2018年01月15日
Rolling Stone Indiaが選ぶ2017年ベストミュージックビデオ10選
Rolling Stone Indiaが2017年のベストアルバムに続いて、2017年のベストミュージックビデオを発表した。(記事はこちら)
選考基準は、映画の映像をそのまま使用した挿入歌・主題歌は除く楽曲ということのようだ。
ミュージシャン名と都市・ジャンルを添えて紹介します。
1. Run Pussy Run: “Roaches” プネー ロック
同じくプネーのLMB Production所属の映像作家Anurag Ramgopalによる作品とのこと。
Rolling Stone Indiaによると「freak funk group」だそうで、他の曲もリズミカルでセンス良さげな歌と演奏のバンドだ。
ゴキブリっていえば、昔コルカタの安宿のドミトリーで、バックパックにものすごく大きなゴキブリがとまってたのを見つけて、サンダルで横から引っぱたいたら、びゅーんって飛んでって、少し離れたところの欧米人のリュックにくっついた。
荷物の持ち主が連れと談笑してたので、言いだすのもなんだな、と思って様子を見てたら、しばらくして気がついて「ギャーオ!コックローチ!」て大騒ぎしてた。
ゴキブリって国籍を問わずこの扱いなんだなあと思ったものです。
記事に、この昆虫が苦手な人は見ないでね、みたいなことが書いてあったけど、インドでもゴキブリ嫌い、虫嫌いって人がいるんだなあ、としみじみ。
2. Blushing Satellite: “Who Am I?” バンガロール ロック
アイデンティティの危機をテーマにしたビデオとのことで、正直、他の国のミュージックビデオで似たようなものを見たことがあるような気がするけど、こういう「イギリスかアメリカのバンドみたいな内省的なロックのサウンドで『自分とは何者か』という問いかけを歌う文化圏」にインドも入っているのだなあ、と再びしみじみ。
3. The Local Train: “Khudi” デリー ロック
ヒンディーロックと言っているけれど、言葉がヒンディー語なだけでサウンドは英米風の爽快なロックだ。
バイクが好きで自分のバイクでいろんなところを旅したいと思っているデリバリーのアルバイトが、仕事の合間に聞いたこのバンドの音楽と、ちょっとした事故をきっかけに、仕事を投げ出して自由に走り始める、というストーリーと思われる。
曲のブレイクと映像を合わせる小技も効いている。
クオリティの高い映像はVijesh Rajanという映画監督による作品で、India Film Project Awardsのミュージックビデオ部門で‘Platinum Film of the Year 2017’ を獲得したとのこと。
4. Parekh & Singh: “Ghost” コルカタ ポップ
コルカタのバンドはこのブログ始めて以来初なのではないだろうか。とはいえ無国籍風の幻想的ポップソング。
Peacefrogっていうロンドンのレーベルと契約しているこのバンドは、すでに日本での注目もそれなりにされているようで(ごめんよおじさんこの手の音楽に詳しくなくて)、こちらのサイトに詳しい。
なるほど、アタクシ映像にも詳しくないのだけど(何にも詳しくない笑)、このビデオはウェス・アンダーソン(ロイヤル・テネンバウムズとかダージリン急行の人か!)監督へのオマージュとのこと。
Rolling Stone Indiaによるとペットの犬を失った少女がいかに悲しみを乗り越えるかというストーリーとのこと。見ていて全然気づかなかった。(最初に持ってるのが犬の首輪だったのね)
自分の理解力の無さにだんだん心配になってきた…。
5. Pakshee: “Raah Piya” デリー フュージョンロック(インド音楽とのフュージョンね)
Rolling Stoneにしては珍しくインド色の強いバンドを扱っている。
ジャズ、フュージョン風な演奏とインド古典なヴォーカルの融合、と思っていたら途中でラップも入ってきてビックリ。
二人のヴォーカルはヒンドゥスターニーとカルナーティックというインドの北と南それぞれの伝統音楽のスタイルで歌っている。
映像に関しては、きれいだけど単にいろんな自然の中で演奏してるだけなんじゃ、という気がしないでもない。
それにしてもインドのバンドは6弦ベースが好きだなあ。
ベストアルバムと同様、映像のほうも極力インド的要素(ボリウッド的に大勢で舞い踊るみたいな)を排した、欧米的アーティスティックな作品が目立つセレクトとなっている。
長くなりそうなのでまずはこのへんで!