ヨギ・シンとの遭遇を終えて二人目のヨギ・シンとの対話

2023年11月24日

新たなるヨギ・シンの襲来!


(これまでのヨギ・シンに関する記事)



一応書いておくと、この「アッチャー・インディア」は、本来インドのインディー音楽を紹介するブログである。
ここ1ヶ月以上、謎のインド人占い師のことばかり書いているが、こうしている間にもインド本国では紹介すべき新曲やアルバムがどんどんリリースされていて、ネタが大量に溜まってきている。
12月には今年1年のシーンを振り返る記事も書きたい。

「謎のインド人占い師、ヨギ・シン」は生涯をかけて付き合っていきたいテーマだが、自分はもともと音楽について書きたい人間なのだ。
プラディープも帰国したし、また本腰を入れて音楽の記事を書こう。

そう思った私のもとに、あろうことか、また新たなヨギ・シンが出没したという情報が寄せられた。
ブログへのコメントを転載すると、こんな感じである。

先程会いました
2023/10/27 20:26
丸の内スタバ前!
お話をして、赤い木の実をもらいました。調べたところ菩提樹の実のようです。
特徴を検索したらここに至りました。ありがとうございます。
お布施もしましたが、よい時間でした。ナマステ
2023/11/13 19:41
今日の午後2時ごろに神田小川町交差点付近で声を掛けてきたおじさんが「ラッキーな顔だ。オーラが出ている」と近づいてきました。無視しましたが、これだったのですね。

Xにもこんな目撃情報が投稿されているのを見つけてしまった。





目撃した何人かとやりとりをしたところ、今度のヨギ・シンはターバンを巻いた中年男性であるという。
あきらかにプラディープとは別の人物だ。
これまでヨギ・シンの出没情報は神田や大手町ばかりだったが、今度は神田方面にも出没しているらしい。
徒歩圏内とはいえ、どうやら活動範囲を北に拡大しているようだ。


本来であれば、新しいヨギ・シンの出現は、その謎を追求している自分にとって願ってもいないチャンスのはずである。
彼らと実際に遭遇し、話をすることができる機会は滅多に得られないからだ。

とはいうものの、正直に言って、私は相手のペースに合わせて動かなきゃならないヨギ・シンの捜索に、ちょっと疲れてきていた。
いい加減そろそろ音楽について書きたいし、東京に来てくれるのはありがたいんだけど、できたら半年後くらいにしてもらえないかな。


ヨギ・シンに対して、こんなふうに思う日が来るなんて思ってもいなかった。
恋と同じで、相手のことをよく分からないまま追いかけているときが、いちばん楽しかったのかもしれない。
かつてのヨギ・シンはツチノコやネッシー級のミステリアスな存在だったが、今ではもう地域猫くらいの扱いである。
どこらへんに行けば会えるかだいたい分かっているけど、会えないときもある。
エサ(金)を渡せば一応相手はしてくれるが、完全に懐いて信頼してくれる訳ではない(エサ=金を渡し続ければ別かもしれないが)、という感じだ。

実際、しばらく新しい地域猫、じゃなかったヨギ・シンを放置していたのだが、SNSやブログへの情報は途絶えず、どうやらいっこうにインドに帰る気配がないようなので、11月18日の土曜日、休日出勤の仕事を終えた私は、若干めんどくさいなと思いながらも東京駅へと足を向けた。
別に行かなくても良いのだが、気にならないといえば嘘になる。
こんな気持ちは初恋以来かもしれない。


丸の内改札を出て、プラディープと遭遇したレンガ駅舎前の広場を見渡したが、それらしき姿はない。
これまでになかった神田方面への出没情報が気になるので、ひとまず丸の内から大手町を経由して、神田まで歩きながら捜索してみることにした。

この日はやたらと風が強く、薄手のコートではかなり肌寒かった。
こんなに風が強かったら、ヨギ・シンの商売道具の小さな紙はすぐ飛ばされてしまうだろう。
それにこの寒さは、歩いている人々の足を止めて屋外で占いをするには決してよい天気とはいえない。
時刻は16時半過ぎ。
彼はもういないんじゃないだろうか。
仕事で疲れていた私は、神田駅まで歩いてさっさと帰ろうと思いながら、ひとまず出没情報のあった将門の首塚に向かうことにした。

土曜日の大手町は人通りも落ち着いていた。
天気はともかく、ヨギ・シンのタネも仕掛けもある占いをするには、人の多い丸の内よりもやりやすそうではある。
将門塚の清掃員がヨギ・シンを目撃しているようだから、話を聞いてみようか。
でも土曜のこの時間じゃ、いないだろうな。
そんなことを考えながら、紀伊国屋書店と読売新聞本社の交差点を左に曲がり、高層ビルの合間にそこだけぽっかりと空いた将門塚のほうを見ると、所在無げに立っているジャンパー姿の男がいた。
清掃員か警備員かなと思ってよく見てみると、なんと男は臙脂色ターバンを巻いている!
ターバン姿の男は、中年から初老といった年齢で、白髪混じりの長い髭を蓄えた、どう見てもかなりヨギ・シンっぽい風貌である。

まさかの、いきなりの遭遇。
私は将門塚の道を隔てた向かい側で、さっきまで面倒臭いと思っていたのも忘れて、高鳴る鼓動を抑えつつ、気づかれないように男を目で追った。
そのターバン男は、人気のない将門塚から西側に歩くと、赤信号の横断歩道の前で立ち止まった。
どうやらこちらに道を渡って来ようとしているようだ。
ターバンに長い髭のシク教徒は、インドでは珍しくもなんともないが、東京のオフィス街ではかなり目を惹く格好だ。
首から上が特徴的なのに対して、服装はこれといって特徴のないグレーのジャンパーにスラックス。
場外馬券売り場にでもいそうな、地味でこだわりのなさそうな格好である。


信号が青になり、男が歩き始めた。
横断歩道で何人かとすれ違うとき、男は見定めるように視線を走らせたが、さすがに道の真ん中で声をかけるのをためらったのか、誰にも声をかけず、そのまままっすぐ進んでゆく。
気づかれないよう、彼の数メートル後ろから尾行する。
決して人通りの多い通りではないが、声をかけるのに困らないくらいの人は歩いている。
ヨギ・シンにとってはやりやすい環境だろう。

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彼はターゲットを物色するようにゆっくりと歩いてゆき、10メートルほど進んだところですれ違った男性に声をかけた。
ターバン姿の男は、自分の額を指さしながら何か話している。
おそらく「あなたの額からオーラが出ていた」とでも言っているのだろう。
間違いなくヨギ・シンだ。
声をかけられた男性は、胡散くさいと思ったのか、拒否のジェスチャーを示すと、足早に立ち去って行った。

彼は次のターゲットを探している。
今がチャンスだ。
私は歩くスピードを上げ、さりげなく彼と並んで歩く。
すると、予想通り彼は声をかけてきた。
「You have a lucky face.」

(つづく)



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goshimasayama18 at 19:06│Comments(5)ヨギ・シン 

この記事へのコメント

1. Posted by なか   2023年12月04日 15:20
先程また会いました。
神田小川町のウェルシア前です。
2. Posted by 軽刈田 凡平   2023年12月04日 19:30
>>1
コメントありがとうございます!
まだいるんですね!!
今週も時間取って探索に行きたいです。
3. Posted by 昨日声をかけられました   2023年12月19日 09:47
丸の内のビル脇道で。
50~60代ターバンを巻いた男性。写真の彼です。
ラッキーフェイス、2024年3つ良いことがあるよ。などと言われ、占いをしようか?と聞かれましたが、急いで立ち去りました。
多分お金を要求されるヤツだろうなと思いましたが、気分は悪くなかったです。
4. Posted by 昨日声をかけられました   2023年12月19日 09:47
丸の内のビル脇道で。
50~60代ターバンを巻いた男性。写真の彼です。
ラッキーフェイス、2024年3つ良いことがあるよ。などと言われ、占いをしようか?と聞かれましたが、急いで立ち去りました。
多分お金を要求されるヤツだろうなと思いましたが、気分は悪くなかったです。
5. Posted by 軽刈田 凡平   2023年12月19日 22:22
>>4
ご報告ありがとうございます!
やっぱりメインで活動しているのは丸の内、大手町エリアあたりっぽいですね。
率直に言って怪しいし、お金を請求されそうな感じもすごーくしますが、会えたら気分は悪くないというの、分かります笑

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