ケララ州の良質英国風フォーク・ポップ! When Chai Met Toastケーララ州のロック・シーン特集!

2018年10月02日

インドのインディーズシーンの歴史その7 現役ベテランロックバンド、Indus Creed!

インドのインディーズシーンの歴史を紐解くこの企画、今回で7回目を迎えました。
インド独立73周年に合わせて73組が紹介されているので、残すところあと66回!
果たしてインドのインディーズシーンの歴史に何人くらいの読者が興味を持っているのか、いまひとつ分からなかったりもするのだけど、始めてしまったものはしょうがない、今回もおつきあいくださいませ。
VH1INDIAによるインドのインディー100曲

今回紹介するのはIndus Creed.
この企画の熱心な読者(いるのか?)はピンと来たと思うけど、第1回目で紹介したVan Halen風のロックソング"Top of the Rock"を演奏していたムンバイのRock Machineが1993年に改名したバンドである。
基本的に1アーティスト1曲のこのリストの中で、改名という裏技を使ってまで2曲が選ばれているということは、それだけインドのロック史で重要なバンドということなのだろう。

今回紹介する曲"Pretty Child"は、前回紹介したTalvin SinghのOK(1998年リリース)から遡ること3年、1995年にリリースされた曲だ。
さっそく聴いてみましょう。


うーん、この曲単体で聴くとどうってことのない曲だけど、少なくとも模倣っぽくは聴こえないし、Rock Machine時代の曲と比べると、後半のタブラを使ったアレンジにインドのバンドとしてのアイデンティティーが出てきているのが分かる。
歌詞も子を思う親心みたいな他愛のないものだが、あまり欧米のロックでは扱わないテーマなので、歌詞の点でもオリジナリティーが出てきたと言えるかもしれない。

同じアルバムに収録されている別の曲、"Trapped".

改名後の彼らが従来の王道ハードロック路線から距離を取っていることが分かる。
そして、ここでも「結構立派なミュージックビデオを撮っているけど、どこで放映されたのか」問題がまた引っかかる。
(MTV Indiaの放送開始は1996年10月)

正直に言うと、前回紹介した在外インド人のTalvin Singhと比較すると、今までになかったような最先端の音楽を作っているわけではないし、同時代の欧米の人気ロックバンドと比べてもこれといって特筆すべきところのない音楽かもしれない。
とはいえ、ひとつの国の音楽シーンのパイオニアとしての価値は、また別のお話。
たとえ地域限定であるにせよ、Indus Creedはインド人にとっての初めての本格的ロックバンドという唯一無二の存在として、今も人気を博しているというわけだ。
はっぴいえんどやキャロルが、世界の最先端だったわけじゃなくても伝説のバンドであり続けているのと同じように。

それでは、また!

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「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」

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