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2018年09月08日

インドのインディーズシーンの歴史その5 インドロック界の大御所 Parikrama!

インドのインディーズミュージックの歴史を紐解くこの企画、第5回目にお届けするのは、第3回第4回の在外レゲエ系アーティストからインド本国に戻って、インディアンロックシーンの大御所、Parikramaを紹介します!
VH1INDIAによるインドのインディー100曲

Parikramaは「巡礼」を意味する言葉(サンスクリット語)で、今回紹介する曲は、1991年にデリーで結成された彼らが1996年に発表した、"But It Rained".
Rolling Stone India誌が2014年に発表した、過去25年で最も重要なインドのロック25曲にもランクインした曲です。
まずは聞いてみましょう。
 
アイリッシュを思わせるメロディーだが、小さな音ながらもタブラのリズムに間奏のバイオリンと、インド的な要素が感じられる楽曲だ。
これまで紹介してきたRock Machineの"Top of the Rock"とGary Lawyerの"Nights on Fire"が、それぞれVan HalenやWhite Snakeへのオマージュ的な曲だったのに比較して、誰かのコピーではない、オリジナルなサウンドの楽曲であることが分かるだろう。

この曲の歌詞は孤独や憂鬱をテーマにしている。
紛争が続くカシミール地方で、誘拐された家族たちが帰ってくることを待ちながら暮らしている人々を扱った雑誌の記事にインスパイアされて書いたものだという。

インターネット普及前夜の1996年。
インドのロックミュージシャンたちは、サウンドも歌詞のテーマも、模倣からオリジナリティーへの道を歩み始めた。
その記念碑的な一曲として、この"But It Rains"は「インドのインディーズミュージックシーンを作った72曲」の5曲めにリストアップされているのだろう。
初めてインドに行ったのはこの曲がリリースされてから1年後の1997年だったけど、その頃、インドにもこういう音楽をやっている人たちがいるなんてさっぱり気づかなかった。
デリーのカセットテープ屋のオヤジですらロックの存在そのものを知らず、街には映画音楽しか流れていなかったけど、それでもインド独自のインディーズシーンは確かにその胎動を始めていたのだった。

それでは今日はこのへんで。

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「軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)のアッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」

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