インドで発見!日本語で歌うシンガーソングライター Drish T驚愕のサウンドトラック・メタル! Friends from Moonの壮大すぎる世界!

2021年04月18日

日本人によるヒンディー語のオリジナル・インド古典フュージョン! Hiroko & Ibex "Aatmavishwas -Believe In Yourself-"



前回の記事「日本語で歌うインド人シンガーソングライター」 Drish Tの反響が非常に大きかったのだが、今回は逆方向から同様の衝撃を与えてくれる楽曲を紹介したい。




以前、"Mystic Jounetsu"(『ミスティック情熱』)でコラボレーションしていたムンバイ在住の日本人ダンサー/シンガーHiroko Sarahとムンバイのヒップホップシーンの創成期から活動するラッパーのIbexによる新曲"Aatmavishwas -Believe In Yourself"は、なんと全編がヒンディー語で歌われている。
つまり、今回は「ヒンディー語で歌う日本人シンガーソングライター」の作品というわけだ。
さっそくミュージックビデオを見ていただこう。



前作のIbexによる日本語混じりのラップも衝撃だったが、今回はそれを上回る衝撃!
歌詞のこと、古典音楽の要素をふんだんに取り入れたアレンジのこと、ミュージックビデオのダンスや衣装のこと、気になることがありすぎる!
ということで、コロナウイルス感染者の急増により、再びロックダウン下にあるムンバイのHirokoさんに、インタビューを申し込んでみた。

Hirokoさんとは、最近では昨年11月のインドのヒップホップを紹介しまくるオンラインイベント'STRAIGHT OUTTA INDIA'で共演しているものの、インタビューは昨年5月のロックダウン中にリリースされた楽曲の特集以来。

前回のインタビューもロックダウンの真っ最中だったので、Hirokoさんに「ロックダウンを呼ぶ男」とか言われつつ(笑)、新曲の話題を中心にいろいろと話を伺った。


ー新曲の"Aatmavishwas -Believe In Yourself-"はまた新しい方向性の作品になりましたね!
制作の経緯を教えてください。

「以前からインド・フュージョンの楽曲やヒンディー語の歌の作品を制作したいと思っていたんですが、ようやく形にできました!
なんとなくインストはこんな感じにしたいというイメージがあって、そこからまずボーカルメロディーを作曲しました。実は最初はテンポがゆっくりめのIndian Fusion R&Bのつもりで作曲していたのですが、歌詞を書いたら予想外にパワフルになったので、BPMを上げてアップテンポなダンスナンバーに仕上がりました。
タブラのビートも入れることは決めていたのですが、せっかくだからインド古典音楽の要素を入れてみようと思って、こういう形になりました。
カタックダンサー(古典舞踊のひとつ。Hirokoは今年カタックダンスのB.A. 学士を取得した)としてのインド古典音楽へのリスペクトもあって、今回タブラは現代音楽風にアレンジはせず、古典要素をメインに取り入れることにしたんです」

ロックやダンスミュージックなどに古典音楽の要素を取り入れた音楽は、インドでは「フュージョン・ミュージック」と呼ばれている。
日本の伝統音楽と現代音楽の融合にも言えることだが、こうした「フュージョン」は、よほどセンスよくやらないと、逆にダサいものになってしまうというリスクを孕んでいる。
とくに、今回はダンスホール的なリズムにヒンディー語の歌とラップ、さらにはタブラのビートまで乗るという盛り沢山の作品だ。


「Ibexにはラップで参加してもらうことを最初から決めていましたが、彼のシグネチャースタイルであるダンスホールのビートを取り入れて、古典のタブラビートと合わせてアレンジしたら面白いなと考えました。
タブラの他に、シンセサイザー音源ですがインドの打弦楽器サントゥールも取り入れています。イントロや私のボーカルパートのインストに入っているこのサントゥールの美メロがお気に入りです。
サントゥール部分は、ムンバイ在住のサントゥール奏者の友人Takahiro Araiくんに聴いてもらい、アドバイスをもらいました。
アドバイスをもらったのは『ラーガ(インド古典音楽の旋律を構築するための規則)に基づいたメロディーにするべきか』というポイントで、『この曲は古典音楽ではなくフュージョンなので、ラーガを気にせず独創的にすればよいのではないか。ラーガを気にするあまり野暮ったい音楽になってしまう可能性もあるし』という結論になりました。
ボーカル、ラップ、ダンスホールのドラムビート、タブラ、サントゥール、ベースと、要素だけ見るとこれでもか!ってくらい色々入ってるんですよね。バランスにはすごく気をつけましたが、これでもか!くらいがインド的なんですよ(笑)」

それぞれのサウンドの良さを最大限に引き出しつつ、お互いがぶつからないように相当意識したそうで、ミックスやマスタリングにはかなりこだわったとのこと。
日本のサウンドエンジニアのAki Ishiyamaさんに何十回とリテイクをしてもらい、ようやくこのサウンドが完成したそうだ。

こちらはアドバイスをくれたというムンバイのTakahiro Araiさんのサントゥール演奏の映像。


インドの古典音楽や古典舞踊は一生をかけてその真髄を追求しなければならないほどに深みのあるものだが、Hirokoさん同様、現地に住んでまでその道を追求する姿勢には尊敬の念を抱かざるを得ない。
それにしても、古典のみならず、ラッパーとの共演やフュージョンにも果敢に取り組むHirokoさんのいい意味での異端っぷりは際立っている。


ーこれまではHirokoさんが日本語で歌ってIbexが英語でラップしていましたが、今回は全てヒンディー語ですよね。Hirokoさんにとってヒンディー語で歌うことは新しいチャレンジだったと思いますが、ヒンディー語での作詞やメロディーに乗せることなど、苦労した点やとくにこだわった点はありますか?

「カタックダンスの師匠とお話しする時はヒンディー語なので、 以前からプライベートレッスンでヒンディー語は学んでいました。以前ライブでボリウッドのヒンディー語ソングのカバーを歌ったことはありますが、自分で作詞したのは初めてでした。
歌詞はまず英語で作詞してから、ヒンディー語に訳しました。ヒンディー語の歌詞をリズムに乗せるのは、あまり難しくなかったです。どの言語でも、歌詞をリズムに乗せるのが楽しくて好きなんです。
こだわった点は、ラップではないけれど、歌詞のほぼ全体で韻を踏むようにしたところです。
インドの人ってたぶん韻を踏むのが好きなんだと思うのですが、インドでは、ラップ以外の歌の歌詞や詩などでも韻を踏んでいるものが多いんです。響きも綺麗ですしね。
苦労したのは発音です。
ヒンディー語は喋るのも難しいですが、メロディーとリズムに乗せながら発音まで意識するのは難しくて、毎日家で歌って録音して、それをIbexやヒンディー語の先生にチェックしてもらって、また直して、を繰り返しました。
日本語だとわりと柔軟性があるというか、『あなた』を『あーなーたー』と歌っても違和感なく、意味が通じますよね?でも、ヒンディー語は微妙な発音の違いで意味が変わったりするので、例えば『सोचते(考える、思う)』の発音は『ソーチテ』で、リズム重視で『ソチーテ』と歌ってしまうとインドの人には違和感があるようで、そこを指摘されました。
その後、歌詞に『सोचते』が入った曲ばかり聴いて研究しました(笑)」


ーサウンドについても、タブラが大胆にフィーチャーされていて、かなり古典テイストを入れてきていますよね。とくにタブラは非常に印象的です。タブラ奏者のGauravにはどんなリクエストをしていたのでしょう?

「Gauravには、とにかく現代アレンジはせず、古典(セミクラシカル)テイストのタブラビートにしてほしいと依頼しました。
あと、基本のリズムはTeen taal(16拍子)でとお願いしました。ドラムのビートがダンスホール・スタイルで変則的に入っているので、Teen Taalの四つ打ち的リズムが合うという確信があったんです。
最初にGauravからあがってきたサンプルが、なぜかKeherwa taal(8拍子)ベースだったのですが、聴いてみたらインストのドラムのビートと似ていて、多分合わせてくれたんだろうなぁと思ったのですが、それだとタブラのビートがかき消されてしまうので、そこはTeen taalにしてとお願いしました。
あと、Ibexのラップがパワフルなので、そこからのトランジションにパワフルなタブラパターンを入れてもらいました。
また、一番のこだわりはイントロのTihaiと、中盤のタブラソロとBolです。ここは思いっきり古典の雰囲気を出して、ミュージックビデオでは私もカタックダンスを踊ろうと考えました」


タブラ奏者はGaurav Chowdhary.
Hirokoさんの『負けないで』のカバーにも参加していたものの、本格的なフュージョン作品への参加は今回が初めてだったという。
低音を支えるダンスホール・レゲエのビートと、高音域を中心に細かいリズムを刻むタブラの音色の立体的な融合がこの曲を際立たせている。

'Tihai'と'Bol'については、少し説明が必要だろう。
Tihaiというのは、北インド古典音楽のリズムのキメの部分で使われる技法で、恥ずかしながら何度聞いてもよく理解できないのだが(なんとなくは分かる)、Hirokoさんいわく「Tihai(ティハイ)は北インド古典音楽で、あるひとまとまりの完結を表すもので、同じコンポジションを三回繰り返してから、サム(一拍目)で終わるもの」とのこと。
「このページの解説がわかりやすくて面白い」とHirokoさんにこのリンクを紹介してもらったのだが、分かったような、分からないような…。
 

'Bol'とは、タブラで用いられる「口で発するリズム」のこと("Aatmavishwas"では2:20からの部分で取り入れられている)。
タブラの音色は全て、'Dha'とか'Na'とか'Tin'といった声で表現することができる。
タブラ奏者は師匠から口頭でリズムを教わって修行し、自分の叩くリズムを全て声でも表現することができるのだ。
Bolで表現したリズムをその通りにタブラで叩くパートはタブラ演奏の見せ場のひとつで、この曲のソロはまさにそうした構成になっている。

タブラとの共演について、ラッパーのIbexに聞いてみた。

ータブラのビートに乗せたラップのフロウがすごくナチュラルに聞こえますが、特に気をつけたとこはありますか?

「そうだな、この(ダンスホールの)スタイルは俺のオリジナルなラップ・フロウで、自分の感覚や気持ちをリリックといっしょにビートに乗せるようにしている。この曲でも同じように、俺のフロウが自分のシグネチャー・スタイルである(ダンスホールの)ビートにばっちりはまったんだ」

ーインドにはダンスホールっぽいフロウでラップするラッパーはほとんどいないと思うのですが、ヒンディー語でダンスホールっぽくラップするのは難しいのでしょうか?

「ダンスホールには独特のヴァイブがあって、インドで次に来る流行になるだろうね。俺はショーン・ポールとかスノーみたいなアーティストを聴いてラップを始めたから、ダンスホール・フロウは自然と出てくるんだ。でもダンスホールやレゲエのフレイヴァーに合わせてヒンディーでトースティング(レゲエ版のラップ)をするラッパーは少ないね。
ダンスホールはヒップホップのラップのフロウに比べて、メロディーの要素が多いから、より難しいのは間違いないと思う。言葉をひねったり、工夫したりしなきゃならないから、より作るのが複雑になるんだ」

ダンスホール・レゲエやレゲトン風のビートは、アンダーグラウンドからメインストリームまで、インドのヒップホップでも広く導入されているが、Ibexの言葉の通り、ダンスホール風のフロウを披露するラッパーは意外にもほとんど見当たらない。
Ibexは2月にリリースした"Mama Sitaphal"でもヒンディー語のダンスホール・ラップを披露していて、こちらもかなりクールな仕上がり。

ヒンディー語は言葉の響きもダンスホールにばっちり合うと思うし(どちらも吉幾三っぽく聞こえるときがある)、ヒンディー・ダンスホールはこれから注目したいジャンルである。

続いて、"Aatmavishwas"アレンジについて、再びHirokoさんに聞いてみた。

ーアレンジもかなり凝っていますよね。とくに、静かなイントロから始まってリズムが入ってくるところとか、ソロでタブラのBolからラップが入ってくるところが印象に残りました。どんなふうに曲の構成を考えたのでしょう?

「ありがとうございます!私のメロディーに合わせて、インストのアレンジは日本のアレンジャー PEPE BEATSさんにお願いしましたが、私がMusic Directorとして曲全体の構成を考えました。
まず私のボーカルパート(メインコーラス、ヴァース、ブリッジ)のメロディーを完成し、その後にIbexラップパートを入れ、メリハリをつけるため間にBolとタブラソロ、という感じに構成していきました。タブラ奏者のBolとラップは似ているところもあって、掛け合いは絶対面白いなと思ったので、Bol→タブラソロ→ラップという流れにしました。
静かなサントゥールのイントロから始まって、アップテンポになるところもこだわりましたね。
また、イントロに入っているタブラのTihaiですが、カタックダンスでも曲の最初にあのようにTihaiが入るんです。
インド古典音楽や舞踊界隈の方なら『おっ』と思っていただけるかも」
 
 
ー歌詞の内容についても教えてください。訳を読む限り、かなりポジティブなメッセージですね。

「タイトルの"आत्मविश्वास Aatmavishwas"は'self confidence (自信)'という意味のヒンディー語で、 歌詞は私とIbexの実生活での経験を紡いだものです。
人生で似たような経験をした人や困難な状況にある人達に勇気を与えるパワフルな歌詞になっています。
  
'自分を信じて。
自信をもって、あなたのままでいて。
あいつらが何を言おうがどう思おうが気にしないで。
誰もあなたに強制はできない。
誰もあなたを変えられない。
だってあなたはパーフェクトだから'
(※メインコーラスとヴァース部分より)

実はこの歌詞を書いた時、私はとある人から精神的ハラスメントを受けていて、ストレスから身体を壊して自宅で二週間くらい寝込んでいたんです。
だいぶ身体が回復してきた頃に、いきなりぱーっと歌詞が降ってきて一気に書き上げました。
書き上げたら気分がスッキリして、前へ進むぞー('आगे बढ़ो Move ahead'. このフレーズはこの曲のリリックでも使われている)という気持ちになり、そこからはストレスも無くなっていきました。
私が歌詞を書く時は、なぜか気分が落ちていたり大変な出来事があった時が多くて(笑)、ネガティブな感情を昇華して歌詞を書く感じなんです。」


YouTubeの字幕をONにすると、日本語や英語でも字幕を見ることができるので、ぜひ映像やメロディーといっしょに歌詞も味わってみてほしい。
歌詞はこのサイトでも翻訳つきで読むことができる(https://genius.com/Hiroko-and-ibex-aatmavishwas-believe-in-yourself-lyrics)。
Ibexに、ラップのパートについても聞いてみた。

「この曲は俺たちが2人とも、本当にストレスの多いときに書いたものなんだ。俺はロックダウンの最中にこのリリックを書いた。世界中が最悪の時を過ごしていて、俺は本当に自由になりたかったし、心を開いて自分自身を取り戻す必要があった。この歌詞を書くプロセスを通して、音楽がポジティブさと希望をもたらしてくれたんだ。
このリリックを純粋な形で引き出してくるのは大変だったよ」


サウンドだけでなく、ミュージックビデオもインドらしさを感じさせつつも、非常にクールに仕上がっている。
映像へのこだわりについてHirokoさんに聞いてみた。

ー『ミスティック情熱』のときは、日本のポップカルチャーを想起させるような映像が多かったですが、今回はインドの伝統的な要素が目立ちます。映像で意識したことを教えてください。

「楽曲がインド古典の要素を取り入れていたので、映像もインドの伝統的な雰囲気を入れたいと思いました。
ただ、古典の雰囲気だけではなく、Ibexのラップパートのダンスホール・フレイヴァーや、カタックの衣装から現代風な衣装までの七変化など『どんな私も私だよ!だからありのままを見てね』というコンセプトのもと、色々なイメージの映像を入れつつ、全体的にはまとまった映像作品にすることを意識しました。
北インド風なロケーションが多いですが、実はムンバイのみで撮影しています」

ミュージックビデオで踊っているのは、Ibexの"Mama Sitaphal"にも参加しているムンバイのダンスホール・ダンサーSanikaとAditi.
二人ともダンスホールをルーツに持つダンサーだが、Sanikaは南インドの古典舞踊バラタナティヤムも学んでいるそうで、Ibexのラップ・パートではダンスホール、Hirokoさんのヴォーカル・パートではセミクラシカルと、多彩なダンスを見せてくれている。
カタックダンスのパートはHiroko、ダンスホールのパートはSanika, セミクラシカルのパートはHirokoとSanikaの共作によって振付が行われたという。


ーダンスと音楽や歌詞との関係について教えてください。

「イントロやタブラソロでタブラと一緒に踊っているのは、ピュア・カタックダンスです。
ミュージックビデオのイントロで入っているグングルー(足につける鈴)の音は、撮影中踊っていた私の本物のグングルーの音なんですよ。
また、歌の前半私のヴァースで私と二人のダンサーが踊っているのは、古き良きボリウッド映画のようなセミクラシカル・スタイルのダンスです。
古典舞踊のムドラー(象徴的な手の形やしぐさ)を取り入れつつ、アレンジした振付になっています。
例えば、
『क्योंकि आप एकदम सही हो
(Because you are perfect)
(だってあなたはパーフェクトだから)  』
という部分は、カタックダンスのアビナヤ(表示的な意味を持つ舞踊。詳しくはExcite辞書「インド舞踊」参照。https://www.excite.co.jp/dictionary/ency/content/インド舞踊/)でも使っているムーブメントを取り入れました。
このミュージックビデオでは、シンガーである私とダンサーである私のそれぞれの個性を最大限に活かすことができました」 

リリック同様に、ダンスも古典的なものと現代的なものが有機的に融合しながらそれぞれが意味を持ち、強いメッセージを発信しているのだ。
その撮影はかなりハードなものだった。
 
「撮影はムンバイの自宅から車で約3時間半の郊外にあるセットで行い、朝10時に自宅を出発して午後2時から撮影開始、夜9時半すぎまで撮影しました。その後、ハイウェイ沿いのDhaba(ロードサイドのレストラン)で皆で遅いディナーを食べて、帰宅は深夜2時半でした。
ハードスケジュールでしたが、とっても楽しかったです。
チームの皆のサポートのおかげで、撮影はスムーズに行うことができました。
特に、D.O.P.(撮影監督)のMohitとBTSフォト撮影担当のAkashは休む間もなくずっと撮影してくれていたので、かなり疲れたと思います。ちなみにフォトグラファーのAkashは、インドのラッパー Emiway BantaiやKR$NAのミュージックビデオ撮影にもいつも同行しているんですよ。
撮影日が二週間ずれていたらロックダウンで撮影できなかったので、ぎりぎり良いタイミングで撮影ができてよかったです」

完全なインディペンデントで製作されたにもかかわらず、クオリティの高い映像に驚いたが、EmiwayやKR$NAといったインドを代表する人気ラッパーのミュージックビデオの撮影にも携わるスタッフが関わっていたと聞いて納得。
それにしてもムンバイとデリーという異なる拠点を持ち、かつて激しいビーフを繰り広げていたこの2人が同じスタッフを使っているという情報にはちょっとびっくりした。



印象的な衣装にもかなりこだわったようだ。

「私の衣装は全て自前で、カタックダンスの衣装はステージで着ているものです。もともとダンサーなので衣装やインドジュエリーは色々持っているのですが、今回こだわりポイントとして、ウェスタンスタイルのジャンプスーツにインドジュエリーをコーディネートしてみました。
また、Ibexと私が一緒に登場するシーンでは、事前に打ち合わせして衣装のカラーコーディネーションをしました。
ラッパーのIbexは今回、インドの伝統的なブラッククルターに迷彩柄のスカーフでターバンを巻くという、これまでにない衣装も取り入れています。
ブラッククルターにターバンのIbexとダンスホールダンサー達のシーンはかなりクールな映像になっています。
タブラ奏者のGauravもインドの伝統的なパグリー(ターバンの一種)をかぶっており、ターバン萌えな皆様やインド映画ファンの皆様にも楽しんでいただける映像になっていると思いますよ!」


ー最後に、Hirokoさんの今後の予定を教えて下さい。

「いくつかのミュージックプロジェクトが進行中です。
Hirokoソロ(ヒンディー語)、チーム・ミスティック情熱の新曲(日本語・英語)などなど。
そして、前回の記事で紹介されていたインドで日本語で歌うシンガーソングライター Drish Tちゃんとも『コラボしたいね!』と話しています。
これからも、マルチリンガル・シンガー&ダンサーとして素敵な作品をたくさん作りたいと思います!」


すでにこの"Aatmavishwas"はインド国内のiTunesStoreのダンスミュージックチャートで2位、日本でもチャートインするなど高い評価を得ており、今後の活動にもますます期待が募る。
日本もインドもコロナウイルスが再び猛威を奮い始めており、心配は尽きないが、次回のインタビューはぜひロックダウンのない環境で行えたら…と心から願っている。




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