海外公演

2018年05月17日

紹介したアーティストの近況!海外公演など

今までに紹介したアーティストの近況をお届けします。
ムンバイのラッパー、DIVINEはカナダのトロントで行われるDesi Festへの出演が決まった模様。
DesiFest
ヒンディー語のラッパーが海外公演というのは興味深いが、これはどうやら現地在住のインド人やインド系移民を主なターゲットとしたイベントのようだ。
過去の映像を見るとインド系でないお客さんもそれなりにいるようなので、日本でいうと代々木公園で行われている「ナマステ・インディア」とか「タイフェスティバル」みたいな要素もあるのかもしれない。
デシ・ヒップホップすなわちインド系ヒップホップは、もともと海外在住の南アジア系アーティスト(例えばパキスタン系アメリカ人のBohimia)によって勃興したムーブメント。
このイベントでも、他の出演者はカナダやアメリカ在住の南アジア系であるThe PropheC(バングラ)、Roach Killa(ヒップホップ)、Parichay(ボリウッド)、Amar Sandhu(ヒップホップ)、Haji Springer(ヒップホップ)らが中心。
ここ数年で急速に発展したインド国内のヒップホップを代表するアーティストであるDIVINEは、カナダではまだまだ「未知のアーティスト」だと思うが、その彼にオーディエンスがどんな反応を示すのか、ちょっと気になるところではある。

グジャラート州アーメダーバード出身のポストロックバンド、aswekeepsearchingは現在ヨーロッパツアー中。
aswekeepsearchingTour
こちらはドイツや東欧中心で、これはおそらくはインド系移民向けというよりも現地のポストロックファン向けのものなのではないかと思う。
ヒンディー語で歌っているバンドでも、こういう音響至上主義的なバンドの場合、海外のファンもツアーができる程にいるということなのだろう。
(実際、aswekeepsearchingはロシアのレーベルと契約している)

先日お伝えしたムンバイのデスメタルバンド、Gutslitのアジア弾丸ツアーに向けたクラウドファウンディングは遅々として進まず、$5,000に対して5月16日現在でまだ$710。
先日Facebookで「ドバイまでのチケットを買ったぜ」という報告があったが、ドバイは最初の公演地。
果たしてツアーの最後から2番目の日本へは無事たどり着けるのか。
また続報をお届けします。
日本公演に向けてぜひサポートがしたい!という方はこちらからどうぞ。
GutslitTour
ところで彼らのツアータイトルの下にある"Bobs and Vegene Edition"という謎の言葉。
これは調べてみたら、ネット上のネタにされている"Boobs and V◯◯◯◯◯"(つまり「オッパイと◯◯◯◯」)のミススペリング。
マヌケなインド人の男性たちが、SNSやネット上のニュースで女性に対して卑猥なことを言おうとして、思いっきり間違って書いてしまったものがネタにされているということらしい。
デス/グラインド系のバンドらしく悪趣味で下品なツアー名をつけたかったのだろうけど、あんまり性差別的な言葉はこのご時世マズいし、そこでちょっとアホを揶揄したようなツアータイトルにした、ってところだろうか。
予算もないのに17日間で16公演の弾丸ツアーを企画するバンドにしてはよく考えられているなあ、という気もする。

というわけで、本日はインドのミュージシャンの海外での展開の例をいくつか紹介してみました。
考えてみれば、日本のミュージシャンでも、海外在住の日本人・日系人向けに海外公演を行う演歌歌手なんかもいれば、コーネリアスとかギターウルフみたいにコアな音楽性で海外でも音楽ファンに受け入れられているアーティストもいる。
インドのアーティストも同じようなもので、一部のアーティストは人種や国境を越えて評価されるだけのクオリティーがあるということなのだろう。
最近ではBabymetalみたいに日本のガラパゴス的な音楽がそのまま海外でも人気を博す例もあるわけで、インドのミュージシャンもこれからますますグローバルな評価を受けてゆくことと思う。(というか、そうあって欲しい)
そのときに、「ああ、あのアーティストなら昔から知ってたよ」みたいな謎の優越感に、インド人たちといっしょに浸りたいものである。 

三者三様、今日紹介したそれぞれのアーティストの代表曲はこちらから。




それではまた!

goshimasayama18 at 00:09|PermalinkComments(0)