アイドル
2019年06月29日
DEL48, MUB48は果たしてインドで成功できるのか?
先日から報道されている通り、6月19日にニューデリーで記者会見が行われ、AKB48グループに、デリーを拠点とした'DEL48'と、ムンバイを拠点とした'MUB48'が加わることが発表された。
インドのAKB系列のグループといえば、2017年にやはりムンバイを拠点とする'MUM48'の発足が発表されていたが、ライセンス契約を結んでいた企業との契約期間が終わり、結局何もしないままプロジェクト終了となってしまったようだ。
新たな2グループを運営するのはYKBK Enterprise Private Limitedという企業。
その3BLは、加藤鷹也という日本人がチェアマンを務めており、それが今回のDEL48、MUB48のマネジメントにつながったと見られる。
私見だが、DEL48とMUB48も、3BL同様に、非常にチャレンジングな取り組みになることと思う。
プロジェクト立ち上げと同時に公開された動画がこちら。
(※2019年7月6日現在、AKBグループの活動を紹介し、DEL48への応募を募る動画は削除されてしまっていた。オーディションへのエントリー期間は7月31日までのようだが、不可解なことではある。以下に書いたような批判があったのか、それともさっそくプロジェクトが頓挫しかけているのか、はたまた予想外に応募が多く宣伝をする必要がなくなったのかは、分からない)
「会いに行けるアイドル」というコンセプト、専用劇場での公演、大規模会場でのコンサートなど、グループの活動が分かりやすくまとめられているが、この動画を見たインドの女の子たちが、これを憧れの対象として捉えるかどうかは、正直言って未知数だ。
なぜかと言うと、インドには「未成熟なものを良しとし、そこに自己を投影して応援する」という日本的なアイドルの文化が無いからだ。
これまでにAKBグループが成功を納めてきた東アジア、東南アジアの諸国は、日本的なアイドル文化や、いわゆる「カワイイ」文化がすでに浸透している国々だった(と思う)。
だが、インドは日本や東アジアとの地理的な隔たりも大きく、こうした文化への親和性は低い。
例えば、8月に日本でも公開になるボリウッド映画「シークレット・スーパースター」は、決して「超美人」タイプではない女の子が、(これまでの映画音楽のように技巧に富んだスタイルではなく)より素朴な歌い方で有名になってゆくというサクセス・ストーリーだ。
もちろん、この映画は完全なフィクションだし、映画の感動は主演のザイラー・ワーシムの高い演技力と、プレイバック・シンガーの素朴とはいえ上手い歌唱があってのことだが、インドのポピュラー音楽界で、古典音楽ベースの技巧的な歌い方でも、欧米のソウル/R&B的な歌唱でもなく、「素朴さ」を感じさせる楽曲が受け入れられてきているというのは、新しい時代の到来を感じさせられることである。
インドの友人から、お隣のバングラデシュにはちょっとアイドルっぽいこんなグループがいると教えてもらった。
どうやらオーディション番組出身の4人組で結成されたグループのようだ。
ただ、やはり日本的な要素のある「アイドル 」というよりは、やはり「ポップグループ」といったイメージか。
いずれにしても、興味の尽きないインドでの日本式アイドルの取り組み、次なるニュースが待たれるところです!
凡平自選の2018年度のおすすめ記事はこちらからどうぞ!
AKB48系列の海外のグループとしては、インドネシア、タイ、フィリピン、中国、台湾、ベトナムに続いて7カ国めの発足となる。
DEL48はインドの国旗から取ったサフラン色と白が、MUB48は同じく国旗から緑と白がイメージカラーとなるそうだ。
インドのAKB系列のグループといえば、2017年にやはりムンバイを拠点とする'MUM48'の発足が発表されていたが、ライセンス契約を結んでいた企業との契約期間が終わり、結局何もしないままプロジェクト終了となってしまったようだ。
新たな2グループを運営するのはYKBK Enterprise Private Limitedという企業。
何をしている会社なのか調べてみると、インドで2017年に発足した3x3バスケットボールのリーグ'3BL'を運営しているとのこと。
その3BLは、加藤鷹也という日本人がチェアマンを務めており、それが今回のDEL48、MUB48のマネジメントにつながったと見られる。
まずはムンバイの先に、デリーのDEL48が今年中のお披露目を目指しているそうだが、これはこの会社の拠点がデリー近郊のグルガオンであるからだろう。
それにしても、インドで3人制バスケのリーグを運営するというのは非常にチャレンジングな取り組みだ。
それにしても、インドで3人制バスケのリーグを運営するというのは非常にチャレンジングな取り組みだ。
インドは国際バスケットボール連盟(FIBA)のランキングで67位(ちなみに日本は48位)。
圧倒的な人気を誇るクリケットに比べると、バスケはかなりマイナーなスポーツである。
あるインド人作家の小説に「バスケットボールは広いスペースもいらないし、道具もいらない。もっとインドで流行ってもいいのに」というセリフがあったが、3BLもこうした「伸びしろ」の部分に注目して発足したものと思われる。
ご存知の通りバスケットボールはストリートファッションとも非常に相性の良いスポーツであり、インドでは近年、中産階級の伸長にともない、カジュアルなファッションの人気が急速に高まっている。
こうした背景も同社が3x3バスケのリーグに勝算を感じた理由なのかもしれない。
(参考「インドの音楽シーンと企業文化! 酒とダンスとスニーカー、そしてデスメタルにG-Shock!」)
3BLはインド全土12都市のチームからなる本格的なリーグだが、動画を見るとまだまだ観客は多くはないようだ。
インドに住む友人に聞いてみたが、インドにバスケットボールリーグがあったなんて全く聞いたことがなかったとのことだった。
圧倒的な人気を誇るクリケットに比べると、バスケはかなりマイナーなスポーツである。
あるインド人作家の小説に「バスケットボールは広いスペースもいらないし、道具もいらない。もっとインドで流行ってもいいのに」というセリフがあったが、3BLもこうした「伸びしろ」の部分に注目して発足したものと思われる。
ご存知の通りバスケットボールはストリートファッションとも非常に相性の良いスポーツであり、インドでは近年、中産階級の伸長にともない、カジュアルなファッションの人気が急速に高まっている。
こうした背景も同社が3x3バスケのリーグに勝算を感じた理由なのかもしれない。
(参考「インドの音楽シーンと企業文化! 酒とダンスとスニーカー、そしてデスメタルにG-Shock!」)
3BLはインド全土12都市のチームからなる本格的なリーグだが、動画を見るとまだまだ観客は多くはないようだ。
インドに住む友人に聞いてみたが、インドにバスケットボールリーグがあったなんて全く聞いたことがなかったとのことだった。
とはいえ、インドの市場規模と経済成長はバスケットボールの本場アメリカからも魅力的に映るようで、なんとNBAは2019年10月にムンバイでプレシーズンマッチの開催を決定。
確かに追い風は吹いているようだ。
話をアイドルグループに戻す。
確かに追い風は吹いているようだ。
話をアイドルグループに戻す。
私見だが、DEL48とMUB48も、3BL同様に、非常にチャレンジングな取り組みになることと思う。
プロジェクト立ち上げと同時に公開された動画がこちら。
(※2019年7月6日現在、AKBグループの活動を紹介し、DEL48への応募を募る動画は削除されてしまっていた。オーディションへのエントリー期間は7月31日までのようだが、不可解なことではある。以下に書いたような批判があったのか、それともさっそくプロジェクトが頓挫しかけているのか、はたまた予想外に応募が多く宣伝をする必要がなくなったのかは、分からない)
「会いに行けるアイドル」というコンセプト、専用劇場での公演、大規模会場でのコンサートなど、グループの活動が分かりやすくまとめられているが、この動画を見たインドの女の子たちが、これを憧れの対象として捉えるかどうかは、正直言って未知数だ。
なぜかと言うと、インドには「未成熟なものを良しとし、そこに自己を投影して応援する」という日本的なアイドルの文化が無いからだ。
これまでにAKBグループが成功を納めてきた東アジア、東南アジアの諸国は、日本的なアイドル文化や、いわゆる「カワイイ」文化がすでに浸透している国々だった(と思う)。
だが、インドは日本や東アジアとの地理的な隔たりも大きく、こうした文化への親和性は低い。
かつてイギリス領だった歴史や、公用語のひとつである英語を理解する人が多いこともあり、インドで人気があるのは、アメリカやイギリスの「プロフェッショナル」で「クール」な文化だ。
インドで日本の音楽と比べてK-Popの人気が高いのも、韓国のアイドルたちが「未成熟」や「カワイイ」よりも「プロフェッショナル」「クール」を志向しているからだろう。
実際、インドでのK-Popの認知度は、日本の音楽とは比べ物にならないほど高く、インドのSpotifyの25%はK-Popが聞かれているという報道もある。
一方、日本の音楽に関しては、コアなジャンルのマニアックなファンには認知されているものの、日本のヒットチャートを賑わすような、いわゆるJ-Popの知名度は極めて低い。
インドで日本の音楽と比べてK-Popの人気が高いのも、韓国のアイドルたちが「未成熟」や「カワイイ」よりも「プロフェッショナル」「クール」を志向しているからだろう。
実際、インドでのK-Popの認知度は、日本の音楽とは比べ物にならないほど高く、インドのSpotifyの25%はK-Popが聞かれているという報道もある。
一方、日本の音楽に関しては、コアなジャンルのマニアックなファンには認知されているものの、日本のヒットチャートを賑わすような、いわゆるJ-Popの知名度は極めて低い。
日本の文化としては、アニメや漫画はインドでもかなりポピュラーだが、音楽に関してはまだまだなのだ。
先日、珍しくRolling Stone Indiaで日本の若者文化の記事が掲載されたが、内容はアニメと漫画についてがほとんどで、わずかに紹介されているミュージシャンにも、MonstaXなど韓国のグループがいくつか混じっており、認知度の低さを感じさせられるものだった(その後、その誤りの部分は訂正されたようだが)。
数は少ないもののインドにもファンがいる日本のアイドル的グループは、私の知る限りではPerfumeとBabymetalだ。
欧米でも一定の人気を得ているこの2組は、日本的なカワイイ要素よりも、むしろプロフェッショナルなライブパフォーマンスで人気を集めているという点で共通している。
AKBの「カワイイ」一点突破型の手法は、はたしてインドでどこまで通用するのだろうか。
(参考:「インドで盛り上がるK-Pop旋風」)
日本には、伝統的に「表現力の拙さ(歌がそんなに上手くない、とか)」を「かわいさ」に置き換え、純粋さや、若さゆえの不安定な心の表現、不完全な自己の共感の対象として評価してきた文化がある。
たとえば、昔から芸者遊びの世界で、芸事の修行をひととおり終えている芸妓よりも、未成年で芸も拙いはずの舞妓が珍重されてきたのも、芸の洗練よりも「ういういしさ」が良しとされてきたからだろう。
アイドル以外でも、日本には、例えばホイットニー・ヒューストンのような圧倒的な歌の上手さを売りにした人気シンガーはほとんどいない。
先日、珍しくRolling Stone Indiaで日本の若者文化の記事が掲載されたが、内容はアニメと漫画についてがほとんどで、わずかに紹介されているミュージシャンにも、MonstaXなど韓国のグループがいくつか混じっており、認知度の低さを感じさせられるものだった(その後、その誤りの部分は訂正されたようだが)。
数は少ないもののインドにもファンがいる日本のアイドル的グループは、私の知る限りではPerfumeとBabymetalだ。
欧米でも一定の人気を得ているこの2組は、日本的なカワイイ要素よりも、むしろプロフェッショナルなライブパフォーマンスで人気を集めているという点で共通している。
AKBの「カワイイ」一点突破型の手法は、はたしてインドでどこまで通用するのだろうか。
(参考:「インドで盛り上がるK-Pop旋風」)
日本には、伝統的に「表現力の拙さ(歌がそんなに上手くない、とか)」を「かわいさ」に置き換え、純粋さや、若さゆえの不安定な心の表現、不完全な自己の共感の対象として評価してきた文化がある。
たとえば、昔から芸者遊びの世界で、芸事の修行をひととおり終えている芸妓よりも、未成年で芸も拙いはずの舞妓が珍重されてきたのも、芸の洗練よりも「ういういしさ」が良しとされてきたからだろう。
アイドル以外でも、日本には、例えばホイットニー・ヒューストンのような圧倒的な歌の上手さを売りにした人気シンガーはほとんどいない。
そこには、誰にも真似できないような高い技量よりも、共感が得やすいものが支持されるという、日本人の傾向があるように感じる。
私だって、例えば日本語で失恋の悲しみを歌うときに、8オクターブの音域を駆使して絶唱されたりしたら、「歌上手いなあ」とは思っても、感情移入して聴くことはたぶんできない。
こうした日本ならではの文化的傾向がインドにないことは明白で、プロモーション映像の「女の子たちが短いスカートをはいて、決してレベルが高くはないダンスを踊って決して上手くはない歌を歌う」というコンセプトは、インドでは好意的に受け止められず、「ロリコン的」と見られるリスクが大きい。
私だって、例えば日本語で失恋の悲しみを歌うときに、8オクターブの音域を駆使して絶唱されたりしたら、「歌上手いなあ」とは思っても、感情移入して聴くことはたぶんできない。
こうした日本ならではの文化的傾向がインドにないことは明白で、プロモーション映像の「女の子たちが短いスカートをはいて、決してレベルが高くはないダンスを踊って決して上手くはない歌を歌う」というコンセプトは、インドでは好意的に受け止められず、「ロリコン的」と見られるリスクが大きい。
性的タブーに曖昧な部分が多い日本とは異なり、インドでは未成年に「セクシー」な格好や表現をさせることは、完全にアウトである。
この部分で悪評が立ってしまうと、成功は極めて難しくなるだろう。
今回の募集の対象年齢は、12歳から20歳の、いわゆる未成年。
「アイドル」というからには、異性から疑似恋愛の対象として見られることを意識しなければならないだろうが、客観的に見て批判されうるものにならないように、かなり神経を使う必要があると思う。
プロジェクト立ち上げ後の運営にも、心配の種は尽きない。
ただでさえ自己主張と上昇志向の強いインド人の、さらに芸能人志望の女の子をこれだけ集めて、競わせながらパフォーマンスするという試みは前代未聞のはずだ。
(ボリウッド映画などでも群舞があるが、あれはスター女優とバックダンサーという明確な序列があるものだ)
ご存知のように、インドのコミュニティーは、民族、宗教、言語、カースト等によって分断されており、人種的均質性を基本とする日本や、調和を美徳とする東アジア的文化圏とは全く異なるものだ。
それに、実際のところは分からないが、フィクション作品の中では、インドの芸能界は、女性を搾取しようとする輩が跋扈し、妬みや虚栄心が渦巻く魑魅魍魎の世界として描かれていることが多い。
今回の募集の対象年齢は、12歳から20歳の、いわゆる未成年。
「アイドル」というからには、異性から疑似恋愛の対象として見られることを意識しなければならないだろうが、客観的に見て批判されうるものにならないように、かなり神経を使う必要があると思う。
プロジェクト立ち上げ後の運営にも、心配の種は尽きない。
ただでさえ自己主張と上昇志向の強いインド人の、さらに芸能人志望の女の子をこれだけ集めて、競わせながらパフォーマンスするという試みは前代未聞のはずだ。
(ボリウッド映画などでも群舞があるが、あれはスター女優とバックダンサーという明確な序列があるものだ)
ご存知のように、インドのコミュニティーは、民族、宗教、言語、カースト等によって分断されており、人種的均質性を基本とする日本や、調和を美徳とする東アジア的文化圏とは全く異なるものだ。
それに、実際のところは分からないが、フィクション作品の中では、インドの芸能界は、女性を搾取しようとする輩が跋扈し、妬みや虚栄心が渦巻く魑魅魍魎の世界として描かれていることが多い。
メンバー本人やその両親の野心や競争心を束ね、インド芸能界の海千山千のなかを漕ぎ出すプロジェクトを、果たしてうまく舵取りすることができるのだろうか。
ここまで心配ばかりを書いてきたが、もし、このプロジェクトが成功する要素があるとすれば、それは「リアリティー・ショー」的な方向性が上手くハマるかどうかだろう。
モーニング娘。以降、日本のアイドルは、「カリスマ的な魅力を持つかわいい女の子を愛でる」のではなく、「女の子たちが励まし合い、時にぶつかりあいながら挑戦し、成長するさまを感情移入しながら応援する」という新しいファンのあり方を作り上げてきた。
私が思うに、この方法論は、たとえ文化が違っても、同じように人の心を動かすことができるのではないだろうか。
ここまで心配ばかりを書いてきたが、もし、このプロジェクトが成功する要素があるとすれば、それは「リアリティー・ショー」的な方向性が上手くハマるかどうかだろう。
モーニング娘。以降、日本のアイドルは、「カリスマ的な魅力を持つかわいい女の子を愛でる」のではなく、「女の子たちが励まし合い、時にぶつかりあいながら挑戦し、成長するさまを感情移入しながら応援する」という新しいファンのあり方を作り上げてきた。
私が思うに、この方法論は、たとえ文化が違っても、同じように人の心を動かすことができるのではないだろうか。
例えば、8月に日本でも公開になるボリウッド映画「シークレット・スーパースター」は、決して「超美人」タイプではない女の子が、(これまでの映画音楽のように技巧に富んだスタイルではなく)より素朴な歌い方で有名になってゆくというサクセス・ストーリーだ。
もちろん、この映画は完全なフィクションだし、映画の感動は主演のザイラー・ワーシムの高い演技力と、プレイバック・シンガーの素朴とはいえ上手い歌唱があってのことだが、インドのポピュラー音楽界で、古典音楽ベースの技巧的な歌い方でも、欧米のソウル/R&B的な歌唱でもなく、「素朴さ」を感じさせる楽曲が受け入れられてきているというのは、新しい時代の到来を感じさせられることである。
それに、インドでは、テレビのリアリティー・ショー番組は非常に人気がある。
かつてのASAYANや韓国のProduce48のように、アイドルたちがさまざまな課題を乗り越えながら活動に取り組み、その結果として楽曲が実際にリリースされるという方法論は、インドでもかなり訴求力のあるエンターテインメントになりうると思う。
ただ、インド政府は、リアリティー・ショーで子ども達が「本来は大人が踊る、子どもには不適切なダンス」などの扇情的な表現をすることを規制する方針を打ち出したばかり。
(参考サイト:The Print.in "Govt goes after TV reality shows portraying kids in a ‘sleazy’ way"
Sputniknews.com "Indian Government Asks TV Channels to Show Children in Appropriate Context")
日本のポップカルチャーであるアイドル文化が、おかしな目で見られないような配慮が求められるのは言うまでもない。
また、そもそも彼女たちの活動をリアリティー・ショーとして成立させるには、取り扱ってくれるチャンネルが必要なわけで、現時点でインドでは海のものとも山のものとも知れない「日本発のアイドルグループ」が大手のメディアで取り上げられることは難しいだろう。
だが、もしネガティブに取られないような見せ方に最大限に配慮できるなら、そして、日本の「カワイイ」文化がインドでどのように受容されるのかという試行錯誤までをショーの一部にできるなら、この取り組みは非常に面白いものになるように思う。
ご存知のように、欧米でも「カワイイ」的なカルチャーは一定数の人気があるわけで、東アジアとも欧米とも違うインドで、「カワイイ」カルチャーをどうアレンジすれば、どのくらい人気を博すことができるのか、という取り組みは、かなり興味深い試みになりそうだ。
さまざまなコミュニティー出身の女の子たちが、ぶつかり合いながらヒットを目指してゆくストーリーも、間違いなく面白いものになるだろう。
リアリティー・ショー的な見せ方をするのであれば、当面はインターネット等の自前の媒体で発信することになるのだろうが、できればこうした文化的な相違とその克服も含めて、エンターテインメントに昇華してほしいものである。
なんだか全体的にネガティブな話が多くなってしまったが、日本の鬼才、秋元康が考え出し、東アジアで成功した方法論が、全く文化的背景の異なるインドでどこまで通じるのか、非常に興味がある。
また、ご存知のとおりインドには、それはもうこの世のものとは思えないような、女神のような美人がたくさんいる。
インド映画の群舞のように、「一人のヒロインとイケメン俳優、それにバックダンサー多数」というのではなく、美人メンバーが並んでダンスする姿というのは、さぞ壮観なことだろう。
そのなかから新しいスターが出てくるなんてこともあるかもしれない。
DEL48とMUB48のこれからの活動を見守りたい。
インドには日本的なアイドル文化が無いと書いてきたが(インドの友人も聞いたことがないと言っていた)、MTVが登場し、映画音楽以外の音楽が台頭し始めてきた90年代以降、アメリカやイギリス的なダンスポップグループというのは、何組か存在が確認されている。
これらのグループは、インドの音楽シーンに存在した数少ないアイドル的な要素があるアーティストたちだということができるだろう。
例えば、Spice Girlsあたりを参考にしたと思われるグループ'Viva!'
彼女たちは2002年から2005年にかけて活躍。
メンバーだったAnushuka Manchandaは、現在はNukaの名前でよりアーティスティックなシンガーとして活躍している。
同じ時期に活躍した男性グループ、A Band Of Boys.
こちらはBackstreet Boysあたりがモデルになっているようだ。
こうしたグループは、Indi-Popと呼ばれていたが、これは「大手資本からの独立(インディペンデント)」ではなく、「映画音楽から独立した(映画とは無関係の)ポップミュージック」という意味である。
(参考サイト:The Print.in "Govt goes after TV reality shows portraying kids in a ‘sleazy’ way"
Sputniknews.com "Indian Government Asks TV Channels to Show Children in Appropriate Context")
日本のポップカルチャーであるアイドル文化が、おかしな目で見られないような配慮が求められるのは言うまでもない。
また、そもそも彼女たちの活動をリアリティー・ショーとして成立させるには、取り扱ってくれるチャンネルが必要なわけで、現時点でインドでは海のものとも山のものとも知れない「日本発のアイドルグループ」が大手のメディアで取り上げられることは難しいだろう。
だが、もしネガティブに取られないような見せ方に最大限に配慮できるなら、そして、日本の「カワイイ」文化がインドでどのように受容されるのかという試行錯誤までをショーの一部にできるなら、この取り組みは非常に面白いものになるように思う。
ご存知のように、欧米でも「カワイイ」的なカルチャーは一定数の人気があるわけで、東アジアとも欧米とも違うインドで、「カワイイ」カルチャーをどうアレンジすれば、どのくらい人気を博すことができるのか、という取り組みは、かなり興味深い試みになりそうだ。
さまざまなコミュニティー出身の女の子たちが、ぶつかり合いながらヒットを目指してゆくストーリーも、間違いなく面白いものになるだろう。
リアリティー・ショー的な見せ方をするのであれば、当面はインターネット等の自前の媒体で発信することになるのだろうが、できればこうした文化的な相違とその克服も含めて、エンターテインメントに昇華してほしいものである。
なんだか全体的にネガティブな話が多くなってしまったが、日本の鬼才、秋元康が考え出し、東アジアで成功した方法論が、全く文化的背景の異なるインドでどこまで通じるのか、非常に興味がある。
また、ご存知のとおりインドには、それはもうこの世のものとは思えないような、女神のような美人がたくさんいる。
インド映画の群舞のように、「一人のヒロインとイケメン俳優、それにバックダンサー多数」というのではなく、美人メンバーが並んでダンスする姿というのは、さぞ壮観なことだろう。
そのなかから新しいスターが出てくるなんてこともあるかもしれない。
DEL48とMUB48のこれからの活動を見守りたい。
インドには日本的なアイドル文化が無いと書いてきたが(インドの友人も聞いたことがないと言っていた)、MTVが登場し、映画音楽以外の音楽が台頭し始めてきた90年代以降、アメリカやイギリス的なダンスポップグループというのは、何組か存在が確認されている。
これらのグループは、インドの音楽シーンに存在した数少ないアイドル的な要素があるアーティストたちだということができるだろう。
例えば、Spice Girlsあたりを参考にしたと思われるグループ'Viva!'
彼女たちは2002年から2005年にかけて活躍。
メンバーだったAnushuka Manchandaは、現在はNukaの名前でよりアーティスティックなシンガーとして活躍している。
同じ時期に活躍した男性グループ、A Band Of Boys.
こちらはBackstreet Boysあたりがモデルになっているようだ。
こうしたグループは、Indi-Popと呼ばれていたが、これは「大手資本からの独立(インディペンデント)」ではなく、「映画音楽から独立した(映画とは無関係の)ポップミュージック」という意味である。
インドの友人から、お隣のバングラデシュにはちょっとアイドルっぽいこんなグループがいると教えてもらった。
どうやらオーディション番組出身の4人組で結成されたグループのようだ。
ただ、やはり日本的な要素のある「アイドル 」というよりは、やはり「ポップグループ」といったイメージか。
いずれにしても、興味の尽きないインドでの日本式アイドルの取り組み、次なるニュースが待たれるところです!
--------------------------------------
「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」
更新情報や小ネタはTwitter, Facebookで!
凡平自選の2018年度のおすすめ記事はこちらからどうぞ!
goshimasayama18 at 17:31|Permalink│Comments(3)