ヨシダダイキチ

2018年06月06日

タブラ奏者Arunangshu Chaudhury来日公演を観てきた!

今日は早稲田の東京コンサーツラボというところでインドのタブラ奏者アルナングシュ・チョウドリィ(Arunangshu Chaudhury)氏のコンサートを見に行ってきた。
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今回のライヴは日本人のシタール奏者、ヨシダダイキチさんと、チョウドリィ師の弟子の日本人タブラプレイヤーのキュウリくんとのトリオ編成。

いつも最近のインドの音楽のことを偉そうに書いているアタクシですが、古典音楽の知識はさっぱり。
今回はライブの前にヨシダ師によるインド古典音楽(北インドのヒンドゥスターニー音楽)の解説というのもあったのだが、要約するとこういうことらしい。

・インド音楽の根底にはインド哲学があり、それは無の境地、「サマディ(三昧)」を目指すものである。

・インドの音階とされる「ラーガ」は1オクターブが西洋音楽のような12音階ではなく、22音階に分けられる。微妙な音階は、シタールの場合、ギターのチョーキングのような音程のなめらかな変化(揺らぎ)として表される。但し、ラーガ=音階(スケール)という意味ではなく、ラーガはメロディーの規則なども含む概念である。

・インドのリズムとされる「ターラ」は、西洋音楽のように例えば「4拍子で前に進んで行く」ようなイメージのものではなく、循環する概念として考えられる。例えば16拍子だったら、16拍子の中に陰と陽があり、1〜8拍は陽、9〜12拍は陰、13〜16拍は始点に戻るためのものと捉えられたりする(正直、よくわかりませんでした)。

・そもそも音楽を言葉で表そうとすること自体に無理があり、ただ楽しめば良い。

最後のやつ以外は理解できたのかどうか甚だ疑問ではあるのだけれども、コンサート自体は素晴らしかった。
おだやかなさざなみが徐々に彩られながらリズムとメロディーの大波となって自在に形を変えてゆくアンサンブルはまるでひとつのストーリーを見ているよう。
コルカタ出身のチョウドリィ氏のタブラはファルカバード・ガラナ(流派)だそうだが(これも何やらよく分かってないけど)、激速かつ緩急自在にして千変万化なプレイは圧巻の一言だった。
三昧の境地といってもダメなサイケデリックロックみたいな独りよがりの恍惚みたいなものではなく、すべての音が完全にコントロールされた上での到達点。
3人の演奏は絶頂に至る大波(しかも毎回、形が違う)を何度も繰り返しながらノンストップで1時間近く続き、知識はなくとも楽しめば良いの言葉通り、誰もが満喫できる内容だった。

同じ3人による昨年のライブの模様がこちら。
 
たまにあるキメの部分はどれくらい事前に決まっているんだろう、とか気にならないでもないが、そういうことは考えずにただ音を楽しむべし! 
生ならともかく、映像だと静かな前半がかったるい、という方は19分あたりから聴くとよいかもしれない。
即興演奏が中心で楽器同士で会話しているかのようなセッション的な部分があったりするのはジャズ的と言えるし、一つのフレーズやリズムを様々に変化させ、音を重ねながら盛り上げてゆくさまはむしろテクノ的とも言えるかもしれない。
詳しくないジャンルのことを書いているので、語尾が「かもしれない」ばかりになっているかもしれない。
あとカタカナ表記がチョードリーじゃなくてチョウドリィなのはどうして?とか、いろいろ思わないでもないけど、まあ細かいことは気にしないで楽しむべし! 

goshimasayama18 at 23:57|PermalinkComments(0)