特集ナガランドその3 ナガの地で花開く日本文化 ナガランドのオタク・カルチャー事情とは?インドのインディーズシーンの歴史その9 UKエイジアン・トリップホップ Nitin Sawhney

2018年11月02日

デカン高原から宮殿まで インドのフェス事情


日本のテクノDJであるDJ NOBUが11月10日にムンバイで開催されるFar Out Left Electronic Music Festivalに出演する。
faroutleftmumbai
このイベントはニューヨークのAurora Halal、DAUWDら海外のアーティストも多数出演するテクノ系のフェスティバル。
DJ Nobuはヨーロッパをはじめ海外でのプレイ経験も豊富なテクノDJで、つい先日も中国でのイベントに出演してきたばかり。
このフェスの会場はGreat Eastern Homeという英国植民地時代の雰囲気を色濃く残す高級家具ギャラリーだそうで、どんなイベントになるのかかなり興味がある。
Boiler Roomのアーカイブから、DJ Nobuの韓国ソウルでのDJセットを紹介します。


日本人アーティストのインド公演としては、今年に入ってから、8月にはWata Igarashi(五十嵐渉)が、9月にはDaisuke Tanabe(ともにダンス/エレクトロニカ系のアーティスト)がニューデリー、ムンバイ、バンガロールなどの都市を回るツアーを行ったばかり。
Daisuke Tanabeに関しては、2016年にもラージャスタン州のダンス系フェスティバルMagnetic FIeldへの出演を含むインドツアーを成功させており、さらにはインドの新興レーベルKnowmad Recordsからのリリースも行っている。

また、ロックバンドでは、2014年にはあの少年ナイフがゴアで行われたVans New Wave Music Festというパンク/インディーズ系のフェスに出演しており、デスメタルバンドではDefiledが2015年に、兀突骨(Gotsu-Totsu Kotsu)が2017年にそれぞれインドツアーを敢行していて、何度も書いていることだが、コアなジャンルの音楽のボーダレス化は、インドにも確実に及んでいることが感じられる。

インドで公演した日本人アーティストの共通点をあえて探すとしたら、もとから国内だけでなく世界を舞台に活動している(そして高い評価を得ている)アーティストであるということ。
つまり、もはやインドで演奏するということは特別なことではなく、世界的に活躍しているミュージシャンにしてみたら、欧米ツアーをするのと同じように、普通にインドでパフォーマンスを行う時代になったということだ。

それにしても、五十嵐渉、Daisuke Tanabe、DJ Nobuという人選をしたインドのオーガナイザーたちの慧眼ぶりはどういうことなんだろう。
日本からmonoが出演したZiro Festival然り、インドのフェスが招聘する海外アーティストのユニークさやセンスの良さにはいつも驚かされっぱなしだ。

例えば、10月27〜28日にバンガロール郊外でAsian Dub Foundationをヘッドライナーに行われた The Beantown Backyard Festival.
バンガロールのイベントADFから中国まで
 UKインディアンのADFはともかくとして、他の海外アーティストの無名&個性的っぷりったらない。
果たして全員知っているって人はいるだろうか?

漢字がひときわ目をひく中国・内モンゴル出身のTulegurは口琴やギターを使ってモダンなフォークミュージックを演奏するアーティスト。


[dunkelbunt]はオーストリアのバルカンビート/ジャズ/レゲエ/ダブバンド(なんだかもうわからない)。


イスラエルのMalabi Tropicalはまさかのスペイン語で歌うラテンバンド。


Ms.Mohammedはトリニダード・トバゴ出身の女性アーティストだが、以前紹介したようにトリニダードはインド系住民が多い国なので、もともとのルーツはインド系なのかもしれない。


デカン高原の自然の中で行われる会場の雰囲気も素晴らしく、ぜひ一度足を伸ばしてみたいフェスのひとつだ。

2つのステージで30を超えるアーティスト、20を超える屋台、20種類以上のビール、早朝のヨガセッションに熱気球などのアクティビティーと非常に充実した内容で、チケットは1,279ルピー(約2,000円)から8,960ルピー(約15,000円)とのこと。行きたい!

Daisuke Tanabeが出演していたMagnetic Fieldは砂漠の州ラージャスタンで行われるダンス系のアーティストを中心としたフェスティバルで、17世紀に建てられた宮殿Alsisar Mahalを会場にして行われる。
昨年は海外からBen UFOやFour Tetらのビッグネームを招聘し、インドからは痛烈な社会批判で知られるBFR Soundsystemらが出演。

ラージャスタンならではの会場の様子が素晴らしい!
こちらはテント持参で1名12,000ルピー(約19,000円)のチケットから、ツインルームの宿泊付きで2名で92,000ルピー(約14万円!)までとかなり強気の価格設定だが、それでもほとんどのプランがソールドアウトになっているようだ。
インドの新しい富裕層の最新かつ最高に贅沢な遊び場ということなのだろうね。

インドのフェスは本当に素晴らしい雰囲気のものが多く、まだまだ紹介したいのだけれども、今日のところはこのへんで!



--------------------------------------

「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」

更新情報や小ネタはTwitter, Facebookで!



コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
特集ナガランドその3 ナガの地で花開く日本文化 ナガランドのオタク・カルチャー事情とは?インドのインディーズシーンの歴史その9 UKエイジアン・トリップホップ Nitin Sawhney