつか紹介します。
Lik Lik Leiは、日本軍の悪名高いインパール作戦で有名なマニプル州インパールのバンド。
このデビュー曲の'Eshei'はマニプルの映画、その名も'Iriguchi(入り口)'のサウンドトラックからの1曲。
ミュージックビデオを見て分かる通り、日本軍の兵士が残した秘密の箱を見つけた現代のマニプリの若者が主人公の映画のようだ。
映画の背景にある重い歴史(大戦後、マニプル州はナガランドと同様に過酷な独立闘争を経験している)と、ビデオに出てくる現代的な若者、そしてウクレレを使った軽やかな音楽の対比が面白い。
アッサムのLucid Recessは2004年結成のベテラン・オルタナティブメタルバンド。
この曲ではサウンドガーデンやニルヴァーナを思わせるグランジ的なサウンドを聴かせている。
Featherheadsはマニプル州の小さな街、ウクルルのバンド。
ウクルルも日本軍の悲劇的な激戦地となった場所だ。
個人的には、今回のリストの中でいちばん強烈に印象に残ったビデオだ。
音楽的にはおそらく地元部族の伝統音楽とロックとのフュージョンということになるのだろう。
注目すべきは彼らの衣装で、なんと地元の民族衣装にインディアンの民族衣装を大胆に合わせている。
ここで言うインディアンはインド人ではなくアメリカ先住民のいわゆるネイティブアメリカンのこと。
インド人(インディアン)のなかでは周縁的な存在であることを余儀なくされている北東部マニプル州の彼らが、同じ「インディアン」と呼ばれながらも、やはり国家の中で周縁的な立場に置かれているアメリカ先住民の格好をしているというわけだ。
そしてマニプリとアメリカ先住民は「追いやられた先住民族」という点で共通している。
なにやら非常にややこしいが、おそらく彼らはそこに共感と皮肉を見出してこの格好をしているのではないか。
って、単にファッションとして取り入れているだけかもしれないけど、いずれにしても興味深い一致ではある。
同じくマニプル州のLo! Peninsulaはシューゲイザー、ドリームポップ、サイケロックを標榜するバンドで、曲によってはポストロック的な響きを持つ演奏をすることもある(このへんはジャンルのボーダーが曖昧な部分ではあるけれども)。
さっきのFeatherheadsとはうってかわって、とてもインドの山奥から出てきたとは思えない(失礼!)サウンド!
彼らはシアトルのカレッジラジオ局KEXPで紹介されたこともあるようだ。
ポストロックというジャンル字体はもはや世界中のどこでも珍しいものではなくなっているけれども、それでも今回紹介する北東部のバンドの中で彼らの存在感は群を抜いている。
って、単にファッションとして取り入れているだけかもしれないけど、いずれにしても興味深い一致ではある。
同じくマニプル州のLo! Peninsulaはシューゲイザー、ドリームポップ、サイケロックを標榜するバンドで、曲によってはポストロック的な響きを持つ演奏をすることもある(このへんはジャンルのボーダーが曖昧な部分ではあるけれども)。
さっきのFeatherheadsとはうってかわって、とてもインドの山奥から出てきたとは思えない(失礼!)サウンド!
彼らはシアトルのカレッジラジオ局KEXPで紹介されたこともあるようだ。
ポストロックというジャンル字体はもはや世界中のどこでも珍しいものではなくなっているけれども、それでも今回紹介する北東部のバンドの中で彼らの存在感は群を抜いている。
他にも尖っているバンドはあるが、彼らだけは世界中の別の時空と共鳴しているかのような印象を受けた。
ナガランドのJosua Shohe & Zonimong Imochenの'Never Let You Down'はZonimongのヒューマンビートボックスが全編にフィーチャーされた曲。
歌もちょっと弱いし、とりあえず地元で撮ったみたいなビデオも適当な印象だけど、意欲的な試みではある。
すでに紹介してきたバンドたちもおさらい。
日本のMonoがトリを務めたZiro Festivalにも出演したAvora Recordsは2曲でノミネート。
'Sunday'はどことなく1990年代の日本のバンドを思わせるミュージックビデオだ。
同じくZiro Festivalにも出演していたBlue Temptationはレニー・クラヴィッツみたいなシブいブルースロック!
MTV EMA2018のベストインド人アーティストに選ばれたBig-Ri& Meba Ofiliaも当然ランクイン。
このブログ最初のインタビューにも協力してくれたTana Doni率いるSacred Secrecyが地元イタナガルを強烈にディスっているブルータル・デスメタル'Shitanagar'でノミネート!
少々の荒削りさとびっくりするようなセンスが共存している北東部のシーン、今後も注目していきたいと思います!
そして今年は北東部が先になってしまったけど、メインランドの2018年を代表する曲やアルバムもまた紹介します!
それでは!
凡平自選の2018年度のおすすめ記事はこちらからどうぞ!
ナガランドのJosua Shohe & Zonimong Imochenの'Never Let You Down'はZonimongのヒューマンビートボックスが全編にフィーチャーされた曲。
歌もちょっと弱いし、とりあえず地元で撮ったみたいなビデオも適当な印象だけど、意欲的な試みではある。
すでに紹介してきたバンドたちもおさらい。
日本のMonoがトリを務めたZiro Festivalにも出演したAvora Recordsは2曲でノミネート。
'Sunday'はどことなく1990年代の日本のバンドを思わせるミュージックビデオだ。
同じくZiro Festivalにも出演していたBlue Temptationはレニー・クラヴィッツみたいなシブいブルースロック!
MTV EMA2018のベストインド人アーティストに選ばれたBig-Ri& Meba Ofiliaも当然ランクイン。
このブログ最初のインタビューにも協力してくれたTana Doni率いるSacred Secrecyが地元イタナガルを強烈にディスっているブルータル・デスメタル'Shitanagar'でノミネート!
少々の荒削りさとびっくりするようなセンスが共存している北東部のシーン、今後も注目していきたいと思います!
そして今年は北東部が先になってしまったけど、メインランドの2018年を代表する曲やアルバムもまた紹介します!
それでは!
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