2019年04月09日
ただただ上質で心地よいメロディーとハーモニー! Easy Wanderlings
インドっぽいサウンドやテーマのミュージシャンを紹介することが多いこのブログだが、インドには、インドらしさの全くない無国籍でオシャレなサウンドを追求しているアーティストもたくさんいる。
しかしながら、彼らの音楽を欧米のトップミュージシャンたちと比較すると、まだまだ匹敵するクオリティーのものは少ないのもまた事実。
結果的に、インドらしさのある音楽のほうが、日本に住む我々から見るとユニークだったりかっこよかったりするので、どうしても紹介するアーティストの多くがインドっぽい要素を持つ人たちになってしまうのだ。
そんな中、今回紹介するアーティストは、インドらしさ皆無にして、同時に素晴らしく質の高いポップミュージックを作っている。
そのバンドの名前は、Easy Wanderlings.
バンドのFacebookによると、マハーラーシュトラ州の学園都市プネーを拠点に活動するドリームポップ/インディー/ソウルバンドとある。
さっそくその音楽を聴いてみよう。
彼らが2017年にリリースしたアルバム"As Written in the Stars"から、"Enjoy It While It Lasts"
どうだろう。
まるで淡い水彩画のような美しい音楽。
シンプルなようでいてじつに緻密に、必要な音が必要な場所に、過剰な主張をせずに置かれている。
同じアルバムから"Dream To Keep Us Going".
このビデオは、彼らの地元プネーで行われたNH7 Weekender Festivalのドキュメンタリーを兼ねた作りになっている。
静かなイントロから温かい音色のエレキギターのフレーズが始まり、男女のヴォーカルの掛け合いやハーモニーが続くドラマティックな構成の曲だが、聴き心地はあくまでもメロウでソフト。
音が余計な邪魔をしない、居心地の良いカフェのような音楽だ。
彼らは、自分たちの音楽を「1日の仕事を終えた後のような、日曜日にのんびりと窓の外を眺めているような、あるいは真夜中の散歩をしているときのような気分を作るもの」と語っているが、まさにそんな時間に聴くのにぴったりのすばらしいサウンドだ。
私も最近は、帰りに一駅分夜道を歩きながら聴いたり、車窓の風景をぼんやりと眺めながら聴いたりしているが、そうすると日常を流れる時間の心地よさがぐっと増すような、そんな不思議な魅力が彼らの音楽にはある。
Easy Wanderlingsの音楽を紹介する記事には、ソウルフル、ドリーミー、ソフト、ポップといった言葉が並ぶ。
彼らの音楽はインドでも高い評価を得ていて、まだ活動開始後間もないにも関わらず、VIMA Music AwardsのChill Song of the Yearや、Beehype Magazineの2017年ベストアルバムなど、数々の賞を受賞している。
この叙情的でありながらも押し付けがましさの全くない音楽には、 彼らの独特の哲学が反映されているようだ。
彼らは「音楽こそが主役であり、表現者が注目を集めるべきではない」という思想のもとに活動しているらしく、その哲学に関しては、Facebookのページにもメンバー名すら載せていないほどの徹底ぶりだ。
(同じようなコンセプトに基づいて作られた名盤といえば、イギリスのロックバンドTravisが2001年に発表した"Invisible Band"を思い出す。Travisのほうがサウンドはよりロックだが、聴き心地の良さの質感はEasy Wanderlingsともよく似ているように思う)
そんな彼らなので、ウェブ上で得られた情報は非常に少なかったのだが、どうやらEasy Wanderlingsはフルートやバイオリンを含めた8人組のバンドのようだ。
彼らは2015年にサンフランシスコでギターのSanyanthとベースのMalayによって結成され、現在はプネーを拠点に活動を続けているらしい。
ただ、コロンビアのボゴタに滞在していた時に作った曲や、海外を拠点にしているメンバーもいるという情報もあり、単にインドのバンドという一言では片付けられない一面もある。
そのボゴタで作ったという曲。
個人的であると同時に共感を覚えることができる歌詞は、彼らのサウンド同様に、エモーショナルだが、やわらかく、あたたかい。
さらにはアコーディオンの音色が印象的なこんな曲もある。
バラエティーに富んだ上質なポップミュージックを生み出すEasy Wanderingsとは、いったいどんなグループなのか。
彼らの結成の経緯について、音楽の秘密について、現在の活動について、メールでバンドの創設者Sanyanthに聞いてみた。
凡平「サンフランシスコでSanyanthとMalayでバンドを結成したと聞いたんですが、どんなふうに音楽を始めたんですか?」
Sanyanth「僕がサンフランシスコで社会起業論(social entrepreneurship)の修士課程にいた頃、Malayはインドにいて、Satyajit Ray Film and Television Instituteで音響を学んでいたんだ。その頃はミュージシャンになるつもりなんてなかったんだけど、サンフランシスコにいた最後の数ヶ月に、ちょっと曲を書いてみようかなと思って試してみた。そうしたらルームメイトがその曲を聴いて、これはリリースすべきだって言ったんだ。それからインドに戻って、ずっと親友だったMalayに会ったら、彼はこの曲を僕たちでレコーディングして世に出すべきだって言った。そういうわけで2015年の中頃にEasy Wanderlingsを結成したんだ。彼は僕にシンガーのPratika(女性ヴォーカル)を紹介してくれて、別の友達を通して他のメンバーもみんな集まって、音楽を作ってゆくことになったんだよ」
凡平「Easy Wanderlingsはバンドというよりも、理想の音楽を演奏するためのプロジェクトに近いと書かれている記事を読んだのですが、あなたたちは固定メンバーで活動するバンドですか、それともプロジェクト的なものですか?」
Sanyanth「はっきりとバンドだと言えるよ。ここ3年の間、メンバーは増え続けていて、今は8人の放浪者たちがいるんだ(註:Sanyanthはメンバーのことを「放浪者たち(wanderlings)」と呼んでいる)彼らは他のプロジェクトもやっているから、全員でパフォーマンスできないこともあるけど、できるだけ8人でステージに立てるようにしてる。たまには他のミュージシャンや友達とステージで共演することもあるよ。
これが今のメンバー8人だ。
凡平「ずいぶんいろんなタイプの曲を書いていますが、曲作りはどうやって?」
Sanyanth「単に人生経験をもとに曲を書いているんだ。会話したこととか、見たこととか。人生にはいろんなことがあるから、僕たちはいつもいろんなことを話しているし、音楽的にも特定の雰囲気にこだわるつもりはない。曲作りのプロセスは、だいたい僕が作曲して歌詞を書いて、それから残りの放浪者たちで演奏するんだ。みんなからのフィードバックをもとに、メンバーといっしょにいい感じになるまで一音づつ作っていくんだよ。
曲作りのインスピレーションは、注意を払ってさえいればどこにでもある。それは心の中でどう感じるかということとも関係がある。人生に夢中になって、興味のあることや好きなことをすればするほど、想像力を刺激する新鮮な気持ちでいられるよ。」
凡平「コロンビアのボゴタにいたと伺いましたが」
Sanyanth「うん。ボゴタには友達を訪ねに行ったんだ。それからしばらく学校で社会革新(social innovation)について教えたり、社会起業家と働いたりしていたよ」
凡平「プネー、チェンナイ、コペンハーゲン、バレンシアにも仲間がいると伺いました。今も演奏するために世界中から集まってくるのですか?」
Sanyanth「コペンハーゲンの友人Vilhelm Juhlerがプネーで学んでいた時に、一緒にステージに立ったり、アルバムで演奏してもらったりしたよ。キーボードのNitin MuralikrishnaはバレンシアのBerlkee College of Musicで音楽制作、テクノロジー、イノベーションの修士号を取ったんだ。アルバムをレコーディングのときは、彼のパートはそこでレコーディングして送ってもらったんだよ。今は彼はインドに戻ってきて、プネーのGrey Spark Audioっていうスタジオでチーフエンジニアとして働いている。面白いミュージシャンに出会ったら、いつも一緒にやってみて、彼らがテーブルに何をもたらすことができるのか、そしてそれが音楽にどんなスパイスを加えてくれるか試してみるんだ。本当にわくわくするよ。
僕たちはアートワークのためにも多くのアーティストとコラボレーションをしている。それから#iwandereasyっていう楽しみも始めた。インスタグラムで僕らとみんなのお気に入りのふらっとでかけている(wander)時間を共有するために、世界中の人たちに呼びかけているんだ。僕らのファンが送ってくれる美しい場所やすばらしい瞬間を見るのはすごく素敵なことだよ。」
(その様子は彼らのウェブサイトhttps://easywanderlings.com/%23iwandereasyで見ることができる)
凡平「アーティストではなく、音楽そのものにフォーカスする姿勢だそうですね。でも、あなたたちの美しい音楽を聴いたら、どんな人が作っているのか気になってしまうと思うんです」
Sanyanth「僕たちが音楽に焦点をあてたかったのは、みんなに音楽の質について判断してもらうべきだと考えたからなんだ。僕らのことがもっと知りたかったら、いつでもメールをくれたりライブを見にきたりして構わないよ。
日本にも近いうちに演奏しに行けたらいいなあ。ぜひバンドと一緒に行ってみたい国のひとつなんだよ。」
自分たちの存在よりも音楽そのものを重視する彼らは、決して頑固なわけではなく、純粋に音楽を大事にするアーティストたちだった。
彼らの音楽同様に興味深いのはそのバックグラウンドだ。
南アジア系の人々が海外で欧米の文化を取り入れ、グローバルなネットワークで作り出した音楽といえば、90年代には自身のルーツに根ざしたバングラ・ビートやエイジアン・アンダーグラウンドがあった。
それが2010年代も後半になると、インドのグローバル化を反映するかのように、インドのルーツから遠く離れた、こうした普遍的で非常に質の高いポップミュージックまでもが生み出されるようになったというわけだ。
個人的な感想だが、今はインディペンデントシーンで活動している彼らだが、その美しく映像的な音楽は、近年の垢抜けた作風のインド映画にもぴったりだと思う。
しかしながら、彼らの音楽を欧米のトップミュージシャンたちと比較すると、まだまだ匹敵するクオリティーのものは少ないのもまた事実。
結果的に、インドらしさのある音楽のほうが、日本に住む我々から見るとユニークだったりかっこよかったりするので、どうしても紹介するアーティストの多くがインドっぽい要素を持つ人たちになってしまうのだ。
そんな中、今回紹介するアーティストは、インドらしさ皆無にして、同時に素晴らしく質の高いポップミュージックを作っている。
そのバンドの名前は、Easy Wanderlings.
バンドのFacebookによると、マハーラーシュトラ州の学園都市プネーを拠点に活動するドリームポップ/インディー/ソウルバンドとある。
さっそくその音楽を聴いてみよう。
彼らが2017年にリリースしたアルバム"As Written in the Stars"から、"Enjoy It While It Lasts"
どうだろう。
まるで淡い水彩画のような美しい音楽。
シンプルなようでいてじつに緻密に、必要な音が必要な場所に、過剰な主張をせずに置かれている。
同じアルバムから"Dream To Keep Us Going".
このビデオは、彼らの地元プネーで行われたNH7 Weekender Festivalのドキュメンタリーを兼ねた作りになっている。
静かなイントロから温かい音色のエレキギターのフレーズが始まり、男女のヴォーカルの掛け合いやハーモニーが続くドラマティックな構成の曲だが、聴き心地はあくまでもメロウでソフト。
音が余計な邪魔をしない、居心地の良いカフェのような音楽だ。
彼らは、自分たちの音楽を「1日の仕事を終えた後のような、日曜日にのんびりと窓の外を眺めているような、あるいは真夜中の散歩をしているときのような気分を作るもの」と語っているが、まさにそんな時間に聴くのにぴったりのすばらしいサウンドだ。
私も最近は、帰りに一駅分夜道を歩きながら聴いたり、車窓の風景をぼんやりと眺めながら聴いたりしているが、そうすると日常を流れる時間の心地よさがぐっと増すような、そんな不思議な魅力が彼らの音楽にはある。
Easy Wanderlingsの音楽を紹介する記事には、ソウルフル、ドリーミー、ソフト、ポップといった言葉が並ぶ。
彼らの音楽はインドでも高い評価を得ていて、まだ活動開始後間もないにも関わらず、VIMA Music AwardsのChill Song of the Yearや、Beehype Magazineの2017年ベストアルバムなど、数々の賞を受賞している。
この叙情的でありながらも押し付けがましさの全くない音楽には、 彼らの独特の哲学が反映されているようだ。
彼らは「音楽こそが主役であり、表現者が注目を集めるべきではない」という思想のもとに活動しているらしく、その哲学に関しては、Facebookのページにもメンバー名すら載せていないほどの徹底ぶりだ。
(同じようなコンセプトに基づいて作られた名盤といえば、イギリスのロックバンドTravisが2001年に発表した"Invisible Band"を思い出す。Travisのほうがサウンドはよりロックだが、聴き心地の良さの質感はEasy Wanderlingsともよく似ているように思う)
そんな彼らなので、ウェブ上で得られた情報は非常に少なかったのだが、どうやらEasy Wanderlingsはフルートやバイオリンを含めた8人組のバンドのようだ。
彼らは2015年にサンフランシスコでギターのSanyanthとベースのMalayによって結成され、現在はプネーを拠点に活動を続けているらしい。
ただ、コロンビアのボゴタに滞在していた時に作った曲や、海外を拠点にしているメンバーもいるという情報もあり、単にインドのバンドという一言では片付けられない一面もある。
そのボゴタで作ったという曲。
I'm 25 tomorrow, should I be worried?
明日で僕は25歳になる 僕は悩むべきなんだだろうか
明日で僕は25歳になる 僕は悩むべきなんだだろうか
Half my life is gone past, incomplete resolutions
人生の半分が過ぎても、分からないことだってまだまだある
人生の半分が過ぎても、分からないことだってまだまだある
Tired of fighting myself, it's together from now on.
自分との戦いにはもううんざりだ これからは自分と仲良くやってゆくよ
自分との戦いにはもううんざりだ これからは自分と仲良くやってゆくよ
I’m getting off this treadmill and walk the stony road.
ランニングマシンを降りて、石造りの道を歩くんだ
ランニングマシンを降りて、石造りの道を歩くんだ
個人的であると同時に共感を覚えることができる歌詞は、彼らのサウンド同様に、エモーショナルだが、やわらかく、あたたかい。
さらにはアコーディオンの音色が印象的なこんな曲もある。
バラエティーに富んだ上質なポップミュージックを生み出すEasy Wanderingsとは、いったいどんなグループなのか。
彼らの結成の経緯について、音楽の秘密について、現在の活動について、メールでバンドの創設者Sanyanthに聞いてみた。
凡平「サンフランシスコでSanyanthとMalayでバンドを結成したと聞いたんですが、どんなふうに音楽を始めたんですか?」
Sanyanth「僕がサンフランシスコで社会起業論(social entrepreneurship)の修士課程にいた頃、Malayはインドにいて、Satyajit Ray Film and Television Instituteで音響を学んでいたんだ。その頃はミュージシャンになるつもりなんてなかったんだけど、サンフランシスコにいた最後の数ヶ月に、ちょっと曲を書いてみようかなと思って試してみた。そうしたらルームメイトがその曲を聴いて、これはリリースすべきだって言ったんだ。それからインドに戻って、ずっと親友だったMalayに会ったら、彼はこの曲を僕たちでレコーディングして世に出すべきだって言った。そういうわけで2015年の中頃にEasy Wanderlingsを結成したんだ。彼は僕にシンガーのPratika(女性ヴォーカル)を紹介してくれて、別の友達を通して他のメンバーもみんな集まって、音楽を作ってゆくことになったんだよ」
凡平「Easy Wanderlingsはバンドというよりも、理想の音楽を演奏するためのプロジェクトに近いと書かれている記事を読んだのですが、あなたたちは固定メンバーで活動するバンドですか、それともプロジェクト的なものですか?」
Sanyanth「はっきりとバンドだと言えるよ。ここ3年の間、メンバーは増え続けていて、今は8人の放浪者たちがいるんだ(註:Sanyanthはメンバーのことを「放浪者たち(wanderlings)」と呼んでいる)彼らは他のプロジェクトもやっているから、全員でパフォーマンスできないこともあるけど、できるだけ8人でステージに立てるようにしてる。たまには他のミュージシャンや友達とステージで共演することもあるよ。
これが今のメンバー8人だ。
Sanyanth Naroth – Composer/ Songwriter / Vocalist
Sharad Rao - Electric Guitar / Vocalist
Malay Vadalkar - Bass
Pratika Gopinath - Female Vocalist
Nitin Muralikrishna - Keyboard
Siya Ragade - Flute
Shardul Bapat- Violin
Abraham Zachariah - Drums 」凡平「ずいぶんいろんなタイプの曲を書いていますが、曲作りはどうやって?」
Sanyanth「単に人生経験をもとに曲を書いているんだ。会話したこととか、見たこととか。人生にはいろんなことがあるから、僕たちはいつもいろんなことを話しているし、音楽的にも特定の雰囲気にこだわるつもりはない。曲作りのプロセスは、だいたい僕が作曲して歌詞を書いて、それから残りの放浪者たちで演奏するんだ。みんなからのフィードバックをもとに、メンバーといっしょにいい感じになるまで一音づつ作っていくんだよ。
曲作りのインスピレーションは、注意を払ってさえいればどこにでもある。それは心の中でどう感じるかということとも関係がある。人生に夢中になって、興味のあることや好きなことをすればするほど、想像力を刺激する新鮮な気持ちでいられるよ。」
凡平「コロンビアのボゴタにいたと伺いましたが」
Sanyanth「うん。ボゴタには友達を訪ねに行ったんだ。それからしばらく学校で社会革新(social innovation)について教えたり、社会起業家と働いたりしていたよ」
凡平「プネー、チェンナイ、コペンハーゲン、バレンシアにも仲間がいると伺いました。今も演奏するために世界中から集まってくるのですか?」
Sanyanth「コペンハーゲンの友人Vilhelm Juhlerがプネーで学んでいた時に、一緒にステージに立ったり、アルバムで演奏してもらったりしたよ。キーボードのNitin MuralikrishnaはバレンシアのBerlkee College of Musicで音楽制作、テクノロジー、イノベーションの修士号を取ったんだ。アルバムをレコーディングのときは、彼のパートはそこでレコーディングして送ってもらったんだよ。今は彼はインドに戻ってきて、プネーのGrey Spark Audioっていうスタジオでチーフエンジニアとして働いている。面白いミュージシャンに出会ったら、いつも一緒にやってみて、彼らがテーブルに何をもたらすことができるのか、そしてそれが音楽にどんなスパイスを加えてくれるか試してみるんだ。本当にわくわくするよ。
僕たちはアートワークのためにも多くのアーティストとコラボレーションをしている。それから#iwandereasyっていう楽しみも始めた。インスタグラムで僕らとみんなのお気に入りのふらっとでかけている(wander)時間を共有するために、世界中の人たちに呼びかけているんだ。僕らのファンが送ってくれる美しい場所やすばらしい瞬間を見るのはすごく素敵なことだよ。」
(その様子は彼らのウェブサイトhttps://easywanderlings.com/%23iwandereasyで見ることができる)
凡平「アーティストではなく、音楽そのものにフォーカスする姿勢だそうですね。でも、あなたたちの美しい音楽を聴いたら、どんな人が作っているのか気になってしまうと思うんです」
Sanyanth「僕たちが音楽に焦点をあてたかったのは、みんなに音楽の質について判断してもらうべきだと考えたからなんだ。僕らのことがもっと知りたかったら、いつでもメールをくれたりライブを見にきたりして構わないよ。
日本にも近いうちに演奏しに行けたらいいなあ。ぜひバンドと一緒に行ってみたい国のひとつなんだよ。」
自分たちの存在よりも音楽そのものを重視する彼らは、決して頑固なわけではなく、純粋に音楽を大事にするアーティストたちだった。
彼らの音楽同様に興味深いのはそのバックグラウンドだ。
南アジア系の人々が海外で欧米の文化を取り入れ、グローバルなネットワークで作り出した音楽といえば、90年代には自身のルーツに根ざしたバングラ・ビートやエイジアン・アンダーグラウンドがあった。
それが2010年代も後半になると、インドのグローバル化を反映するかのように、インドのルーツから遠く離れた、こうした普遍的で非常に質の高いポップミュージックまでもが生み出されるようになったというわけだ。
個人的な感想だが、今はインディペンデントシーンで活動している彼らだが、その美しく映像的な音楽は、近年の垢抜けた作風のインド映画にもぴったりだと思う。
昨今インドでは映画音楽とインディーズシーンの距離がますます縮まっており、インドのエンターテインメントのメインストリームである映画業界からのオファーが来る可能性も高いのではないだろうか。
日本でのライブもぜひ実現してもらいたい。
インドのアーティストの来日公演は、まだまだ古典音楽やコアなジャンル(昨年来日したデスメタルバンドのGutslitとか)に限られているが、もうじき彼らのようなインド産の上質なポップアーティストが日本で見られる日が来るかもしれない。
まずはフジロックあたりで呼んでくれないかな。
苗場の自然の中で彼らの音楽が聴けたらさぞ気持ちいいと思うんだけど。
インドの音楽シーンはますます豊かに、面白くなってゆくばかりだ。
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日本でのライブもぜひ実現してもらいたい。
インドのアーティストの来日公演は、まだまだ古典音楽やコアなジャンル(昨年来日したデスメタルバンドのGutslitとか)に限られているが、もうじき彼らのようなインド産の上質なポップアーティストが日本で見られる日が来るかもしれない。
まずはフジロックあたりで呼んでくれないかな。
苗場の自然の中で彼らの音楽が聴けたらさぞ気持ちいいと思うんだけど。
インドの音楽シーンはますます豊かに、面白くなってゆくばかりだ。
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「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」
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