2018年07月02日
Tomorrowlandに出演するインド人EDMアーティスト! Lost StoriesとZaeden!
7月にベルギーで行われる世界最大のEDMフェスティヴァル、Tomorrowland.
今回は、世界一チケットが取りにくいとも言われるこのフェスへの出演経験のあるインド人アーティストを紹介します。
そのうちの一組はLost Stories.
2015年以来、Tommorowlandへの出演を重ねている彼らはムンバイ出身のPrayag MehtaとRishab Joshiの2人組で、2009年にキャリアを開始してすぐにオランダの超有名DJ、TiëstoのレーベルBlack Hole Recordingsからシングル"False Promises"をリリースしている。
これがその曲。
今聴くと少し古さを感じる楽曲だが(プログレッシブ・トランス?)、なによりもまずインドらしさが全くないことに驚かされる。この曲は、インド人アーティストによる初の国際的な評価を受けたダンスミュージックとしてエポックメイキングなものだったとのこと。
要所要所で聞かれるきらびやかな旋律は、むしろレーベルの故郷であるオランダ色を感じさせるものだ。
古くは60年代Ravi Shankar、90年代以降もバングラ・ビートの一時的なブームやA.R.Rahmanなど、インドの音楽が世界的な評価を得ることはたびたびあった。
でもそのいずれもが、「インドらしさ」を特徴とした、西洋から見るとエキゾ趣味的なものであったことは否めない。
ところが彼の音楽は、音だけを聴いていたらヨーロッパのアーティストだとしか思えないサウンドだ。
インドでもついにこういう音が作られるようになったかと思うと、うれしいようなさみしいような複雑な気持ちになる(とはいえ、その後もインド国内でインド要素盛りだくさんの面白い音楽が多く作られていることはいつも紹介している通り)。
他の曲は例えばこんな感じ。
"How You Like Me Now"
この曲に関して言えば、ビデオを見続けているとだんだん何がかっこよくて何がかっこ悪いのか、よく分からなくなってくる。
たぶん80年代のB級SFがモチーフなんだと思うが、この微妙な感じを遊び心やダサかっこ良さとして前向きに捉えて良いものなんだろうか。クラブミュージックに詳しい人教えて。
最近の曲では、ブラジル的なリズム?なんかも取り入れてきて、あいかわらずのインド離れっぷり。
"Spread the Fire"
いかに無国籍なサウンドで勝負してきたとはいえ、ダンスミュージックの世界では、ときにインド出身であるということは「売り」にもなる。
イスラエル人とベルギー人によるユニット、Jetfireとの共演曲では満を持してのインド要素炸裂!
その名も"India"!
90年代にアンダーグラウンドなレイヴシーンを席巻した、インド要素をサイケ風味の一部として取り入れていたゴアトランスの現代版といったところだろうか。
まあとにかく、彼の音楽性はインドのインディーミュージックの文脈で捉えるだけでは不十分で、多国籍かつ無国籍な享楽電子音楽の中の一アーティストとして評価するべきものなんだろう。
国籍やバックグラウンドにとらわれずに、単純に心地よいダンスミュージックとして消費するのがこういう音楽の本来の聴き方なのだと思う。
Tomorrowlandへの出演経験があるもう一人のインド人アーティストはZaeden.
彼はデリー近郊の成長著しい都市、グルガオン出身のDJで、なんと1995年出身の22歳という若さ!
幼い頃からタブラとピアノを習い、14歳からDJを始めたという、まさに新しい世代のインド人ミュージシャンだ。
彼もまた本場オランダのEDM系レーベル、Spinnin' Recordsと契約を結んでおり、早くも2015年にはTommorowlandへの出演を果たしている。
ヴォーカリストをフィーチャーした曲や、コラボレーションやリミックスでの仕事が多く、この曲はアメリカ出身の人気DJ、Borgeousとの共作。
"Yesterday"
Coldplayの"Magic"のリミックス。
Cimo Frankelなるオランダ人シンガーとの共演"City of the Lonely Hearts"
アゲすぎないディープ・ハウス的とも言える音楽性にまたインドらしからぬものを感じる。
Ankit Tiwariというインド人シンガーの曲のプロデュース、"Tere Jaane Se"
ヒンディー語のタイトルを含めて、オールインディア体制でこういう音楽を作るようになったかと思うと、90年代からインドを知っている身としてはとても感慨深い。
今後、インドらしさという武器なしで、国際的なマーケットで評価を受けるこうした新世代のアーティストは今後ますます増えてくるだろう。
この規模のイベントががんがんに盛り上がっているところを見ると、インドのEDMシーン、まだまだ勢いを増していきそうな予感。
彼らが今後もこのままの路線で世界的な評価を高めて行くのか、どこかでルーツに戻ってインド的な要素を取り入れて行くのか、これからも注目していきたいと思います!
今回は、世界一チケットが取りにくいとも言われるこのフェスへの出演経験のあるインド人アーティストを紹介します。
そのうちの一組はLost Stories.
2015年以来、Tommorowlandへの出演を重ねている彼らはムンバイ出身のPrayag MehtaとRishab Joshiの2人組で、2009年にキャリアを開始してすぐにオランダの超有名DJ、TiëstoのレーベルBlack Hole Recordingsからシングル"False Promises"をリリースしている。
これがその曲。
今聴くと少し古さを感じる楽曲だが(プログレッシブ・トランス?)、なによりもまずインドらしさが全くないことに驚かされる。この曲は、インド人アーティストによる初の国際的な評価を受けたダンスミュージックとしてエポックメイキングなものだったとのこと。
要所要所で聞かれるきらびやかな旋律は、むしろレーベルの故郷であるオランダ色を感じさせるものだ。
古くは60年代Ravi Shankar、90年代以降もバングラ・ビートの一時的なブームやA.R.Rahmanなど、インドの音楽が世界的な評価を得ることはたびたびあった。
でもそのいずれもが、「インドらしさ」を特徴とした、西洋から見るとエキゾ趣味的なものであったことは否めない。
ところが彼の音楽は、音だけを聴いていたらヨーロッパのアーティストだとしか思えないサウンドだ。
インドでもついにこういう音が作られるようになったかと思うと、うれしいようなさみしいような複雑な気持ちになる(とはいえ、その後もインド国内でインド要素盛りだくさんの面白い音楽が多く作られていることはいつも紹介している通り)。
他の曲は例えばこんな感じ。
"How You Like Me Now"
この曲に関して言えば、ビデオを見続けているとだんだん何がかっこよくて何がかっこ悪いのか、よく分からなくなってくる。
たぶん80年代のB級SFがモチーフなんだと思うが、この微妙な感じを遊び心やダサかっこ良さとして前向きに捉えて良いものなんだろうか。クラブミュージックに詳しい人教えて。
最近の曲では、ブラジル的なリズム?なんかも取り入れてきて、あいかわらずのインド離れっぷり。
"Spread the Fire"
いかに無国籍なサウンドで勝負してきたとはいえ、ダンスミュージックの世界では、ときにインド出身であるということは「売り」にもなる。
イスラエル人とベルギー人によるユニット、Jetfireとの共演曲では満を持してのインド要素炸裂!
その名も"India"!
90年代にアンダーグラウンドなレイヴシーンを席巻した、インド要素をサイケ風味の一部として取り入れていたゴアトランスの現代版といったところだろうか。
まあとにかく、彼の音楽性はインドのインディーミュージックの文脈で捉えるだけでは不十分で、多国籍かつ無国籍な享楽電子音楽の中の一アーティストとして評価するべきものなんだろう。
国籍やバックグラウンドにとらわれずに、単純に心地よいダンスミュージックとして消費するのがこういう音楽の本来の聴き方なのだと思う。
Tomorrowlandへの出演経験があるもう一人のインド人アーティストはZaeden.
彼はデリー近郊の成長著しい都市、グルガオン出身のDJで、なんと1995年出身の22歳という若さ!
幼い頃からタブラとピアノを習い、14歳からDJを始めたという、まさに新しい世代のインド人ミュージシャンだ。
彼もまた本場オランダのEDM系レーベル、Spinnin' Recordsと契約を結んでおり、早くも2015年にはTommorowlandへの出演を果たしている。
ヴォーカリストをフィーチャーした曲や、コラボレーションやリミックスでの仕事が多く、この曲はアメリカ出身の人気DJ、Borgeousとの共作。
"Yesterday"
Coldplayの"Magic"のリミックス。
Cimo Frankelなるオランダ人シンガーとの共演"City of the Lonely Hearts"
アゲすぎないディープ・ハウス的とも言える音楽性にまたインドらしからぬものを感じる。
Ankit Tiwariというインド人シンガーの曲のプロデュース、"Tere Jaane Se"
ヒンディー語のタイトルを含めて、オールインディア体制でこういう音楽を作るようになったかと思うと、90年代からインドを知っている身としてはとても感慨深い。
今後、インドらしさという武器なしで、国際的なマーケットで評価を受けるこうした新世代のアーティストは今後ますます増えてくるだろう。
この規模のイベントががんがんに盛り上がっているところを見ると、インドのEDMシーン、まだまだ勢いを増していきそうな予感。
彼らが今後もこのままの路線で世界的な評価を高めて行くのか、どこかでルーツに戻ってインド的な要素を取り入れて行くのか、これからも注目していきたいと思います!