インドのロック

2021年11月21日

サウスのロックバンドが相次いでアルバムをリリース! クールかつシュールなF16s


(前回の記事)


When Chai Met Toastに続いて紹介するのは、タミルナードゥ州出身のF16s.
以前から注目していたバンドだが、ここに来て充実したアルバム(というかEP)をリリースしたので、この機会に特集したい。

F16sは2012年に、チェンナイの異なるカレッジバンドのメンバーだった4人によって結成された。
影響を受けたバンドとしてThe Arctic MonkeysやThe Strokesの名前を挙げているが、彼らの近年の作風は、ストレートなロックというよりも、シティポップの現代的解釈と言えるものになってきている。

このたびリリースした"Is It Time To Eat The Rich Yet?"のオープニングトラック"I'm On Holiday"は、ポップな曲調ながらも、ヴェイパーウェイヴ的などこかシニカルな雰囲気が印象的だ。
前回紹介したWhen Chai Met Toastと同様に、目を閉じて聞けばまったくインドらしさのないサウンドだ。

 

同作収録曲の"Easy Bake Easy Wake"もセンスの良いポップソングだが、それよりもミュージックビデオのクセが強すぎる!


歌詞もシュールというかシニカルというか、独特の世界観で、サウンドとのギャップが激しい怪作。
映像監督はLendrick Kumarというふざけた名前の人物で、彼は独特のセンスのミュージックビデオをいくつも手掛けているようなので、いつかきちんと掘り下げてみたい。


タミルというと、ヒップホップ界隈では独特の郷土愛が強く感じられるアーティストが多い印象があったが、F16sに関しては、まったくタミル的な要素が見当たらないのが面白い。
 


過去作も同様で、以前インドの寿司の記事で紹介したこの"Amber"は、インターネットと自己愛がテーマのミュージックビデオ。



オシャレながらもどこか虚無感を感じさせる音楽性がどことなくデリーのPeter Cat Recording Co.を思わせるなあ、と思ったら、今回の"Is It Time To Eat The Rich Yet?"にもPCRCのメンバーが参加しているらしく、またレーベルもPCRCと同じデリーのPagal Hainaに所属している。
Pagal Hainaは渋谷系的なオシャレ音楽を中心にリリースしているレーベル。
日本で今聴いて新しく感じられる音楽ではないが、インドという国にもこういうサウンドの愛好者がいると思うと、なかなか感慨深いものがある。




PCRCのヴォーカリストSuryakant Sawhneyは、ソロではLifafa名義でバンドとは全く異なるフォークトロニカ的な楽曲を発表しているが、F16sのヴォーカリスト兼ギタリストのJosh Fernandezも、ソロ活動ではJBABE名義でストレートなロックチューンを発表している。


方法論こそ違うが、現代社会へのシニカルな目線はF16s同様。
この作品では親子の価値観の断絶や現代インドのお見合いをネタにしている。
このミュージックビデオも監督はLendrick Kumar.


今回、F16sについて書いてみて改めて感じたのは、音響的な面だけ気にして聴いていた時には優等生的なバンドかと思っていたけれど、彼らの本質はサウンドではなく、むしろそのアティテュードだということだ。
インドの豊かな伝統と、繋がりつつも分断されたインドの新しい世代の美学とシニシズムが、彼らの音楽には満ち満ちている。

これからますます変わりゆくインド社会の中で、彼らがどんな音楽を発信してゆくのか、興味は尽きない。



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goshimasayama18 at 22:40|PermalinkComments(0)

2021年11月16日

サウスのロックバンドが相次いでアルバムをリリース! When Chai Met Toast



南インドを代表する2組のポップロックバンドが、立て続けにアルバムとEPをリリースした。

まず1組目は、このブログで以前にも紹介したことがあるケーララ州のWhen Chai Met Toast.


When Chai Met Toastは2016年にコチで結成されたロックバンドで、これまでも数々の優れたフォークポップ調の楽曲を発表してきたが、10月29日に発表した"When We Feel Young"が意外にも彼らのファーストアルバムとなる。

ケーララ州は、古くからキリスト教の信仰がさかんで、教育政策に力を入れてきた州だからか(つまり英語を自由に操れる人が多い)、ロックなどの欧米のポピュラーミュージックが古くから根付いていた土地である。
今作では、彼らはEDM的な四つ打ちのビートを取り入れた曲にも挑戦しているが、やはり彼らの魅力が最も感じられるのは、どこか懐かしいフォーク風の曲である。

例えば、タイトルトラックのWhen We Feel Young.


"Ocean Tide"はバンジョーの響きに、90年代のイギリスのバンドTravisの"Sing"という曲を思い出した。(褒め言葉のつもり)


When Chai Met Toastという個性的なバンド名は、「インドが西洋に出会った時」を意味しているとのこと。
もちろん、チャイがインドを、トーストが西洋を表しているわけだが、インドの国民的な飲み物であるスパイスの入りミルクティー「チャイ」の歴史はじつはかなり新しく、広まったのはイギリス統治時代である19世紀のことだと言われている。
つまり、トーストと出会うまでもなく、チャイの中にも西洋(紅茶文化)とインド(スパイス文化)が混在しているのだ。
考えてみれば、インド料理にかかせない唐辛子(チリ)も原産は中南米で、大航海時代に海を渡ってインドに伝えられている。
インドの文化は、大昔から世界中のさまざまな文化を受け入れて発展してきたのだ。
When Chai Met Toastというバンド名は、はからずも、そうして発展してきたインド文化が、さらに新しく西洋の文化(例えば、ロックや英国フォーク)を受け入れたことを意味していると捉えることもできる。

彼らのサウンドを聴くと、「西洋の文化を導入しすぎちゃって、すっかりインド的な要素がなくなっちゃったんじゃないの?」と言いたくもなるかもしれないが、例えばこんなふうに洋楽的なメロディーを取り入れながらも、美しいヒンディー語の響きを活かした曲も演奏している。


故郷ケーララ州の言語であるマラヤーラム語ではなく、北インドを中心にインド全体に話者数の多いヒンディー語を選んだのは、やはりマーケットの規模が理由だろう。
(マラヤーラム語の話者数が3,500万人ほどなのに対し、ヒンディー語は5億人以上が話すことができる)

こちらの"Break Free"は英語とタミル語のバイリンガル。



タミル語の話者数は約7,000万人。
南インドでもっとも話者数の多い言語である。
彼らが歌詞に使う言語をどのように決めているのかは分からないが、インドのマルチリンガル・ミュージシャンの言語選択事情というのは、ちょっと気になるテーマではある。


彼らは"When We Feel Young"発表後も積極的にリリースを続けていて、このYellow Paper Daisyは、Prateek Kuhadを感じさせるキャッチーかつ切ないメロディーが素晴らしい佳曲。


冒頭に出てくるタイトルに"Yellow Paper Daisy feat. Kerala"とあるが、このKeralaとはもちろん彼らの故郷ケーララ州のこと。
フィーチャリングのあとにアーティスト名でなく地名が出てくるのは初めて見た。

ここから始まるストーリーがまた独特で、2071年のカップルが、セラピーの最後のセッションのために2016年のケーララの田舎にタイムスリップしてくるところから物語が始まる。
豊かな自然と素朴で優しい人々に触れた二人は、やがて愛情を取り戻してゆく…という、フォーキーなサウンドに似合わないSF仕立てのストーリーで、先月出演した J-WAVEの"SONAR MUSIC"でオンエアした際に、ナビゲーターのあっこゴリラさんも「このサウンドにこの映像!」とかなり面白がってくれていた。
イギリス的なフォークロックとSF的な世界観、そして故郷の大自然という相反する要素があたりまえのように融合しているのが2021年のインドのロックバンドのセンスである。
主人公の二人を演じているのは、それぞれインド北東部とチベットにルーツを持つ俳優たちで、「インドの外ではないけれど、マジョリティとは全く別」という微妙な距離感を表現するために選ばれたのだろう。


彼らはNature Tapesと称して、ケーララの自然の中でアンプラグド・スタイルで楽曲を披露する映像も公開していて、こちらもまた彼らの音楽とケーララの魅力が存分に楽しめる内容になっている。


"Yellow Paper Daisy"のロケ地はケーララ特有の汽水地帯に位置するMunroe Island.


"Ocean Tide"のロケ地は美しい海辺の街Varkalaだ。

気軽に旅に出られるようになるにはもうしばらくかかりそうだが、このNature Tapesは、そんな日々の中でちょっとした非日常が感じられるシリーズになっている。

続いてお隣タミルナードゥのF16sについて書こうと思っていたのだけど、もう十分長くなったので、また次回!



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goshimasayama18 at 18:04|PermalinkComments(0)

2021年11月07日

インドからビートルズへの53年越しの回答! "Songs Inspired by The Film the Beatles and India"



ビートルズファンならご存知のとおり、インドは彼らに少なからぬ影響を与えた国でもある。
1960年代、若者たちの間では、ベトナム戦争への反対の機運が高まり、西洋の物質主義的な文化に疑問が持たれ始めていた。
インドの文化は、欧米の既存の価値観に変わるカウンターカルチャーとして注目され、ビートルズのメンバーたちも、1968年にヒンドゥー教の聖地リシケーシュにあるヨガ行者にして精神的指導者のマハリシ・マヘシュ・ヨギのアシュラム(修業場)に滞在して過ごした。

(その経緯と顛末は、このRolling Stone Japanの記事に詳しい)



インドに影響を受けたのはビートルズだけではなかった。
当時、The Rolling Stonesは"Paint It, Black"でシタールを導入しているし、インドの服をヒッピー・ファッションに取り入れるミュージシャンも多かった。
当時、ヨガや東洋的な神秘思想は、LSDなどのドラッグと並んで、新しい感覚を覚醒させ、悟りの境地に至るための手段として見られていたのだ。
その後も、90年代のKula Shakerのようなロックバンドや、ゴアトランスなどのダンスミュージックが、サイケデリックやエキゾチックやスピリチュアルを表現する手段として、インド音楽の要素を導入している。
ただ、その多くが、雰囲気づくりのための表面的な引用にとどまっているのもまた事実。
90年代、インドの旅から帰ってきた私は、彼らのサウンドに以前ほど夢中になれなくなってしまい、今でいうところの「文化の盗用」のようなもやもやした感覚を抱いていた。


時は流れて2021年。
いつもこのブログで紹介しているように、インドの音楽シーンもずいぶん進化・変貌した。
経済成長とインターネットの発展により、ヒップホップやEDMやロックといった欧米の音楽の受容が進み、今ではインド国内にもこうしたジャンルの優れたアーティストがたくさんいる。
そのなかには、きわめて優れたポピュラーミュージックを作っている人もいるし、西洋の音楽にインドの伝統的な要素を取り入れた独自の「フュージョン」を作り上げている人もいる。
つまり、20世紀にはインドから欧米への一方通行だった音楽的影響は、今では完全に双方向的なものとなっているのだ。

ビートルズのインド滞在に焦点をあてたドキュメンタリー映画"The Beatles and India"の公開にともなってリリースされた、インドのミュージシャンたちによるトリビュートアルバム"Songs Inspired by the Film the Beatles and India"は、いわばインドからビートルズへの、そして、インド音楽の要素をポピュラーミュージックのスパイスとして使ってきた西洋音楽リスナーへの、53年越しの回答なのである。

これが非常に面白く、そして素晴らしかった。
収録曲は以下の通り。


1. "Tomorrow Never Knows" Kiss Nuka
2. "Mother Nature's Son"  Karsh Kale, Benny Dayal
3. "Gimme Some Truth" Soulmate
4. "Across the Universe" Tejas, Maalavika Manoj
5. "Everybody's Got Something to Hide (Except Me and My Monkey)" Rohan Rajadhyaksha, Warren Mendonsa
6. "I will" Shibani Dandekar, Neil Mukherjee
7. "Julia" Dhruv Ghanekar
8. "Child of Nature" Anupam Roy
9. "The Inner Light" Anoushka Shankar, Karsh Kale
10. "The Continuing Story of Bungalow Bill" Raaga Trippin
11. "Back in the USSR" Karsh Kale, Farhan Akhtar
12. "I'm so Tired" Lisa Mishra, Warren Mendonsa
13. "Sexy Sadie" Siddharth Basrur, Neil Mukherjee
14. "Martha My Dear" Nikhil D'Souza
15. "Norwegian Wood (This Bird Has Flown)" Parekh & Singh
16. "Revolution" Vishal Dadlani, Warren Mendonsa
17. "Love You To" Dhruv Ghanekar
18. "Dear Prudence" Karsh Kale, Monica Dogra
19. "India, India" Nikhil D'souza


ビートルズの曲(一部ジョンのソロ作品)としては、ややシブめの選曲で、なかにはよほどのファンでないと知られていないような曲も入っているが、これらはいずれもインドと何らかのつながりのある楽曲たちである。
そして、いつもクソ長いブログを書いている身としては申し訳ないのだけど、インドとロック好きにとっては、語らずにはいられない要素が満載だ。

というわけで、蛇足とは思いながらも、"Songs Inspired by the Beatles and India"から何曲かをピックアップしてレビューさせていただきます!


1. "Tomorrow Never Knows" Kiss Nuka


オリジナルは1966年発表の"Revolver"の最後に収録されている、ジョン・レノンによる曲。
ジョンの「数千人ものチベットの僧侶が経典と唱えているような感じにしたい」という意図のもと、ワンコードで同じメロディーを繰り返したこの曲は、結果的にサイケデリックなクラブ・ミュージック的なサウンドをあまりにも早く完成させた楽曲となった。
その"Tommorow Never Knows"を、インドのアーティストが、コード進行のあるエレクトロニック・ポップとしてカバーしているということに、何よりも面白さを感じる。
このような、インド人アーティストによるビートルズの楽曲の「脱インド化」はこのアルバムの聴きどころの一つだ。
この曲をカバーしているKiss Nukaはデリー出身のエレクトロニックポップアーティスト。
映画音楽のプレイバック・シンガーとしてデビューしたのち、アイドル的な雰囲気のヴォーカルヴループ'Viva!'の一員としての活動を経て、ソロの電子音楽ミュージシャンとなった彼女の経歴は、現代インドの音楽シーンの変遷を体現していると言ってもよいだろう。
ビートルズがこの曲を発表した30年後の90年代には、イギリスのテクノユニットのケミカル・ブラザーズが"Setting Sun"や"Let Forever Be"といった曲でオマージュを捧げたが、そのさらに30年後の2020年代にインドのアーティストがこういうカバーを発表したということがこのバージョンの肝であって、アレンジがあざといとかサウンドがちょっと古臭いとかいうことは重要ではない。
優れたポップミュージックは輪廻する。


2. "Mother Nature's Son"  Karsh Kale, Benny Dayal


このアルバムの序盤最大の目玉といっても過言ではないのがこの曲。
原曲は"The Beatles"(ホワイトアルバム)に収録されたポール・マッカートニーによるマハリシ・マヘシュ・ヨギの影響を受けた曲。
カバーしているのはイギリス出身のインド系電子音楽アーティスト兼タブラ奏者で、クラブミュージックから映画音楽まで幅広く活躍しているKarsh Kaleと、インド古典音楽とR&Bという両方のルーツを持つBenny Dayal.
ビートルズのカバーをするならこれ以上ない組み合わせのこの二人は、これまでもKarshのソロアルバムなどで共演している。
インド的な要素とビートルズ的な要素が徐々に融合してゆく様が美しい。
このアルバムの聴きどころは、「脱インド化」だけではなく、こうした本場のアーティストならではの「インド化」でもあるということは言うまでもない。


4. "Across the Universe" Tejas, Maalavika Manoj


1969年に発売されたアルバム"Let It Be"に収録されている楽曲だが、はジョン・レノンによって67年には書かれていたという。
カバーしているのはムンバイを拠点に活動しているシンガーソングライターTejasとMali(この曲では本名のMaalavika Manoj名義でクレジット)。
インドの思想に傾倒していたジョンによる'Jai Guru Deve Om'という導師(または神)を讃えるサビのフレーズゆえに、このアルバムの収録曲に選ばれたのだろう。
ふだんは洋楽ポップス的な楽曲を発表しているTejasとMaliが、ここではニューエイジ的な音使いが目立つ、いかにもスピリチュアルなアレンジを披露している。
欧米や日本のアーティストがやったらこっぱずかしくなるようなアレンジだが、インド人である彼らがやるとなんだかありがたいような気もする。
これを、インド人が欧米目線のエキゾチシズムに取り込まれたと見るか、インド人である彼らがステレオタイプをしたたかに利用していると見るか。


6. "I will" Shibani Dandekar, Neil Mukherjee



ホワイトアルバム収録のポール・マッカートニーによる佳曲。
インドと関係なさそうなのになぜ選ばれたのかと思ったら、これもリシケーシュ滞在時に書かれた曲だそうだ。
プネー出身のシンガーShibani Dandekar(現在はオーストラリア国籍)とコルカタ出身のギタリストNeil Mukherjeeによるカバーで、バーンスリー(竹笛)とタブラが印象的。
これもいかにもインド的なアレンジだが、センス良く聴こえるのはアコースティックなサウンドと原曲の良さゆえか。
おいしいチャイを出す日あたりの良いカフェでかかっていたら素敵だと思う。


8. "Child of Nature" Anupam Roy

これは知らない曲だと思ったら、ジョン・レノンの名作"Imagine"(1971年)収録の名曲"Jelous Guy"の初期バージョンだそうで、これもやはりリシケーシュ滞在中に書かれた曲とのこと。
のちにオノ・ヨーコへの思いをつづった歌詞に改作されるが、当初の歌詞は、ポールの"Mother Nature's Son"と同様に、マハリシ・マヘシュ・ヨギの説法にインスパイアされて書かれたものだろう。
ビートルズのインド趣味は、ビートルズファンに必ずしも好意的に捉えられているわけではないが、こうした一見インドには無関係な楽曲の制作にも影響を与えていると考えると、やはりマハリシの存在は大きかったのだろうなと感じる。
カバーしているのは、映画音楽でも活躍しているコルカタ出身のシンガーソングライターAnupam Roy.
タブラとバーンスリーを使ったアレンジは、やや安易だが、原曲の良さが映えている。



9. "The Inner Light" Anoushka Shankar, Karsh Kale
 
原曲はビートルズのメンバーでもっともインドに傾倒していたジョージ・ハリスンによる曲で、インドの楽器のみで演奏されており、歌詞は老子の言葉からとられているという、東洋趣味丸出しの楽曲。
それでもジョンもポールもこの曲の美しさを絶賛しており、ビートルズによる「インド音楽」の最高峰と言っても良いだろう。
ジョージのシタールの師匠でもあるラヴィ・シャンカルの娘アヌーシュカとKarsh Kaleによるカバーは、「こういうことがやりたかったんだろ?まかしときな」という声が聴こえてきそうなアレンジだ。

 
11. "Back in the USSR" Karsh Kale, Farhan Akhtar

ホワイト・アルバム収録の原曲は、ポールによるビーチボーイズに対するオマージュというかパロディ。
どうしてこのアルバムに選曲されたのだろうと思ったら、どうやらこの曲もリシケーシュ滞在中に書かれたものだったからだそうだ。
当時のリシケーシュにはビートルズのメンバーのみならず、ビーチボーイズのマイク・ラヴも滞在しており、この曲の歌詞には彼の意見も取り入れられているという。
Karshによるドラムンベース的なアレンジは、'00年代のエイジアン・マッシヴ全盛期風で少々古臭くも感じるが、ここはイギリス人がインドでアメリカのバンドにオマージュを捧げて書いたソビエト連邦に関する曲を、タブラ奏者でエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーでもあるKarsh Kaleとボリウッド一家に生まれたFarhan Akhtar(『ガリーボーイ』の監督ゾーヤー・アクタルの弟)がクラブミュージック風にアレンジしているということの妙を味わうべきだろう。


15. "Norwegian Wood (This Bird Has Flown)" Parekh & Singh

1965年のアルバム『ラバーソウル』収録のシタールの響きが印象的な曲(主にジョンが書いたとされている)を、コルカタ出身で世界的な評価の高いドリームポップデュオ、Parekh &Singhがカバー。
シタールが使われていてたメロディーをギターに置き換えて「脱インド化」し、いつもの彼ららしい上品なポップスに仕上げている。
前述の通り、このアルバムの面白いところは、典型的なビートルズ・ソングをインド的なアレンジでカバーするだけではなく、インドっぽい曲をあえて非インド的なアレンジにしている楽曲も収録されているところ。
都市部で現代的な暮らしをしているインド人ミュージシャンたちにとっては、むしろこうした欧米的なポップスやダンスミュージックのほうが親しみのある音像なのだろう。



17. "Love You To" Dhruv Ghanekar


ジョージ・ハリスンがビートルズにはじめてインド伝統音楽の全面的な影響を持ち込んだ曲で、原曲は1966年のアルバム『リボルバー』に収録されている。
オリジナルではシタールやタブラといった楽器のみで演奏されていたこの曲を、ムンバイのギタリストDhruv Ghanekarは、ある程度のインドの要素を残しつつ、ギターやベースやドラムが入ったアレンジで「脱インド化」。
結果的にちょっとツェッペリンっぽく聴こえるのも面白い。



19. "India, India" Nikhil D'souza


これも知らない曲だったが、どうやら晩年(1980年)にジョンが書いた未発表曲で、2010年になってデモ音源がようやくリリースされた曲らしい。
よく知られているように、ジョンはリシケーシュ滞在中にマハリシ・マヘシュ・ヨギの俗物的なふるまいに嫌気がさして訣別し、その後"Sexy Sadie"(このアルバムでもカバーされている)で痛烈に批判している。
ソロ転向後の"God"でも「マントラ(神への賛歌)もギーター(聖典)もヨガも信じない」と、インドの影響を明確に否定しており、私は70年代以降のジョンは、すっかりインド的なものには興味がなくなったものと思っていた。
だが、この曲を聴けば、ジョンが、その後もインドという国に、若干ナイーヴな愛情を持ち続けていたことが分かる。
ラフなデモ音源しか残されていなかったこの曲を、ムンバイのシンガーソングライターNikhil D'Souzaが完成品に仕上げた。
ジョンらしいメロディーが生きた、素敵なアレンジで、インド好きのビートルズファンとしてはうれしくなってしまう。


他にも聴きどころは満載だが、(例えば、ジョン・レノンのソロ作品をパーカッシブなマントラ風に解釈したSoulmateによる"Gimme Some Truth"も、「ジョンってこういうアレンジの曲も書くよね!」と膝を打ちたなる)いつまで経っても終わらなくなってしまうのでこのへんにしておく。

インドのミュージシャンによる欧米ロックのカバーは、70年代にもシタール奏者のAnanda Shankarによるものなどがあったが、いかにもキッチュなエキゾチシズムを売りにしたものだった。
ロックをきちんと理解したアーティストによるロックの名曲をインド的に解釈したカバー・バージョンは、実は私がずっと聴きたかったものでもあった。

(その話はこの記事に詳しく書いてあります)


ビートルズへの53年越しの回答であると同時に、私の23年越しの願望にも答えてくれたこのアルバムを愛聴する日々が、しばらく続きそうだ。




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goshimasayama18 at 22:55|PermalinkComments(2)

2021年08月06日

ここ最近の気になる曲特集! インドのヒップホップ集大成、ノスタルジック・ポップ、強烈メタル&オルタナティブ・ロック!


忙しさにかまけてブログの更新を怠っていた間も、インドの音楽シーンでは日々名曲が量産されていた。
記事にできなかった佳曲はtwitterで紹介しているのだが、時とともに流れてしまうツイートにとどめるだけではもったいない楽曲が立て続けにリリースされたので、記事にしたためておくことにする。
(このブログの過去の記事だって探しづらくて埋もれちゃうじゃないか、というご意見もあるかもしれないが…スミマセン)


まず紹介したいのは、南部のIT都市ベンガルールを拠点に活動するラッパー、Smokey The Ghostの新曲"Hip Hop Is Indian".


インドでは地元言語(ベンガルールならカンナダ語)でラップするラッパーが多い中で、Smokey The Ghostは英語でのラップにこだわっている。
その理由はおそらく、lo-fi的だったりエクスペリメンタルだったりするビートとの相性を考えてのことだろう。
英語ラップと言っても、彼はアメリカっぽい英語ではなく、あえて南インド訛りの英語でラップすることで地元をレペゼンする意識を表明している。

だが、この曲で彼がテーマにしているのは、もっとスケールの大きい、「インド全体のヒップホップ・シーン」だ。
シタールを大胆に導入した、これ以上ないほどインド的なビートに乗せて、Smokeyはインド全土のラッパーやクラシックのタイトルを盛り込んだリリックをライムしている。

1番のヴァースでは、インドには珍しいスクラッチDJ(カセットテープが主流でレコード文化が根付かなかったインドでは、ビートメイキングにターンテーブルが使われることはなかった)のDJ Panicに始まり、Smokeyとの共演経験もあるデリーのPrabh Deep, 北東部を代表するラッパーであるメガラヤ州のKhasi BloodzMeba Ofilia, ムンバイのフィーメイル・ラッパーDee MC, ベンガルールの盟友Brodha V(彼に関しては、代表曲の"Aatma Raama"が挙げられている)、ムンバイのシーンを初期から支えたACE, DIVINE(本名のVivianの名前でラップされる)、Naezy(DIVINEとNaezyの名曲"Mere Gully Mein"のリリックも登場)、そしてBombay BassmentBob Omuloの名前がshout outされる。

続く2番のヴァースでも、BadshahYo Yo Honey Singhといったメインストリームラッパーから、Jay Seanなどの在外インド人ラッパー/シンガー、南インド諸州のラッパーたちまで、ジャンルも地域も国境すらも超えて、インド系ヒップホップ・アーティストを幅広く讃えているのだ。
(コルカタのラッパーに触れられていないのがちょっと残念ではあるが、ベンガル語のシーンはやはりインド全体の中ではマイナーなのか…)

言語、民族、宗教、文化、地域、思想など、あらゆる多様性にあふれるインドは、多様性の分だけ対立の種にも事欠かない。
インディペンデントのミュージシャンたちに話を聞く限りでは、若い世代にはこうした対立にうんざりしている人も多いようで、そんな時、ヒップホップのような新しい文化が、分断を超える役割を果たしているのだ。
スキルとセンスとリリックの内容で評価されるラップの世界では、信仰やバックグラウンドが異なるアーティスト同士が認め合い、リスペクトしあっている。

インドの優れたヒップホップが聴きたければ、この曲に名前が出てくるアーティストを掘ってゆけば間違いない。
この曲は、インドにおけるヒップホップ・カルチャーを讃える美しいアンセムだ。


(Smokey The Ghostについては、以前書いたこの記事でも特集しています)



続いて紹介する曲は、個人的にインドで最高のシンガーソングライターだと思っているPrateek Kuhadの新EPからの曲"Shehron Ke Raaz".
Prateekは昨年アメリカの名門Elektraレーベルとの契約を発表したので、てっきり英語の曲を中心にリリースしてゆくのかと思ったら、意外にも全曲ヒンディー語のEPをリリースしてきた。
アトロクに出演したときに紹介した"Kasoor"も大好評だったが、今回の"Shehron Ke Raaz"も、切ないメロディーと繊細なファルセットボイスが絶品な名曲!

Prateek Kuhadはいつも美しいミュージックビデオを作ることでも知られているが、この作品の映像作家Reema Senguptaとは、2017年の"Tum Jab Paas"以来のコラボレーションとなる。
ノスタルジックな映像の舞台は、ムンバイの老舗イラーニー・カフェである"Excelcior Cafe".(もちろん日本のあのチェーン店とは無関係だ)
イラーニー・カフェとは、19世紀にイランから移住してきたパールスィー(ゾロアスター教徒)やムスリムによって運営される、独自の食文化を提供する飲食店のこと。
近年その数は減少の一途を辿っており、イラーニー・カフェは古き良き時代のムンバイを象徴する存在でもあるのだ。
どこか懐かしさを感じさせるPrateekの音楽にぴったりな映像の舞台と言えるだろう。

タイトルの意味は「街の秘密」。
「今夜、君と僕はこの街の秘密」という歌詞も美しい。
歌詞の英訳はこのリリックビデオで見ることができる。
なお、Cafe Excelsiorを含めたムンバイのイラーニー・カフェについては、Komeさんのブログのこちらの記事に、とても詳しく書かれている。






KASCK"Death To The Crooked"は、このブログでは久しぶりに取り上げるオーセンティックなヘヴィ・メタル。
KASCKはマハーラーシュトラ州プネー出身のスラッシュメタルバンドで、この曲を含むデビューEP"Deal With The Devil"を9月に発表する予定。
プログレッシブ・メタルや技巧的なデスメタルが盛んなインドで、サウンドもタイトルも、ここまで伝統的なヘヴィメタルの世界観を継承しているバンドは珍しい。

だが、ミュージックビデオを見てもらえば分かる通り、楽曲のテーマはヘヴィメタルらしいファンタジーや抽象性とは真逆の、むしろハードコア・パンク的とも言える極めて社会的・政治的なものだ。
歌詞の内容は、盲目的な宗教ナショナリズムによる憎悪、政治や権力の暴走などを扱っている。
インド社会を反映した強烈なアジテーションとド直球なメタル・サウンドの組み合わせが、なんとも言えないカタルシスと高揚感を生む曲だ。



JBABEは、チェンナイのロックバンドF16sのギター・ヴォーカルJosh Fernandezのソロプロジェクト 。
"Punch Me In My Third Eye"は、叙情的なポップロックを奏でるF16sとはうってかわって、90年代のグランジ/オルタナティブ的なエネルギーが爆発した一曲だ。
親に従いインドの伝統的なお見合いの席で顔を合わせたものの、もはや伝統的な価値観を持ち合わせていない若い世代をコミカルな描いたミュージックビデオがとにかく面白い。

両親の間で居心地悪そうに座る男女が、二人きりになった瞬間にあけすけな本音で語り出し、暴れ始めるというあらすじ(想像上の出来事?)で、タイトルも伝統的な考え方を皮肉ったものだろう。
ミュージックビデオ監督のLendrick Kumarという名前にもニヤリとさせられた。

インドの多様性は、言語や文化や宗教といった横軸の広がり、カーストや貧富といった縦軸の格差に加えて、保守的な価値観と新しい考え方という、世代や思想的な面にもおよんでおり、まさに四次元的な多様さを持っていると言える。

インドでは、そうした多様性のせめぎ合いの中で、面白い楽曲が日々生み出されているのだ。




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2018年の自選おすすめ記事はこちらからどうぞ! 
2019年の自選おすすめ記事はこちらから

2020年を振り返る独断で選んだ10曲はこちらから


ジャンル別記事一覧!

 



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2021年06月14日

Always Listening by Audio-Technicaに記事を書きました!

Audio-Technicaさんが運営している音楽情報サイト"Always Listening"にSpotifyのインドのヒットチャートを分析した記事を書かせていただきました!

記事はコチラ↓


Always Listeningでインドの音楽シーンに興味をもってくださった方のために、紹介した音楽をさらに深掘りできるブログ記事のリンク一覧をご用意しました。

最新型パンジャービー・ラッパーのSidhu Moose Walaについてはこちらから!
じつはかなりハードコアな一面も持っている男です。




彼と共演しているRaja KumariやDIVINEについても深く紹介しています。


DIVINEについては記事では触れていませんでしたが、Sidhu Moose Walaの"Moosedrilla"の後半で熱いラップを披露しているラッパーで、映画『ガリーボーイ』の登場人物のモデルの一人でもあります。


Always-Listeningで紹介したRitvizのようなインド風エレクトロニック・ダンスミュージックは、勝手に印DMと呼んで親しんでいます。



バンド名も面白い南部ケーララ州出身の英国風フォークロックバンドWhen Chai Met Toastは、じつはチャイよりもコーヒー好き。
(インド南部はコーヒー文化圏なんです)
インドには、彼らのようにインドらしさ皆無なサウンドのアーティストもたくさんいるのです。




英語ヴォーカルのシンガーソングライターはとくに優れた才能が多く、注目しているシーンです。
記事で触れたDitty, Nida, Prateek Kuhadに加えて、Raghav Meattleもお気に入りの一人。




ブログ『アッチャー ・インディア 読んだり聴いたり考えたり』には、他にもいろんな記事を書いていますので(全部で300本以上!)、ぜひ他にも読んでみてください。


今回の'Always-Listening'みたいに、ヒットチャートをもとに記事を書くというのは、これまでありそうでなかったのだけど、とても良い経験でした!
Always Listeningには他にも世界中の音楽に関する興味深い記事がたくさん載っているので、ぜひいろいろとお楽しみください!





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goshimasayama18 at 19:56|PermalinkComments(0)

2021年04月26日

驚愕のサウンドトラック・メタル! Friends from Moonの壮大すぎる世界!



インドはメタル大国である。
鉱物資源の話ではない。
音楽のヘヴィメタルのことだ。(音楽ブログなんだから当たり前か)

ボリウッド映画や古典音楽やヨガのイメージからは想像しづらいかもしれないが、経済発展とグローバリゼーションの果実のひとつとして、インドでは多くのメタルバンドが結成されている。
そのなかには、GutslitやGirish and the Chroniclesのように、かなりレベルの高いバンドも存在している。




前述の2バンドや、Kryptos, Systemhouse33, Demonic Resurruction, Amorphiaのように、海外ツアーを行うバンドも出てきているものの、単独で(インド国内においても)ホールやアリーナを埋めることができるようなバンドは、まだ登場していない。


その理由は単純だ。
欧米のバンドがリードしてきたヘヴィメタルシーンでは、インドや日本を含めたアジアのバンドのスタイルは、既存のジャンルの模倣になりがちだ。
どれだけ演奏技術が高く、楽曲が良くても、オリジナリティが低ければ、カリスマ的な人気を得ることは難しい。

ヘヴィメタルシーンにおいてアジアのバンドが注目を集めるためには、欧米のバンドにはない個性を打ち出すことも有効だ。
つまり、自国のユニークな文化をサウンドに持ち込むことで、オリジナルなスタイルを打ち出すことができるのだ。
日本で言えばBabymetal、インドでもSitar MetalやBloodywoodが、その手法で注目を集めることに成功している。


そんな世界とアジアのヘヴィメタルを取り巻く状況のなかで、インドから、ステレオタイプなインドらしさをまったく打ち出すことなく、完全に新しいジャンルを生み出すことに成功したバンドが登場した。

その名は、つい先頃デビューEP "The Spectator"をリリースしたFriends from Moon.
「バンド」と書いたが、Friends from Moonの実態はデリーのヒンディー・メタルバンド(英語ではなくヒンディー語で歌うメタルバンド)AarlonのギタリストRitwik Shivamのソロプロジェクトである。

Friends from Moonの音楽的特徴を一言で表すなら、まるで映画音楽のような壮大なサウンドをヘヴィメタルに取り入れた「シネマティック・メタル」もしくは「サウンドトラック・メタル」と呼ぶのがふさわしいだろう。
これまでも、シンフォニックな要素を効果的に取り入れたメタルバンドは少なからずいたが、それでもFriends from Moonのサウンドが前例のないものであることは、デビューEP"The Spectator"のオープニングトラック、"A Hope Forever"を聴けば簡単に分かるはずだ。


ストリングス、ブラス・セクション、ピアノが織りなすドラマティックなサウンドは、まるでSF映画かファンタジー映画のサウンドトラックを思わせる。
ネタばらしをしてしまうと、この8分にわたる大曲は、なんと最後までメタルの要素が一切ないまま終わってしまう。
これまでもアルバムの1曲目にSE的な「序曲」を入れるバンドは珍しくなかったが、ここまで大仰かつ本格的な「序曲」は50年に迫るヘヴィメタルの歴史上、初めてのことだろう。

満を辞して、2曲めの"Saruman the Black"で怒涛のメタルサウンドが披露される。

シネマティックなイントロに続いて、怒涛のメタルパートに雪崩れ込むが、1曲めからの流れで聴くと、この凶暴なメタルサウンドも、激しさを表現する音楽的演出のひとつとしてすんなりと受け入れられるのではないだろうか。
デス声ではなくクリーンな声で歌われるパートが、典型的なメタルのスクリームではないことも、彼らの音楽の聴きやすさにつながっている。
"Saruman the Black"はトールキンの『指輪物語』("The Lord of the Rings")の登場人物にちなんだタイトルとのこと。
この曲にはイタリアのGabriele Paolo Marraによる一人ブラックメタルプロジェクトHowling in the Fogが参加している。

3曲目の"Salton Sea"はプログレッシブ・メタル的な変拍子を導入した曲。
この曲にはAarlonを含む複数のバンドで活動していたヴォーカリストのPritam Goswami Adhikaryが参加。
Salton Seaとはカリフォルニア州に位置する塩湖の名前のようだ。


EPの最後を飾る"We are the Drifters"は静かなピアノの響きから始まる。

再びヘヴィメタル的の要素を排したこの曲で、彼らのデビューEP、"The Spectator"は幕を閉じる。
4曲のみながら、28分のボリューム。
Spectator(観客/目撃者)というタイトルの通り、リスナーはFriends from Moonのサウンドが紡ぐ物語的な世界にただただ身を浸し、圧倒されることになる。

このあまりにも特異な作品が登場したことに、世界はまだほとんど気付いていないようだが、このアルバムは今後いったいどのような評価を受けるのだろうか(それとも気づかれないまま終わってしまうのか)。
いずれにしても、Ritwik Shivamがこれまでにないジャンルの扉を開いたことは間違いない。
彼らが今後どんなサウンドを展開してゆくのか、興味は尽きない。


参考サイト:
https://www.rsjonline.com/reviews/friends-from-moon-is-excitingly-cinematic-on-debut-ep.html

https://rollingstoneindia.com/reviewrundown-march-2021-project-malabaricus-drastic-naman-winterchild/


 

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goshimasayama18 at 22:19|PermalinkComments(0)

2021年02月21日

インドのスケートボードカルチャーを追う!

インドのスケートボードカルチャーに興味を持ったのは、この曲がきっかけだった。
この曲は、インドの最西端にあるグジャラート州のシンガーソングライターShashwat Bulusuによるものだが、ビデオの撮影場所は彼のホームタウンとは遠く離れたインドの東のはずれ、バングラデシュとミャンマーに挟まれた場所にあるトリプラ州だ。
1280px-India_-_administrative_map
ミュージックビデオに出てくる若者の名前はKunal Chhetri.
人気の少ない街中や、トリプラの自然の中で、大して面白くもなさそうにスケートボードを走らせる彼の姿に、不思議と惹きつけられてしまった。
彼の退屈そうな表情やたたずまいに、強烈なリアルさを感じたのだ
例えば大都市の公園で得意げに次々にトリックを披露するような映像だったら、こんなに心に引っかかることはなかっただろう。
若者のカルチャーを成熟させてきたのは、いつだって退屈だったのではないだろうか。

このミュージックビデオを制作したのはBoyer Debbarma.
自身もスケーターであり、なんとインド北東部でスケートボードを専門に撮影するHuckoというメディアを運営しているという。
BoyerがShashwatの音楽に興味を持ってコンタクトしたところ、ShashwatもBoyerの映像をチェックしており、今回のコラボレーションにつながったそうだ。

BoyerのHuckoによる映像の一例を挙げると、こんな感じである。
異国情緒から始まる映像は、スケートボードを楽しむ若者たちが登場した途端に、見慣れた退屈と刺激が交錯する世界へと変質する。
もはやストリートカルチャーには、国籍もバックグラウンドも全く関係ないことを改めて実感させられる映像だ。
それにしても、ヒンドゥーの修行者で世捨て人であるサドゥーとスケーターの若者がチラム(あの大麻吸引具)を回し喫みするインドって、ものすごくクールじゃないか。

考えてみれば、ヒップホップがかなり定着しているインドなら、同じくストリートカルチャーの代表的存在であるスケートボードがすでに根付いていても不思議ではない。
というわけで、今回はインドのスケートボードカルチャーについて調べてみた。


インドのスケートボードカルチャーの歴史はまだ浅く、2000年代以降に欧米のスケーターたちがバックパッカーとしてインドを訪れたことによって、その種が撒かれたようだ。
そのなかでも特に重要な役割を果たしたのが、イギリス人スケーターのNick Smithだ。
インドのカルチャー系ニュースサイトHomegrownのインタビューに対して、Nickはこう語っている。
「俺が10歳の頃、イギリスにはボードなんてなかったから、スーパーマーケットの裏から盗んだ台車で坂道を走っていた。その頃からスケートボードに夢中なんだ。インドでのスケートボード普及に力を注いできたのは、あの夢中だった頃を思い出すからだよ」

インドで最初のスケートパークは、NickがVansのサポートを受けて2003年にゴアに作った'Sk8 Goa'だった。
温暖な海辺のゴアに、欧米の寒い冬を避けて多くのスケーターが訪れるようになった。
ロックやクラブミュージックと同様に、スケートボードでもゴアが欧米の若者文化とインドとの接点となったのだ。

Nick Smithのインドでの活動は、欧米人スケーターのためのものだけではなかった。
この新しいスポーツ/ストリートカルチャーに夢中になった若者たちのために、彼は2010年にベンガルールでインドで最初のスケートボードチーム'Holy Stoked'を結成する。
彼はベンガルールにもPlay Arena(2011年)、Holy Stoked Epic Build(2013年)という二つのスケートパークを設立した。

その後、Nickは活動方針の相違などからHoly Stokedを離れ、新たにAdvaita Collectiveというクルーを結成したそうで、彼のスケートボード初期衝動を追求するインドの旅は、まだまだ終わらないようだ。

Nickがすでに離れた後だと思うが、'Holy Stoked'が2017年に公開した動画がこちら。
BGMはSuicidal Tendenciesとかのスケーターパンク。
分かってるなあ!

ヒップホップ同様、スケートボードに関しても2010年以降にインド各地で同時多発的にシーンが形成されたようだ。
現在ではあらゆる街にスケーターたちがいるようで、この動画は'Hindustan Times'が2015年にデリーのシーンを特集したもの。

ムンバイのヒップホップクルー、Munbai's Finestが2016年にリリースした"Beast Mode"にもスケートボードやランプが登場する。

インドのスケートボードカルチャーは既に一部で注目されているようで、日本語で検索してもいくつかの記事がヒットする。
とくに、ドイツ人女性がインド中部マディヤ・プラデーシュ州の小さな街ジャンワルに設立した無料のスケートパークJanwaar Castleの取り組みは複数のメディアで取り上げられている。

このJanwaar Castleは単なる遊び場ではなく、子どもたちの教育の普及にも役立てられており、利用の条件は「学校にきちんと行くこと」。
ヨガのレッスンも行われていて、また「女性を大事にすること」も教えられているという。

以前、ムンバイ最大のスラム地区ダラヴィで、ヒップホップダンスを通じて子どもたちに誇りを教えようとする取り組みを紹介したが、ストリートカルチャーがインドでは社会を良くするための運動に組み込まれているというのはとても意義深いことだと感じる。


Amazon Indiaで調べたところ、インドでは(クオリティーは別にして)スケートボードは1,000ルピー(1,500円程度)以下のものもあるようで、若者でも気軽に始められる趣味なのだろう。

文中で紹介したSk8 GoaやHoly Stoked Epic Buildは残念ながらクローズしてしまったようだが、インド各地に大小さまざまなスケートパークが存在しているようだ。

もしあなたがスケートボードを趣味にしているなら、コロナが落ち着いたらバックパックに愛用のスケートを括り付けて、これらの街を旅してみるなんていうのも素敵なんじゃないだろうか。
言葉のいらない趣味で異国の仲間たちと通じ合えるなんて最高だ。

これ以外に、変わったところではジャールカンド州のラーンチーにもスケートパーク(少なくともスケーターのグループ)があるようだ。
本当にインドのあらゆる地域の都市にラッパーとスケーターがいる時代になったのだなあ、としみじみと思う。


最後に、最初に紹介したShashwat Bulusuの曲をもう少し紹介したい。
彼はスケーターのために特化した音楽を演奏しているわけではないが、退屈さと情熱が心地よく融合した彼の歌声は、やはり都市の空気感を感じさせるものだ。

以前紹介したPrateek KuhadRaghav Meattleのように、インドではここ数年、非常に実力のあるシンガーソングライターも育ってきている。
Shashwatもまた注目すべき才能の一人だと言えるだろう。
インドの都市文化は、我々が知らないところで大きく変わりつつあるようだ。
(もちろん、良くも悪くも変わらない部分がどっしりとしているのもまたインドなのだけど)



参考サイト:

https://homegrown.co.in/article/804618/the-sunset-by-vembanad-juxtaposes-north-east-s-beauty-skateboarding-with-folk-pop

https://homegrown.co.in/article/800597/highlight-reel-the-evolution-of-skate-culture-in-india

https://homegrown.co.in/article/51995/meet-an-organisation-that-has-brought-skateboarding-to-rural-india-2

https://homegrown.co.in/article/44424/indias-skate-map-a-look-at-all-17-skateparks-across-the-country

https://homegrown.co.in/article/800809/we-profiled-5-of-india-s-most-interesting-sneakerheads

https://www.redbull.com/in-en/five-surprising-facts-about-indian-skateboarding

https://homegrown.co.in/article/10944/evolving-indias-skateboarding-culture-an-interview-with-nick-smith

http://www.caughtinthecrossfire.com/skate/features/death-in-goa/

https://neutmagazine.com/Ulrike-Reinhard-India





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goshimasayama18 at 15:33|PermalinkComments(0)

2021年01月12日

Rolling Stone Indiaが選んだ2020年のシングル10選!

Rolling Stone Indiaが選ぶ2020年の10選シリーズ、今回はベストシングルを紹介します!
(もとの記事はこちら)


このTop 10はこれまでのアルバムやミュージックビデオと比べて、かなりカラーがはっきりしていて、いわゆる洋楽ポップス的なものが中心に選ばれている様子。
ご存知の通り、インドのメインストリーム音楽は映画音楽なので、欧米風のキャッチーなポップスは、インドではインディーミュージックということになる。
そのあたりの音楽ジャンルの「捻れ」も面白いのだが、前置きはこれくらいにして、それではさっそく見てみよう。


1. Chirag Todi feat. Tanya Nambiar, Pushkar Srivatsal  “Desire”

インド西部グジャラート州アーメダーバード出身のギタリスト/ヴォーカリストのChirag Todiは、ジャズロックバンドHeat Sinkのメンバーとしても活動している。
この"Desire"はスムースなファンクネスが心地よい一曲で、例によってこれが2020年のインドで最良のシングル曲かと言われると首を傾げたくなる部分もあるが、きっとこのさりげない感じがセンスの良さと評されて選出されたのだろう。
それにしても、aswekeepsearchingといいShashwat Bulusuといい、アーメダーバードはけっこういいミュージシャンを輩出する街だ。
いちどしっかりこの街のシーンを掘ってみないといけない。
共演のPushkar Srivatsalはムンバイの男女ポップデュオSecond Sightの一員、Tanya Nambiarはデリーの女性ヴォーカリストで、ソロでも客演でも活躍している。


2. Tejas  “The Bombay Doors”

コロナウイルスによるロックダウンをという逆境を活かして製作された「オンライン・ミュージカル」"Conference Call: The Musicall!"も記憶に新しいムンバイのシンガーソングライター、Tejas Menonの"The Bombay Doors"はファンキーなシンセポップ。
1位のChirag Todiもそうだが、この手のファンキーなポップスを手掛けるインディーアーティストはインドにも結構いて、Justin Bieberあたりの影響(有名過ぎてだれも名前を挙げないが)が結構あるんじゃないかと思う。


3. Dhruv Visvanath  “Dear Madeline”

ニューデリーのシンガーソングライターDhruv Visvanathは、パーカッシブなフィンガースタイルギターでも知られるミュージシャン。
アメリカのAcoustic Guitar Magazineで30歳以下の偉大なギタリスト30名に選ばれたこともあるという。
2018年には"The Lost Cause"がRolling Stone Indiaによるベストアルバム10選にも選出されており、国内外で高く評価されている。


4. Mali  “Age of Limbo”

ムンバイのマラヤーリー(ケーララ)系シンガーソングライターMaliの"The Age of Limbo"は、コロナウイルスによるロックダウンの真っ只中に発表された作品。
タイトルの'limbo'の元々の意味は、キリスト教の「辺獄」。
洗礼を受けずに死んだ人が死後にゆく場所という意味だが、そこから転じて忘却や無視された状態、あるいは宙ぶらりんの不確定な状態を表している。 
この曲自体はコロナウイルス流行の前に作られたもので、本来は紛争をテーマにした曲だそうだが、期せずして歌詞の内容が現在の状況と一致したことから、このようなミュージックビデオを製作することにしたという。
ちなみにもしロックダウンが起きなければ、Maliは別の楽曲のミュージックビデオを日本で撮影する予定だったとのこと。
状況が落ち着いたら、ぜひ日本にも来て欲しいところだ。


5. When Chai Met Toast  “When We Feel Young”

ケーララ州のフォークロックバンドWhen Chai Met Toastの"When We Feel Young"は、Rolling Stone Indiaによる2020年のベストミュージックビデオ(こちら)の第8位にも選ばれていた楽曲。
私の知る限り、ここ数年でベストシングルとベストミュージックビデオの両方に選出されていた楽曲は初めてのはず。
彼らはいつも質の高い楽曲を届けてくれる、安心して聴くことができるバンドのひとつ。


6. Nishu  “Pardo”

言わずと知れたコルカタのドリームポップデュオParekh & Singhの一人、Nischay Parekhのソロプロジェクト。
Parekh & Singhは英語のアコースティック・ポップだが、ソロではメロディーセンスはそのままに、ヒンディー語のシンセポップを聴かせてくれている。


7. Kalika  “Made Up”

KalikaはプネーのシンガーソングライターPrannay Sastryのソロプロジェクト。
ベストミュージックビデオ部門の1位にも選ばれた女性ソウルシンガーのSanjeeta Bhattacharyaと、マルチプレイヤーJay Kshirsagarをヴォーカルに迎えた"Made Up"は、南インドの古典音楽カルナーティックを思わせるギターリフが印象的な曲。


8. Seedhe Maut x Karan Kanchan  “Dum Pishaach”

インドNo.1アンダーグラウンド・ヒップホップレーベルAzadi Records所属のデリーの二人組Seedhe MautがムンバイのビートメイカーKaran Kanchanと組んだ"Dum Pistaach"は、ヘヴィロックっぽいギターを大胆に取り入れた意欲作。
Karan Kanchanはジャパニーズカルチャー好きが高じて、日本にも存在しない「和風トラップミュージック」のJ-Trapを生み出したことでも知られているが、昨今ではヒップホップシーンでも引っ張りだこの人気となっている。
インドとアメコミと日本風の要素が融合したようなビジュアルイメージも面白い。


9. The Lightyears Explode  “Satire”

ムンバイのロックバンドThe Light Years Explodeの"Satire"は、エレクトロファンクっぽい要素を取り入れたサウンド。
タイトルは「風刺」という意味だが、風刺の効いた社会的なリリックの曲も多い彼らはパンクバンドと見なされることもあるようで、かつてインタビューしたインド北東部のデスメタルバンドも彼らのことを優れたパンクロックバンドと評していた。


10. Runt – “Last Breath”

RuntはムンバイのシンガーソングライターSiddharth Basrurによるプロジェクトらしい。
彼はこれまでレゲエっぽい楽曲などをリリースしているが、この曲はインストゥルメンタルのヘヴィロック。
これといって特筆すべきところのない曲で、個人的にはトップ10に選ぶべき楽曲とは思わないが、まあそこは選者の好みなのだろう。


全体的にヒップホップ色が薄く、ロック/ポップスが強いのは媒体の性質によるのかもしれない。
英語詞の曲が目立つ(10曲中7曲)のもあいかわらずで、英語以外ではヒンディー語の楽曲しか選ばれていないのも、Rolling Stone Indiaの拠点がムンバイであることと無関係ではないだろう(ムンバイがあるマハーラーシュトラ州はマラーティー語圏だが、ヒンディー語で制作されるエンターテインメントの中心地でもある)。
全体的に、「ソツなく洋楽っぽい」感じの曲が選ばれがちなのは、日本で言う渋谷系っぽい価値観だと見ることもできそうだ。

いずれにしても、今年もなかなか興味深いラインナップではあった。
それでは今回はこのへんで!



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goshimasayama18 at 20:39|PermalinkComments(0)

2021年01月08日

Rolling Stone Indiaが選ぶ2020年ベストミュージックビデオ10選!

というわけで、今回はRolling Stone Indiaが選ぶ2020年のインドのミュージックビデオ10選!

(元の記事はこちら↑)

「コレを選んできたか!」というのもあれば、「コレかあ?」というのもあり、また「コレは素晴らしかったのにすっかり忘れてた!」というセレクトもあったりして、こちらもまた興味深いランキングになっています。
時代性はともかく「洋楽っぽさ」を重視していたベストアルバム10選(こちら)とはうってかわって、ミュージックビデオのほうはインドならではの映像が選ばれているのも見どころ。
それではさっそく見てみましょう!



1. Sanjeeta Bhattacharya  “Red”
Sanjeeta Bhattacharyaは、アメリカの名門バークリー音楽大学を卒業したシンガーソングライター。
日本語タイトルの"Natsukashii"など、これまでも興味深い楽曲を数多く発表している。
この新曲で、従来のオーガニック・ソウル的な曲調とは異なる違うラップを導入した新しいスタイルを披露した。

共演しているシンガー/ラッパーのNiu Razaはマダガスカル出身だそうで、バークリーの人脈だろうか。
音楽性の変化に合わせて、見た目的にも、これまでの自然体で可愛らしいビジュアルイメージから、大人っぽい雰囲気への脱却を図っているようだ。
ミュージックビデオはインドのインディー音楽によくある無国籍風の映像。
楽曲はあいかわらず上質だが、ミュージックビデオとして年間ナンバーワンかと言われると、ちょっと疑問ではある。


2. Kamakshi Khanna  “Qareeb”
昨年は新型コロナウイルスの影響で通常の撮影が困難だったせいか、アニメーションを活かしたミュージックビデオが目立った一年だった。
この作品はフェルトの質感を活かしたコマ撮りアニメ。
インドのアニメのミュージックビデオは、ほとんど絵が動かない低予算のものから凝ったものまで、センスを感じられるものが多く、今後、日本のアーティストが制作を依頼したりしても面白いんじゃないかなと思う。
この曲のタイトルの"Qareeb"は「接触すること、そばにいること」を意味するウルドゥー語のようだ。
Kamakshi Khannaはデリーを拠点に活動しているシンガーソングライターで、出会いと孤独感を描いた映像が、憂いを帯びた歌声と切ないメロディーによく合っている。


3. Prabh Deep  “Chitta” 
デリーのアンダーグラウンド・ヒップホップシーンを代表するラッパー、Prabh Deepの"Chitta"もまた、実写とアニメーションを融合した作風。
前半の実写部分に見られる手書き風のエフェクトも最近のインドのミュージックビデオでよく見られる表現だ。
いつもどおりタイトなターバンにストリートファッションを合わせた彼のスタイルに、カートゥーン調の映像がマッチしている。
曲調は、メロウなビートのいつものPrabh Deepスタイル。


4. Shashwat Bulusu  “Sunset by the Vembanad”
インド西部グジャラート州バローダのシンガーソングライターShashwat Bulusuの"Sunset by the Vembanad"は、彼のホームタウンを遠く離れた北東部のメガラヤ州、トリプラ州、アッサム州で撮影されたもの。
このミュージックビデオを制作したのはBoyer Debbarmaという映像作家で、自身もスケートボーダーであり、スケートボードを専門に撮影するHuckoというメディアの運営もしているという。
BoyerがShashwatの音楽に興味を持ってコンタクトしたところ、ShashwatもBoyerの映像をチェックしており、今回のコラボレーションにつながったそうだ。
個人的にもかなり印象に残った作品で、リリース当時、このミュージックビデオと絡めてインドのスケートボードシーンについての記事を書こうと思っていたのだが、すっかり忘れていた。
ミュージックビデオに出てくる若者はKunal Chhetriというスケートボーダー。
人気の少ない街中や、トリプラの自然の中で、大して面白くもなさそうにスケートボードを走らせる彼の姿には、不思議と惹きつけられるものを感じる。
例えば大都市の公園で得意げに次々にトリックを披露するような映像だったら、こんなに心に引っかかるミュージックビデオにはならなかっただろう。
彼の退屈そうな表情やたたずまいに、強烈なリアルさを感じる。
情熱的なようにも投げやりなようにも聴こえるShashwatの歌声も印象的。 


5. DIVINE  “Punya Paap”

軽刈田セレクトによる2020年のベスト10(こちら)にも選出したムンバイのラッパーDIVINEの"Punya Paap".
これまで「ストリートの兄貴」的なイメージで売ってきたDIVINEだが、名実ともにスターとなったことでそのイメージの転換を迫られ、この曲ではキリスト教の信仰や内面的なテーマを打ち出してきた。
一方で、まったく真逆のメインストリーム/エンターテインメント路線の曲にも取り組んでいて、彼の方向性の模索はまだまだ続きそうだ。



6. That Boy Roby  “Backdrop”

チャンディーガル出身のロック・バンドThat Boy Robyはこのランキングの常連で、2018年には、サイケデリックなロックに古いボリウッドの映像を再編集したB級レトロ感覚あふれるミュージックビデオがランクインしていた(こちらを参照)。
その時は、「インドもいよいよドメスティックな『ダサさ』を逆説的にクールなものとして受け入れられるようになったのか」としみじみと感じたものだったが、今作では大幅に方向転換し、環境音楽的な静かなサウンドに、ドキュメンタリー風の映像を合わせたミュージックビデオを披露している。
あまりの変貌っぷりに、どうしちゃったの?と思ってしまうが、映像のクオリティは非常に高い。
インド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州スピティ・ヴァレーの人々の冬の暮らしを詩情豊かに描いた映像は、同地で活躍する写真家Himanshu Khagtaによるものだそうだ。


7. Lifafa  “Laash”

Lifafaは、バート・バカラック風のノスタルジックなポップスを演奏する「デリーの渋谷系バンド」Peter Cat Recording Co.のヴォーカリストSuryakant Sawhneyによるエレクトロニック・フォーク・プロジェクト。
Lifafa名義のソロ作品では、PCRCとはうってかわって、インドっぽさと現代らしさ、伝統音楽と電子音楽の不思議な融合を聴かせてくれる。
6分43秒もあるミュージックビデオは、ハンディカメラで撮られたロードムービー風だが、最後の最後で予想外の展開を見せる。


8. When Chai Met Toast  “When We Feel Young”

ケーララ州出身のフォークロックバンドWhen Chai Met Toastの"When We Feel Young"も、やはりアニメーションによるミュージックビデオだった。
夜の道をドライブしながら過去を振り返る初老の夫婦を主人公とした映像は、彼らの音楽同様に、心温まる色合いとストーリーが印象に残る。



9. Komorebi  “Rebirth”
宮崎駿などのジャパニーズ・カルチャーの影響を受けているデリーのエレクトロニカ・アーティストKomorebiの"Rebirth"は、CGと化した彼女がインドと日本を行き来する興味深い作品。
軽刈田による2020年のベスト10(こちら)ではコルカタのSayantika Ghoshをセレクトしたが、インドでは電子音楽とジャパニーズ・カルチャーの融合がひとつの様式となっているようだ。




10. Raghav Meattle  “City Life”

軽刈田も注目しているムンバイのシンガー・ソングライターRaghav Meattleの"City Life".
お気に入りの曲が選ばれているとやはりうれしい。
フィルムカメラを使って撮られた映像は、コロナウイルス禍以降に見ると、もう戻れない過去のようにも見えて切なさが募る。



というわけで、Rolling Stone Indiaが選んだ2020年のミュージックビデオ10選を紹介してみました。
ベストアルバム同様、このミュージックビデオ10選も、音楽的にはこれといってインドっぽさのない、無国籍なサウンドが並んでいるのだが、やはり映像が入るとぐっとインドらしさが感じられる。

大手レーベルと契約しているDIVINE以外は、コロナウイルスの影響を受けたと思われるアニメーションやドキュメンタリー調(少人数での撮影を余儀なくされたのだろう)の映像が目立つのが印象的だ。
過去のランキングと比べてみるのも一興です。






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2021年01月02日

Rolling Stone Indiaが選ぶ2020年ベストアルバム10選!

あけましておめでとうございます!
毎年新年に紹介しているRolling Stone Indiaが選ぶ年間ベスト紹介シリーズ、今回はベストアルバム部門の紹介!

(元の記事はこちら↓)


面白いもので、これが昨年末に紹介した軽刈田セレクトの年間ベストとは1作しか重なっていない!
それだけインドのインディーシーンの多様化が進んでいる証拠とも言えそうだけど、Rolling Stone Indiaの年間ベストも数人のジャーナリストだけで選出しているようなので、単に音楽の好みや注目するポイントの違いなのかもしれない。

(私の選んだ年間ベスト10はこちら↓。ただし、アルバムに限らず、楽曲やミュージックビデオも含めた10作品の選出)


私のTop10は「2020年にその音が鳴らされる必然性」を重視して選出したつもりだったけど、Rolling Stone Indiaは、毎年ながら同時代性を全く無視したセレクトになっていて、これはこれで面白いランキングになっている。
今年はいつになく前時代的なロックバンドが多い印象で、また違った「インド音楽」が楽しめると思います。
それではさっそく!


1. Thermal And A Quarter  "A World Gone Mad"

Thermal and a Quarterは96年に結成されたベンガルールのベテランロックバンド。
このアルバムのサウンドを簡単に説明するなら、「ピンク・フロイド的な詩情と70年代ハードロック的なダイナミズムの融合」ということになる。
要はクラシックなプログレッシブ・ロックで、曲によっては90年代USのグランジっぽく聴こえることもある。
プログレといっても、個々のプレイヤーの技巧ではなく、ヴォーカルハーモニーを含めたバンドのアンサンブルで聴かせるタイプの作品なので、聴いていて疲れないのも◎。
とはいえ、この作品が2020年のインドのインディーミュージックの最高到達点を示すものかと言われると、個人的にはちょっと疑問符を付けたくなる。
インドのインディー音楽のリスナーは「インテリっぽいロック」を好む傾向があって、このランキングにもそうした好みが反映されている可能性がある。
以下、その点に留意して聴いてみてください。


2. Soulmate  "Give Love"

Soulmateはインド北東部のメガラヤ州シロンを拠点に活動する2003年結成のベテランブルースロックバンド。
インド北東部はこのブログでも何度も紹介している通り、キリスト教信仰の影響もあって、かなり古い時代からロック等の欧米の音楽が受け入れられてきた。
このアルバムも彼ららしいハードなブルースが堪能できる作品で、とくに女性ヴォーカリストTipriti Kharbangarのソウルフルな歌い回しと、Rudy Wallangのツボを抑えたギタープレイ(チョーキングのトーンコントロールが素晴らしい)は絶品。
やはり2020年らしさは皆無なサウンドだが、この手の音楽の愛好家は世界中にいるはずなので、もっと多くの国で評価されてもいいはずだ。


3. Saby Singh  "Yahaan"

これまで全くノーチェックだったカシミール出身のシク教徒のシンガー・ソングライター。
Rolling Stone Indiaの記事によると、前作の"Ouroboros"は実験的な電子音楽だったようだが(奇妙なことに、この作品は現在YouTubeでも音楽ストリーミングサービスでも聴くことができない)、今作はシンプルなギターの弾き語りとなっている。
こういう音楽は歌詞が分からないとしんどいが、深みと表現力のある歌声は聴きごたえがある。
ときに情感過多で演歌っぽい歌い回しになってしまうのは、シク/パンジャービーのルーツゆえか。



4. aswekeepsearching  "sleep"

この作品が唯一、私が選んだ年間トップ10と重なっていた。
海外のレーベルからアルバムをリリースしたこともあるポストロックバンドによるアンビエント作品。
インド西部グジャラート州のアーメダーバード出身で、ベンガルールを拠点していると思っていたのだが、Rolling Stone Indiaによると、現在はムンバイで活動しているらしい。
Rolling Stone Indiaは、この作品の楽曲を「催眠術的(hypnotic)」("How I Suppose to Know")、「瞑想的(meditative)」("Let Us Try")、「平和的(peaceful)」("Sleep Again")、「未来的(futuristic)」("Glued")、「アコースティックギターが傑出(acoustic guitar prominence)」("Dreams are Real")、「憂鬱(melancholy)」("Sleep Now")と評している。


5. Lojal "Phase"

メガラヤ州シロンのMartin J. Haokipによるソロ・プロジェクト。
どこか近未来的なトラックにR&B的なコーラスやラップが乗る。
感情を抑えたヴォーカルは、雰囲気で聴かせるところもあるが、2020年のインドを感じさせるサウンドではある。
Frank Ocean, Bon Iver, Kanye Westの影響を受けているとのこと。
このランキングで「今っぽさ」を感じさせられるのは4位のaswekeepsearchingと、このLojalくらい。


6. The Earth Below  "Nothing Works Vol. 2: Hymns for Useless Gods"

これまたノーチェックなアーティストだったが、ベンガルール出身で、ムンバイを拠点に活動しているドラマー兼ヴォーカリストのDeepak Raghuを中心としたバンドのようだ。
サウンドは90年代のグランジ/オルタナティブ・ヘヴィロックの影響を強く感じさせるもので、歪んだギターと憂鬱さを帯びたヴォーカルが虚無的な情熱とでも呼ぶべき感情を喚起する。
"Come to Me"のような曲のメロディーセンスもとても良い。
アルバムタイトルに"Vol.2"とあるが、"Vol.1"は検索してもどこにも見当たらないのが謎。
虚無感をテーマにした曲が多いようで、アルバムの副題からも、我々がよく知る信仰心に厚くバイタリティーあふれるインドとはかけ離れているが、これもまた現代のインドのリアル。


7. Serpents of Pakhangba  "Serpents of Pakhangba"

おそらくこのランキング中最大の問題作がこのアルバムだろう。
ムンバイのマルチプレイヤーVishal J. Singh(プログレッシブ・メタルバンドAmogh Symphonyの中心人物としても有名)が率いるSerpents of Pakhangbaの音楽性は、単純に言えばやはりプログレということになるのだろうが、エキセントリックな女性ヴォーカル(伝統音楽に由来しているのか?)、メタル、ジャズ、アンビエント的なサウンドを内包した実験的なもので、なんとも形容し難い。
ものすごい作品のような気もするし、単にとっ散らかっているようにも聴こえるが、アルバム全体を通して異常な緊張感が張りつめており、演奏力も高くて飽きさせない。
バンド名はインドの蛇神ナーガの北東部マニプル州のメイテイ族に伝わる呼び名で、Vishal J. Singhのルーツにも関わっているようだ。
なんと彼らへのインタビューを日本語で紹介しているウェブサイトを見つけたので(さすが日本が誇るメタルマガジン'Burrn!')、詳しくはこちらを参照してほしい。



8. Swadesi  "Chetavni"

Rolling Stone Indiaが2020年のヒップホップを代表する作品として選んだのがこの作品。
Swadesiはムンバイを拠点に活動する多言語ラッパー集団で、これまでも古典音楽/伝統音楽との融合などを試みつつ、さまざまな社会問題や政治問題を扱った作品をリリースしてきた。
今回は伝統音楽の要素はあまり入れずに、オールドスクールっぽいフロウのラップを聞かせてくれている。
サウンドや内面的な表現ではなく、社会的な要素を重視しての選出だったようで、そうなるとリリックが分からないのが非常にもどかしい。
意外なことにこの作品がデビューアルバム。


9. Girish And The Chronicles  "Rock the Highway"


Girish And The Chroniclesは、インド北東部シッキム州出身のヘヴィーメタルバンド。
ヴォーカリストのGirish Pradhanは、Chris Adler (ex. Megadeth)らとのプロジェクトFirstBorurneでも知られている実力派。
これもまた2020年らしさの全くないヘヴィ・ロックンロールで、彼らが時代に関係なく、本当に好きな音楽を追求しているのだということが分かるサウンド。
13曲入りというのも聴きごたえがある。
アップテンポでもヘヴィなグルーヴを失わないリズムセクションと、確かな腕を持っているギタリストを擁していて、楽曲のクオリティーも高い(曲によっては、Sammy Hager在籍時のVan Halenを思わせる)。
35年前のアメリカでこの音を鳴らしていたら、世界的に評価されていたかもしれない。


10. Protocol  "Friar’s Lantern"


ムンバイ出身のプログレッシブロックバンド。
これまた2020年らしからぬサウンドで、ヘヴィな要素もあるが、欧風のフォークミュージックっぽい雰囲気も濃厚。
女性ヴォーカリストの表現力がもう少しあると良いのだが…。


というわけで、全10枚を紹介してみました。
今年は例年になく70〜90年代風のヘヴィ・ロックが目立つ結果となった。
おそらくだが、インドのインディー・ミュージック界は、日本でいうとバンドブーム〜渋谷系の時代なのだろう。
何が言いたいのかというと、同時代的な表現や新しい音を追求することよりも、過去の音楽を咀嚼して、あるときはお手本に忠実に、またあるときはそれを自分なりのセンスで表現した音楽が好まれる傾向があるのではないか、ということだ。
もちろん彼らが単なるコピーだと言いたいわけではない。
Soulmateにしろ、Girish and the Chroniclesにしろ、Serpents of Pakhanbaにしろ、それぞれのジャンルの紛れもない「本物」だし、とくに英語詞での表現については、日本のアーティストよりもずっと「本場」に近いところにいる。
まあ、単に選者の好みなのかもしれないけれども。

いずれにしても、このサブスク全盛で、1曲が2分台の曲が多いこのご時世に、Thermal and a Quarter, Serpents of Pakhangba, Protocolのように1曲が6分以上あるようなアルバムを平気で選んでくるセンスは結構好きだ。
また、Soulmate, Lojal, Girish and the Chroniclesのような北東部のアーティストが目立っているのも印象的。
おそらくは評価基準の一つになっている「欧米的な音楽」をやらせたら、やはり一日の長がある地域なのだろう。

これまで知らなかった面白いアーティストも知れたし、なかなか興味深いランキングでした!
次回はRolling Stone Indiaが選ぶミュージックビデオTop10を紹介したいと思います。


あ、正月ということで、以前書いたガネーシャと正月をテーマにした落語も貼り付けておきます!



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goshimasayama18 at 19:42|PermalinkComments(0)