Holi

2021年04月03日

コロナ禍のインドでのホーリー系音楽フェス事情!

色のついた粉や水をぶっかけあう奇祭として有名なインドのホーリー。
ヒンドゥー暦11月の満月の日に行われるこのお祭りは、今年は3月28〜29日が開催日にあたっていた。


(これは2017年に制作されたホーリーの様子を紹介した動画:Get an Up-Close Look at the Colorful Holi Festival | National Geographic)

以前このブログでも紹介したように、ここ数年、都市部ではホーリーは音楽フェスと一体化し、伝統と現代が融合したいかにもインドらしいパリピ的イベントとしても祝われている。

だが、見ての通りホーリーは密な状態で色粉や色水をかけあう濃厚接触しまくりのお祭りだ。
昨年のホーリーの時期には、インドでは新型コロナウイルスによる全国的なロックダウンが行われており、さすがにこの手の音楽フェス系のイベントは軒並み中止されていた。
さて、今年。
全国的なロックダウンこそ解除されたものの、まだまだコロナウイルスが猛威を振るっているなか、当然今年も音楽フェス系のホーリーイベントは開催されないんだろうな、と思っていたのだが、私はまだまだインドを理解していなかった。

さて、フェスの話題に入る前に、今年のホーリーのインドの街の様子を見てみましょう。

ホーリーを祝うにしても、マスクをしたりフィジカルディスタンスに気を遣ったりしているのかな、と思ったら…(サムネイルの画像でオチが分っちゃうけど)。


めっちゃ密で盛り上がってるんですけど…。
日本で若者がこんな騒ぎをしようものなら、社会的袋叩きにあうこと必至だが、インドではオッサンもオバサンもみんなでこの盛り上がり。
かつて岡本太郎は、諏訪の御柱祭を見て興奮し、「木落とし」(氏子を乗せた「御柱」を3傾斜の30度の急斜面に落とすアレ)に参加しようとして、周囲に「先生、死んじゃいますよ」と止められ、「死んでもいいじゃないか、祭りだろ!」と言い返したという。
大好きなエピソードなのだが、今年のホーリーもインド人たちの「死んでもいいじゃないか、祭りだろ!」スピリットが充満していて素晴らしい。
それにこのお祭りが神妙で厳粛なものではなく、聖なる大馬鹿騒ぎだというのも素晴らしい。

インドのこの盛り上がりを見ると、良し悪しとは別の次元で、我々日本人に決定的かつ根本的に欠けている何かを突きつけられるような気がする。

というわけで、今年のインドでは、ホーリー系音楽フェスもほとんど平常運転!
(ここまで記事を書いて、アフタームービーや参加者のSNS投稿などがないかチェックしてみたところ、不思議と1件もヒットせず、もしかして土壇場で中止になった?とも思ったのだが、中止になったという報道やプレスリリースも見当たらず、ちょっと狐につままれたような状況でいる。まあとにかく、今年行われたはずの各種イベントを紹介します)

2019年まではデリーで行われていたこの手のフェスの老舗Holi Mooは、今年はインドの音楽フェスのメッカであるゴアで開催された。
HoliMoo

デリー開催のときは国内のインディーミュージック系のアーティストが主に出演していたが、今年はゴアの土地柄か、海外のトランスやトラベラー系アーティストが多く出演している。
メインアクトはインド系イギリス人タブラ奏者/電子音楽アーティストで、ボリウッド映画の音楽も手掛けたことがあるKarsh Kaleが務めたようだ。


デリーのJawaharlal Nerhu Stadiumで行われるNeon Holi Festivalは、エレクトロニック系のDJから、ローカルなバングラー、ストリートフードまで、幅広い内容を取り揃えている。

neonholifes

イベントの内容はこんな感じ。
About the Event

Neonrings India in Association with #Dewine Club and Lounge is proud to announce its 5th annual Holi Music Festival- Neon Holi Festival 2021' with a blend of Music, Art & Colors. Thousands of people, dressed in white, come together to share in music, dance, performance art and visual stimulation.

Holi is the biggest & widely celebrated festival of India. It’s a Festival of Colors, Happiness & Madness and that's what you get @Neon Holi Festival 2021

Entertainment is also a part of the Festival with day filled with electronic , commercial and Live music to be played on a massive Stage. As well as the huge range of drinks on offer, the Festival also offers the visitors the chance to enjoy some fantastic Delhi's popular delicacies, street food and snacks.


About Neon Holi Festival | Dilli ki #Safest Holi


• 1 Massive Stage | 5+ Hours of Non-stop Music | Sanitized Arenas

• Organic Colours | Water Guns

• Celebrity Guests | Celebrity DJ’s | Punjabi Artists

• Dhol Dhamaka | Bhangra Acts | Moko Jumbies

• Rain Dance

• Thandai | Holi Snacks

• COLOUR Room | Photo Booths

• Food-Stalls | Bar 

• Beautiful Holi Décor | Photo booth

• Professional video coverage of the event

• VIP lounge | Family lounge

• Media coverage

• Live Streaming in UK and Europe.


https://insider.in/neon-holi-festival-2021-mar29-2021/eventより)

めちゃくちゃ盛り沢山で面白そう。
Celebrity Guests, Celebrity DJ'sというのがどのクラスの人たちなのか気になる。
'Sanitized Arenas'とあるように、会場の消毒をしているようで、一応の感染対策をしているらしいことがうかがえる。


インドでは根強い人気を保っているトランス系のアーティストをメインに据えたイベントも多い。
「世界で3番目の規模のEDMフェスティバル」を主催するSunburnは、ホーリーに合わせてイスラエル出身のトランスデュオVini Viciのデリー、ベンガルール、ゴアの3都市ツアーを決行。
HoliViniVici


デリーで行われたHolidelic Space Walkは、ご覧の通りいかにもオールドスクールなトランス的なフライヤーのデザインだ。
ヘッドライナーはスペインのアーティストPsynonima.
HolidelicSpaceWalk

かつてビートルズが修行に訪れたヨガの聖地リシケーシュでも、トランス〜チルアウトの90年代ヒッピー系トラベラーカルチャー的なイベントが行われていたようだ。
HoliRishikesh

欧米のサブカルチャーがインドに抱いていた幻想が、一周回ってインドに根付いたわけで、これはこれで面白い文化の還流と言える。


それにしても、紀元前から行われていたと言われているホーリーが、こんなふうに現代的にアップデートされて親しまれているというのは、単純にすごい。
日本で言えば、盆踊りがクラブイベント化したり、炭坑節のEDMバージョンが作られたりしているようなものだろうか。
しかもそれが若者に大々的に受け入れられているというところに、インド文化の伝統の強さと懐の深さを感じる。(たぶん、日本人よりも圧倒的に踊ることが好きな国民性も影響しているのだろうが)

調べてみると、ホーリーを祝う音楽のダンスミュージック化は、インディーミュージックの分野にとどまらず、ボリウッド的メインストリーム・ポップスでも多くの曲がリリースされているし、宗教音楽的なものをDJがダンサブルにマッシュアップした音源も見つけることができる。
どうやらDJというカルチャーが、インド文化のあらゆる側面に浸透しているようなのだ。




こちらはボリウッド系ヒットソングのDJミックス。
タイトルに「ボリウッド」とあるが、Panjabi MCの"Mundian To Bach Ke"なども入っているので、ここでいうボリウッドは「北インド言語のヒット曲」という意味か。

なりふり構わないアゲっぷりがいかにもインドらしくて素晴らしい。


というわけで、結局最後まで今年のホーリー系音楽フェスが開催されたのかどうか分からず、もやもやする記事になってしまったが、続報分かったらまたお届けします!


過去のホーリーに関する記事:








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goshimasayama18 at 13:34|PermalinkComments(0)

2019年03月20日

今年のホーリー系フェスとホーリーソング他 インド春のフェス事情

今年もホーリー(Holi)の季節がやってきた。今年のホーリーは明日3月21日。

ホーリーとは、春の訪れを祝うインドの伝統行事で、ヒンドゥー教のヴィシュヌ神の伝説に基づいて紀元前から行われていたと言われている。(興味のある方は各自調べてください)
正確には今日20日の日没後から焚き火を囲んでの歌や祈りの儀式が始まるのだが、有名なのはなんといっても2日目に行われる、色のついた粉や水をぶっかけあうという風習だ。
この日だけは身分もカーストも気にせず、色粉や色水をぶっかけてよいということになっており、いつも以上に無秩序かつ無礼講な、無茶苦茶なお祭りなわけである。

とくにホーリーが賑わう街として知られているヴリンダーヴァン(Vrindavan)のホーリーの様子はたとえばこんな感じだ。
 
車の中に色水を思いっきりぶっかけたりしていたけど、大丈夫なんだろうか。
それにしてもさすが本場の無礼講、誰一人本気で怒る人などおらず(カメラに映っていないところではいるのかもしれないが)、笑顔で楽しんでいるのはさすがだ。
このホーリー、伝統行事とはいえ、旅行者にはハードすぎるのもまた事実。
あまりの混沌、アナーキーっぷりに、あらゆるガイドブックで旅行者に厳重な注意が呼びかけられているという、じつに過激なお祭りなのだ。

例えば「オマツリジャパン」というウェブサイトには、こんなふうに書かれている。
ホーリー祭は楽しいだけのお祭りではありません。それは本当に危険と隣り合わせですので、十分に注意してください。
一人で参加しない!圧倒的に事故・犯罪に巻き込まれる危険が高くなります。
女性はできるだけ参加しない!(痴漢、セクハラ、性暴力など悲しい事件が実際に起きています。インド人女性は絶対に大騒ぎの時間には参加しないので、もともと男性の祭りだと理解してください)
スリや犯罪に注意。貴重品は絶対に持ち歩かない。
泥酔者に注意。(普段お酒を飲まないヒンドゥー教徒が、年に一度お酒を飲む日です。当然、現地の男性は全員が酔っぱらっていると考えてください)。
捨ててもよい服で行く(色がついたら二度と取れません)。
サングラスやゴーグルで目を守る。
危険な時間帯、場所はホテルに避難。遅い時間はもちろん、参加者のテンションが上がった二日目の午後も危険です。
(「過激さ世界一!インド ホーリー祭に参加するには!?2019年は3月20日・21日!行き方や注意点を解説!」https://omatsurijapan.com/blog/holi-festival-india/

もはや普通に楽しめるのかどうかすらも分からないほどの厳重注意っぷり。
コレ、もはや怖いもの見たさか罰ゲームの領域なんじゃないだろうか。
私はインドには何度か行ったことがあるものの、幸いというかホーリーの経験はないので何とも言えないのだけど、ネットで検索すると参加した人のブログも結構ヒットするので、興味のある方は読んでみるといいかもしれない。

昨年も紹介したとおり、近年では大都市を中心に、音楽フェスとホーリーを融合したイベントもたくさん開催されていて、大いに盛り上がっている。
(昨年の記事「音楽フェス化するホーリー」

例えばニューデリーではHoli Moo, Unite Holi Music Festivalといったイベントがホーリーの日に合わせて開催されている。
holi moo lineup 2019

Holi Mooは4つのステージで100以上のアーティストが登場。
伝統音楽からEDM、レゲエ、ヒップホップまで、あらゆるジャンルが揃っている。

UniteHoli2019
Unite HoliにはEDM系のDJが出演。
その模様はこんな感じだ。
もはや伝統的なお祭りの面影はなく、パリピ感満載のイベントに。

インドのテクノ/EDM系オーガナイザーのSunburnが主催するムンバイのHoli Bashにはあの"Taki Taki"のDJ Snakeが登場!
HoliBashDJSnake

同じくムンバイのWeb Of Colorsではヒップホップ映画"Gully Boy"にもカメオ出演したアンダーグラウンド・ヒップホップシーンで人気のラッパーEmiway Bantaiと、世界的に活躍するEDMアーティストのZaedenが出演。
Web-Of-Colors

他にもHoli Reloadedとか、RangRaveとか、EDM系のホーリーフェスはデリーやムンバイなどの大都市でたくさん開かれている。

バンガロールのMaa Holiではインドのストリートヒップホップの英雄Divineが登場。
地元ムンバイじゃなくてバンガロールに出るのか。
maaholi

ホーリーって楽しそうだけど、フツーの道端で色粉、色水をぶっかけあうノリについていけるかなあ、という向きには、ダンスミュージックがガンガンにかかっているこういうホーリー系フェスに参加してみてはいかがでしょう?
音楽で盛り上がりながら色粉をぶっかけ合えば、あなたもきっと普段の自分から解放されて新しい自分にであえるはず。
そこまでしてホーリーを楽しまなくても別にいいやって人も多いかもしれないが(私もだ)、こんなふうに伝統行事にどんどん新しい要素を入れて楽しんでしまうのも、じつにインドらしい傾向だと言える。

ホーリーにあわせて音楽シーンこれだけ盛り上がっているということは、当然ホーリーをテーマにした曲もたくさんリリースされている。
インドのヒップホップシーン黎明期から活躍するKRSNAと、ニューデリー出身のパンジャビ系シンガーDeep Kalsiが昨年のホーリーシーズンにリリースした曲は、その名も"Hip Hop Holi"


こちらはShobi Sarwan Ft. PKという人たちによるトラップっぽいリズムのホーリーソング。


このRapper Nanyoo x Yz SDという人たちはどうやらチャッティースガル州の小さな街ライガール(Raigarh)のラッパーのようだが、強烈なバングラのリズムに乗せてラップ! 

全くもって垢抜けないが、それだけにインドの田舎町の若者の雰囲気がびんびん伝わってくる。

こちらはボリウッド映画のホーリーソング。
去年公開された"Genius"という映画の挿入歌。
たまたま目についたものをいくつか紹介したが、Youtube等ではホーリー向けのパーティーミックスなどがたくさんアップされているので、日本でホーリーをお祝いしたい人もチェックしてみてほしい。

ちなみにホーリー系フェスは(去年も書いたけど)インドのみならずイギリス、ドイツ、アメリカ、オーストラリアなど多くの国でも開催されている。
外国のこうしたフェスティバルは暦の上のホーリーとは関係なく開催されることも多く、例えば昨年ベルリンで行われたこの"Holi Festival of Colors"は8月24日に開催されたようだ。
 
ご覧のようにインド系の人々ではなく、ほぼ地元のパリピのみなさんで盛り上がっている様子。
日本だと、まあ場所貸してくれるところがなかなかないだろうなあ。

インドで春に行われる音楽フェスティヴァルはホーリー関連のものだけではない。
3月9〜10日にかけてムンバイ郊外のMaladの農場で行われたControl ALT Delete(CAD)は、商業主義を排してクラウドファンディングで集めた資金のみで開催されるフェスで、今年で8年めの開催となる。
ControlALTdelete
入場チケットの代金も、定価ではなく払いたいだけ払えば良いという非常に画期的なこのイベントは、出演者もジャンルを問わず先鋭的かつ純粋な音楽表現を追求しているアーティストが集まっている。
今年の出演者は、これまでこのブログで紹介した中では、北東部の女性R&BシンガーMeba Ofilia, シンガーソングライターのRaghav Meattle, Aditi Ramesh率いるLadies Compartment, ラップユニットのSwadesi, 来日経験もあるデスメタルバンドのGutslitら。

地元ムンバイのエレクトロニックデュオFlex Machinaのステージの様子はこんな感じだ。

こちらはホーリー系の大規模フェスと比べるとぐっと手作り感溢れる感じ。
とはいえこれだけ多くのアーティストを集めながら(テントを張ってキャンプして参加したアーティストもいるらしい)、とことんまでインディペンデントにこだわった姿勢は素晴らしい。
今年はクラウドファンディングで目標額の50万ルピーを大きく上回る65万ルピーを集めることに成功し、近所からの騒音のクレームもあったようだが、無事2日間の日程を終えたということのようだ。

というわけで、今回はコマーシャルからアーティスティックまで盛りだくさんのインド春のフェス事情を紹介しました!
それではまた!




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goshimasayama18 at 00:05|PermalinkComments(0)

2018年03月03日

音楽フェス化するホーリー

日本でもちょくちょく面白ニュース扱いで報道されているが、この時期、インド全土でホーリーっていう祭が行われている。
これがまたふざけた祭りで、どんなお祭りか っていうと、色のついた粉や水をひたすらぶっかけ合うっていうシロモノで、昔から観光ガイドやなんかには、この時期は外国人は出歩かないほうがいいよ(珍しがられて標的にされるから)なんてことが書かれていたもんである。

インドを旅していたのはずいぶん昔のことなので、このホーリー、なんとなく下町とか田舎のほうで盛んに行われているようなイメージでいたのだけれども、今ではすっかり様変わりし、DJやバンドが出演する、いわゆるパリピ的な人が集まる大規模なパーティーが大都市でいくつも開催されるようになった。

その模様はこんな感じ。

Holi-Festival-750x453
 
ほんとうにたくさん開催されていて、挙げていくときりがないのだが、いくつかのチラシを載せるとこんな感じで、すっかり音楽フェスといった雰囲気になっている。
 
ニューデリーのUnite Holi Music Festival.
Uniteholimusicfestivalnewdelhi

こっちはジャイプルのHoli Music Festival.
 holimusicfestivaljaipur

ムンバイのHoli Bash.
Holibashmumbai

ニューデリーのHoli Madness.
Holimadnesnewdelhi

このHoli Mooフェスティバルは、ラッパーのPrabh Deepを怒らせてキャンセルされたっていういわくつき。
holimoo
32

名前を間違えて印刷されたうえに、「2年間このフェスに出られたおかげでビッグになれたって言ってるけどタダで出てやったのに何言ってんの?失せろ、このマヌケクソ野郎。出演者のみんな、ギャラは前払いにしてもらったほうがいいぜ、まともに払ってもらえないからな」とのこと。

各フェスの模様は映像で見るとこんな感じ。




田舎っぽい伝統行事だったホーリーがこの様変わり。
調べてみたら、お前気づくの遅いよって言われそうだけど、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、南アフリカとか世界中でホーリーにインスパイアされたこの手のイベントが行われていて、インド系のみならず相当盛り上がってるみたい。

日本でも横浜とかインド系の多い葛西ではホーリーが行われているようだが、この手の大規模なフェス的なやつもそのうち入ってくるんだろうか。
会場貸してくれるとこあんまりなさそうだけど、これくらいアホになれるお祭りがあっても良いようには思うけどね。 

goshimasayama18 at 23:56|PermalinkComments(0)